ファクタリングの審査基準に人柄は入る?審査基準のポイントなど解説

2024年10月24日

ファクタリングを利用したいと考えていても、審査に通るかどうか分からずなかなか踏み出せないと感じている方もいるのではないでしょうか。

審査の基準や通過する可能性を上げる方法を知っておくことで、審査落ちを未然に防ぐことができ、スムーズに資金調達まで進められます。

そこで今回は、ファクタリングを利用するための審査で重要視されている点や審査に落ちてしまう要因についてご紹介します。

ファクタリングの審査基準

ファクタリングの利用を開始するにあたり、まずは複数設定されている審査項目を全てクリアしなければなりません。

ファクタリング会社は契約をするかどうかを判断するにあたって「売掛金を滞りなく回収できるかどうか」をとくに重要視しており、あらゆる角度から調査を行うことで信用できる取引相手かどうかを見極めています。

ここでは判断の指標となる審査基準についてお伝えします。

売掛先の信用力

先述したように、ファクタリング会社は「売掛金を滞りなく回収できるか」に重きを置いて審査をしています。

そのため、国や地方自治体などが運営している公的機関や上場企業を売掛先としている企業は支払能力が高いとみなされ、審査に通過する可能性がぐっと上がります。

反対に、自社の経営状態に問題がなくても売掛先の経営状況が悪化していると審査に通りにくくなりますので、十分注意しましょう。

売掛先との取引期間

売掛先とどれくらい取引期間が長いかも、審査基準として盛り込まれています。

同じ売掛先との取引期間が長ければ長いほど、長期にわたって安定して売掛金を回収できているという証拠として判断されるからです。

反対に取引期間が短すぎる場合、資金調達のためだけに会社同士が共謀して取引を行い、架空の売掛金を発生させているのではないかと疑われてしまいやすくなります。

売掛金の信憑性

審査時には、申請している売掛金が実在しているのかどうかもチェックされます。

「できるだけ多くの資金を得たい」という目的で売掛金の額を偽造する企業もあることから、売掛金が実在するか念入りに調査するのです。

そのため、会社の規模に対して申請金額が大きすぎる場合は、審査で不利になりやすいでしょう。

売掛金の健全さ

先述した売掛金の信憑性と同時に、申請している売掛金が「不良債権」や「二重譲渡」に該当しないかどうかもチェックされます。

「不良債権」とは財産としての価値を失った債権のことで、価値がない債権を買い取ってしまうと回収ができなくなるリスクがあります。

「二重譲渡」とは同じ債権を複数業者に譲渡することで、同時に何社からも資金を調達する犯罪行為です。

売掛金自体に問題がある債権を買い取ってしまうことはファクタリング会社にとって大きなダメージとなるため、健全な取引かどうかを念入りに確認されるのです。

売掛金の支払期日

売掛金を支払うまでの期間は可能な限り短く設定した方が審査を通過しやすい傾向にあります。

なぜなら、支払いまでの期日が長ければ長いほど不測の事態が生じる可能性が高くなるからです。

事業運営は何が起こるか分からず先が見えにくいことから、途中で倒産してしまったり何らかの事情で突然支払えなくなったりするリスクを回避するため、支払いまでの期間が長すぎる企業は審査に落ちてしまう傾向があります。

利用者の信用力

企業としての信用ではなく、利用者の人間性も審査の対象になります。

質問をしているのに返信が遅く回答が曖昧であったり、必要書類を事前に準備しておらず提出までの期日に間に合わなかったりと、ビジネスマンとしての基本的な部分が欠落している利用者には不安を覚えてしまうものです。

金銭が絡む重大な契約なので、利用者が信頼に足る人物かどうかも見られています。

利用金額

利用者の企業規模と利用金額が見合っているかも審査の対象となります。

年間の売上と、希望調達金額がかけ離れている場合、ファクタリング会社は書類の偽造や架空債権などの不正行為を疑いますので、審査は通りにくくなってしまいます。

ファクタリングの審査基準にならないポイント

融資などの他の資金調達方法で重視されるポイントでも、ファクタリングの審査ではあまり重視していないポイントがあります。

ファクタリングで審査基準にならないポイントを解説します。

利用者の経営状況

売掛金の回収先は売掛先の企業になります。そのため、ファクタリング会社は利用者よりも売掛先の経営状況を重視しています。

利用者が赤字経営でも売掛先がしっかりと支払能力を持っている限り、利用できる可能性が高いでしょう。

利用者の借入状況や信用情報

融資などの貸金の場合は利用者の借入状況や信用情報を重視していますが、ファクタリングは売掛金の売買のため、利用者の借入状況や信用情報は審査において重視していません。

そのため、例えば利用者が融資などの返済が滞っており、いわゆるブラックリスト状態であってもファクタリングを利用することは可能です。

利用者の設立年数

スタートアップ企業など設立間もない企業は、設立年数が短いがために融資の審査においては不利になることが多いですが、ファクタリングの場合、企業の歴史や設立年数はあまり重要ではありません。

たとえ起業して1年未満の企業であっても、大企業など売掛先が信頼できる企業であれば、ファクタリングを利用できます。

ファクタリングの審査に通るためのポイント

審査を通過するためには、上記でお伝えしたさまざまな懸念をクリアしていかなければなりません。

ここからは審査に通るために心がけておくべきポイントをご紹介します。

信用度が高い売掛先を選ぶ

上場企業や国または地方自治体が運営している公的機関など、社会的信用度が高い売掛先との取引実績がある場合は審査に通りやすくなります。

こうした売掛先は倒産や資金回収が遅れるといったリスクが少ないとみなされ、ファクタリング会社側のリスクを軽減できると考えられるからです。

たとえ自社の経営規模が大きく経営状態に問題がなくても、債務超過になっている企業や赤字企業、風俗やギャンブルといった社会的信用度が低いとされる企業と取引実績があるとチェックが厳しくなる傾向があります。

支払期日が近い売掛金を利用する

審査に通過しやすくするためには、売掛金を支払うまでの期間をできるだけ短く設定するのがポイント。

支払期日までの期間が長すぎると、ファクタリング会社側は回収できないリスクを想定してしまいやすいからです。

支払期日は最長でも2か月までにとどめておきましょう。

売掛金の存在を証明する書類を用意する

審査時には売掛金が実際に存在しているのかどうかまで厳しくチェックされます。

ファクタリング会社から売掛金の存在について質問されることを想定し、請求書や納品書・受発注書など、実際に取引が発生していることが証明できる書類を複数準備しておくと安心です。

このときは先述したように、長期間の取引がある売掛先企業との実績を提示できるようにしておくのがおすすめです。

売上規模に合った希望額を提示する

資金調達の希望額には、自社の売上規模に合った金額を提示するようにしましょう。

売上規模に対してあまりにも大きすぎる金額を提示すると、資料を偽造して架空の債権を譲渡しようとしているのではないかと疑われてしまうことがあるからです。

多額の資金調達が叶うのが一番の理想ではありますが、まずは確実に審査を通過することを優先しましょう。

矛盾のない説明を行う

自社や売掛先の経営状況や申請内容に全く問題なく、審査に必要な書類をしっかり準備していたとしても、ファクタリング会社との信頼関係が構築できなければ水の泡です。

質問に対して回答が曖昧であったり少しでも矛盾があったりすると、会社としてだけでなく利用者の人間性まで疑われてしまい審査に落ちてしまうことがあるのです。

質問にははっきりと回答できるよう準備をし、信頼関係構築を意識しましょう。

まとめ

ファクタリングの審査では「信用度が高い売掛先かどうか」「支払期日はいつ頃か」「利用者が信頼できる人物かどうか」など、契約しても問題ないかをあらゆる視点からチェックされます。

これから審査を受ける場合やすでに審査に落ちてしまっている場合は、本記事を参考に審査に向けた準備を進めていくことをおすすめします。