ファクタリングの手数料相場推移と手数料が決まる要点

2024年8月10日

ファクタリングを利用する際は手数料がかかり、手数料の金額によって資金調達できる額が決まるため、手数料がどれくらいかかるのかは事前に確認しておきたい重要な要素の1つです。

ファクタリングの手数料は契約方法によって相場が異なり、2者間ファクタリングで8%〜18%程度、3者間ファクタリングで2%~9%程度となっています。

ファクタリング会社によっても手数料は異なり、高い手数料を設定している会社は「悪徳業者」の危険性もあるので注意が必要です。

この記事では、安心してファクタリングを利用するために知っておくべきファクタリングの手数料について詳しく解説をしていきます。

ファクタリングの手数料は必ず発生する

ファクタリングを利用する際は、必ず手数料が発生します。

例えば、以下の図のように100万円の売掛金をファクタリング会社に譲渡するとします。
手数料が20%の場合、売掛金100万円の20%である20万円が手数料として引かれます。

つまり、100万円の売掛金を80万円で譲渡(売却)したことになりますので、ファクタリング会社から入金されるのは80万円です。

手形割引を利用されている方も多いと思いますが、それと似たような仕組みで、ファクタリングも譲渡する売掛金から一定の手数料が差し引かれることを覚えておきましょう。

また、どの程度の手数料がかかるかは、ファクタリングの種類や会社によって異なります。

ファクタリングの手数料の相場推移は?

ファクタリングの手数料の相場推移は2者間ファクタリングの手数料で8%〜18%、3者間ファクタリングの手数料で2%~9%が相場です。
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングでは、売掛先の承諾の有無・資金の支払い方法に違いがあり、それによりファクタリング会社の売掛金の未回収リスクが大きく変わってきます。

そのため、手数料に差が生じます。

それぞれどのような違いがあるのか詳しく解説していきます。

2者間ファクタリングの手数料

2者間ファクタリングの手数料相場推移は8%〜18%です。
2者間ファクタリングでは、ファクタリング会社と利用者の2者間で取引が行われるため、売掛先の介入が全くなく契約を行うことが可能です。

そのため、売掛先にファクタリングを利用する承諾を得る必要がなく、スムーズに利用することがメリットとなります。
売掛先が介入しない分、ファクタリング会社にとって以下のリスクが生じます。

・架空債権の譲渡
・債権の二重譲渡

上記のように2者間ファクタリングの場合は、利用者とファクタリング会社での契約となるため、ファクタリング会社にとっては実在しない債権(架空債権)を譲渡されるリスクが高い仕組みです。

また、利用者が悪意を持って同じ売掛金を複数のファクタリング会社に譲渡してしまう可能性もないとは言い切れません。

そのため、2者間ファクタリングは3者間ファクタリングより手数料を高く設定してリスクヘッジを行っているのです。

3者間ファクタリングの手数料

3者間ファクタリングの手数料は2%〜9%が相場推移です。
3者間ファクタリングでは売掛先が債権譲渡に同意し、売掛金の支払いは売掛先がファクタリング会社へ直接支払うこととなります。
売掛先に直接売掛金の存在を確認できるため、ファクタリング会社は売掛金が存在しないというリスクを回避でき、2者間ファクタリングに比べて3者間ファクタリングの手数料は低く設定されています。

ファクタリングの手数料は売掛先の信用力で変動する

ファクタリングの手数料は売掛先の信用力によって変動します。

ファクタリングを低い手数料で利用するためには、「確実に売掛金を回収できそう」とファクタリング業者に判断してもらうことが重要です。

逆に「売掛金が未回収となる可能性が高い」と判断されれば手数料は高くなる傾向にあります。

ファクタリング会社は売掛金を回収できないと多大な損失を被ることとなります。

売掛先の信用力の調査方法は以下のとおりです。
売掛先の信用力の高い売掛金をファクタリング会社に譲渡することで、審査を通過しやすくなることはもちろん、手数料も抑えることができます。

どのような調査内容なのか詳しく見ていきましょう。

信用調査会社の掲載情報

帝国データバンクや東京商工リサーチなどに代表される信用調査会社では、創業年・資本金・事業内容などの企業の基本情報を集めることができます。

さらに、損益などから導かれた信用評価を確認することも可能なため、信用力の判断に利用することが多くあります。

会社規模・業種

信用会社では多くの企業の情報が集められていますが、全ての企業の情報を集めることはできません。

情報が少ない企業の場合は会社規模や業種も信用力の判断基準になります。

ファクタリング会社によりますが、風俗系など不安定な業種は審査で不利になる可能性があります。

これまでの取引履歴

自社が取引する場合も同じだと思いますが、ファクタリング会社としても、初取引の売掛先よりも、しっかりとした支払履歴のある(過去に支払遅延等のない)売掛先の方が安心できます。

また、受注に関しても、発注書を発行して仕事を依頼している会社か否かも信用力の判断基準になります。

ファクタリング会社によりますが、初取引の売掛先や売掛金の支払いが期日どおりでない売掛先、受発注を口頭でやり取りしている場合などは審査で不利になる可能性があります。

売掛先の信用力以外に手数料に影響する要素

売掛先の信用力以外にも、手数料に影響する要素があります。

・ファクタリングの契約形態
・売掛金の金額
・支払期日までの期間
・ファクタリングの利用状況

ここでは、それぞれの要素について詳しく解説します。

ファクタリングの契約形態

手数料に影響する要素の一つは、ファクタリングの契約形態です。

前述したとおり、ファクタリングには2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの2種類の契約形態があります。

2者間と3者間ファクタリングでは手数料の相場が大きく異なるため、どちらを選ぶかによって手数料の金額は変動します。

基本的には、3者間ファクタリングのほうが手数料は安くなっています。

そのため、手数料の安さを重視する場合には、3者間ファクタリングのほうが利用しやすいでしょう。

売掛金の金額

譲渡対象となる売掛金の金額によっても手数料は変動します。

基本的に、売掛金の額面金額が大きくなればなるほど、額面に対する手数料の割合(手数料率)が低くなる傾向にあります。

つまり、売掛金の額面金額が大きければ、手数料率は安くなるということです。

売掛金の額面金額が大きければ手数料率が低くても手数料額(ファクタリング会社の利益)も多くなるため、手数料率を下げやすくなるという背景があります。

そのため、手数料を抑えたい場合は、額面金額が大きい売掛金を譲渡すると良いでしょう。

支払期日までの期間

支払期日までの期間によっても、手数料が変わってきます。

一般的に、支払期日までの期間が長くなればなるほど、手数料は高くなる傾向にあります。

これは、支払期日までの期間が長いことで、ファクタリング会社の未回収リスクが高まるためです。

例えば、売掛先企業が倒産するなどのトラブルがあり、売掛金の回収ができず大きな損失を被るケースもあります。

このようなリスクを考慮して手数料が設定されているため、手数料を抑えたいなら支払期日までの期間が短い売掛金を譲渡しましょう。

ファクタリングの利用状況

ファクタリングの利用状況は、利用者自身の信用度や売掛金が回収できるかどうかの目安になります。

これまでファクタリングを問題なく利用できていれば、利用者の信用度は高くなり手数料が安くなる可能性があります。

特に2者間ファクタリングの場合は、売掛金の支払い日に利用者がファクタリング会社へ売掛金を送金する必要があるため、利用者の信用度も重要度が高くなります。

そのため、ファクタリングを複数回利用する際には、同じファクタリング会社で利用実績を積むと良いでしょう。

利用実績があることで、審査がスピーディーに進みやすい、買取上限額が上がる可能性があるなどのメリットも期待できます。

まとめ

本記事では、ファクタリングの手数料に影響する要素について詳しく解説をしてきました。

ファクタリングの手数料は売掛先の信用力が大きく影響するため、審査の際は必要書類以外にも売掛先の信用力や過去の取引実績を証明できるように備えておくと手数料を抑えて利用できる可能性があります。

また、ファクタリング会社によって手数料は異なるため、ファクタリングを利用する際は最低3社から相見積りを取り、手数料やサービス内容を比べることがおすすめです。

相見積りを取ることで手数料を比べることもメリットの一つですが、中には高額な手数料を取る悪徳業者も存在しますので、そのような会社の犠牲にならない為にも相見積りを取るようにしましょう。