ファクタリングの手数料は割引できる?手数料算定や割引手数料について解説

2024年9月22日

当ページではファクタリングの「手数料」が変動する理由や根拠について解説します。

ファクタリング手数料は債権の性質や支払時期・売掛先の経営状況によって大きく変動するため、中には高額な手数料(30%超など)を設定する悪質なファクタリング会社も存在します。
騙されない・損をしないためにも、変動の理由や根拠を予め知っておきましょう。

手数料算定の考え方

ファクタリングの手数料は、ご利用企業様の状況や売掛債権の性質、ファクタリングの方法、ファクタリング会社が定める基本手数料等によって異なります。
「1.貸倒リスクの程度(債権の優良性)」「2.ファクタリングの方法 」「3.お取引先との取引期間や財務状況」以下の3点を確認させて頂き、ファクタリング手数料を決定しております。
貸倒リスクとは、売掛債権が御社のお取引先より支払われないリスクです。
つまり買い取った債権が不良債権化してしまう可能性を指し、リスクが高ければ高い程、買取額が低くなってしまいます。

貸倒しリスク

例えば、お取引先が数期連続で赤字を計上している・税金又は健康保険料・年金等の滞納がある・といった事情が確認された場合、黒字経営のお会社様と比べて買取額が低くなってしまう可能性が高いです。
もちろんこれらはあくまでも一例であり、貸倒リスクの度合いにつきましてはお取引の期間やお取引先の経営状況を総合的に勘案し、判断させていただきます。

取引方式

ファクタリングには「2社間方式(2社間ファクタリング)」と「3社間方式(3社間ファクタリング)」と呼ばれる2種類の取引方式があります。
売掛債権の支払いは、2社間方式では「お取引先→お客様→ファクタリング会社」という流れになるのに対し、3社間方式では「お取引先→ファクタリング会社」です。

つまり、2社間方式の場合は「お客様」「お取引先」双方の倒産・債務不履行リスクを負うことを意味し、単純に貸倒リスクが2倍となります。
したがって、ファクタリング会社のリスクが軽減や受け渡しに要する手間やコストの削減へと繋がり、2社間方式に比べて手数料が安く設定されているのが一般的です。

なお、ファクタリングには「償還請求」「譲渡人の担保責任」がありませんので、万が一お取引先が倒産してしまった場合はファクタリング会社が債務を負担する形となります。(請求ができずに取引が終了)
このように、ファクタリングは利用企業側に有利という点も、手数料が高くなってしまう要因と言えるのではないでしょうか。

取引期間や財務状況

例えば、卸売業を営んでいるお会社様の場合、発注の度に都度売買契約を締結するのではなく、基本契約を締結し、発注書等で都度個別に対応する形が一般的です。
このケースですと、お取引先と長期期間のお取引がある・毎月安定した売上があると考えられますので、貸倒損失となる危険性が低く、より信頼性の高い債権であると判断できます。

また、お取引先の事業規模が大きければ大きいほど債務不履行リスクが低くなり、例えば大手ゼネコンからの依頼で発生した売掛金、国や地方公共団体(又は公益団体)に対する売掛金などの場合、高額買取(手数料低下)の要因となります。

ファクタリングの「割引」とは

ファクタリングをご検討の際やファクタリング会社から説明を受けた際に、「割引」という言葉を見かけた又は耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
割引・割引率・割引料など、表現は若干異なりますが、結論から申し上げますと「手数料」と同義と考えていただいて差し支えありません。
今回は、割引という言葉が用いられるようになった経緯や、ファクタリングにおける手数料の相場や算出方法について解説します。

なぜ割引という表現が使われるのか

割引という言葉は「手形取引」において特に多く用いられています。
手形(約束手形)とは「●年●月●日に●●円を支払います」と約束をした証書のことで、期日の満了をもって現金との交換が可能となります。
また、手形は金融機関で期日前に現金に換えることもでき、こちらの取引を一般的に「手形割引」といいます。
この際に支払う手数料のことを「手形割引料」と呼び、割引率や額面などによって決定されます。(一般的には「手形額面×手形割引率÷365×割引実行日から支払期日までの日数」で算出される)
ファクタリングは手形割引と取引の内容や流れがよく似ているため、ファクタリング手数料のことを割引料と呼ぶ業者が多く見られますようになりました。
したがって、ファクタリングで割引という言葉が出てきた際には「手数料に関係しているのだな」とお考えいただければと思います。

ファクタリング割引率(手数料)の相場

ファクタリングは、ファクタリング会社が債権者から売掛債権を買い取り、額面との差額で利益を得るという金融取引であるため、当然ですが額面で買い取ってしまっては利益が生まれません。
そのため、ファクタリングの契約には必ず割引率(手数料)が設定されています。
手数料は、債権の金額や期日、ファクタリング会社毎の設定によって異なり、低いものだと1%、高いものだと20%程度になる場合があります。

取引方法で大きく変動

特に、ファクタリング手数料は取引方法によって大きく変動します。
ファクタリングの取引方法には2社間方式と3社間方式の二種類があり、簡単にいうと前者が債権者とファクタリング会社でおこなわれる取引、後者が債権者・債務者・ファクタリング会社で行われる取引です。
両者では割引料延いては手数料の相場が異なり、同債権と同取引相手だった場合、2社間方式に比べると3社間方式の方が手数料は低くなります。
相場でいいますと、2社間方式(2社間ファクタリング)であれば5~20%、3社間方式(3社間ファクタリング)であれば1~10%が目安と言えるでしょう。
3社間方式の場合、売掛金は直接ファクタリング会社へと支払われるため、ファクタリング会社側から見ると「旧債権者の債務不履行リスク(売掛金が使い込まれてしまう・持ち逃げされてしまうなど)」がなく、2社間方式よりも低い手数料でのご利用が可能です。
他にも「売掛先の信用度が高い(上場企業や公共団体など)」「利用者の評判や経営状態が良い」「取引実績がある」などの要因によって手数料が下がることがあります。
このようにファクタリングの割引率はリスクや信用などを総合的に判断して決定され、回収不能リスクが高ければ割引率も高く、逆にリスクが低ければ割引率も低くなると考えていただいて差し支えありません。

一括割引方式・個別割引方式とは

売掛債権の買取代金の支払方法(ファクタリング会社からファクタリング利用者に支払われるお金)には「一括割引方式」と「個別割引方式」の2つがあります。
一括割引方式とは、譲渡承諾日か指定した期日にファクタリング会社が売掛債権全額を支払う方式のことです。
例えば、1,000万円の売掛債権のうち50万円が手数料である場合に、手数料を差し引いた950万円が指定日に入金されます。
一括割引方式は事務コストが少なく、キャッシュを一度に受け取ることができるため、ほとんどのファクタリング取引で用いられている支払方法です。
一方、個別割引方式とはファクタリング利用者が自由に譲渡額や譲渡日を定められる支払い方法です。
予めファクタリング会社と契約をしておくことで、資金が必要になったタイミングで「契約しておいた債権を一部譲渡する」などの使い方ができます。(例えば、契約を結んでいた金額が1,000万円であれば、その内の500万円をファクタリングする等)
いくら買い取ってもらうか、いつ入金してもらうかを契約内で自由に設定できる一方で、一括割引方式よりも割引率が高くなるデメリットがあります。

ファクタリング手数料の算出方法

ファクタリングをご検討中であれば、あらかじめ「実際にどれだけのお金が手元に入ってくるのか」という点も知っておきたいところではないでしょうか。
ファクタリングの手数料は割引率に加え、事務手数料、実費、掛け目などから買取金額を算出します。
具体的に、以下の売掛金及び買取条件でファクタリングをした場合の手数料について考えてゆきましょう。
まず、この場合では売掛債権の1,000万円から留保金の20%(200万円)を差し引いた800万円がファクタリングの対象です。
この800万円に割引率10%を掛けた80万円、さらに事務手数料+登記費用がこちらに上乗せされ、合計86万円が手数料として支払わねばならないお金ということになります。
ただし、例えば1回目の決済では割引率10%分のみが差し引かれた720万円、2回目の決済(ファクタリング会社が売掛金を回収したタイミングなど)で実費分を引いた194万円が返還されるなど、事務手数料や実費は留保金の返還を受ける際に清算されるケースが多くなっています。

ファクタリング手数料と消費税

ファクタリングは売掛金という名の資産の売買ですので「消費税(財やサービスの消費で発生する税金)はかからないのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、金銭債権の譲渡は課税対象にならないとされておりますので、ファクタリング取引(手数料も含む)では消費税は一切かかりません。
ただし、もともとの売掛債権、つまり「売上」には消費税が発生しています。
売上を計上した時点でその分の消費税も発生しているので、売掛金として回収してもファクタリング契約で現金化しても、最終的に納付する消費税額に違いはありませんのでご注意ください。
万が一、ファクタリング会社から消費税を請求された場合、同社は悪徳業者の可能性が高いため取引を中止するようにしてください。

乗り換えのメリット&注意点まとめ

技術の発達・発展や社会の変化によって、資金調達は選択肢の増加、従来のスキームからの変革等が見られるようになりました。
特に、ファクタリングは2010年代後半から多く利用されるようになった金融取引ですが、元々は「手形割引」「債権譲渡」から派生しており、近代の社会性によって生まれた新しい資金調達方法と言えるのではないでしょうか。
現在ではファクタリングサービスの提供を専門にする企業が大変多くなっており、銀行や大手消費者金融が同サービスに参入するというケースも増えています。
もちろん、ファクタリングサービスを取り扱う業者が増えるのは喜ばしいことですが、サービス選び・ファクタリング会社選びに苦慮している方も多いという側面も否定できません。
当ページでは、ファクタリング会社又はサービスを誤って選んでしまった際の「乗り換え」や「対処方法」にフォーカスを当て、メリットや注意点等についてご紹介してまいります。]

なぜ「乗り換え」が重要なのか

ファクタリングでは「ファクタリング会社又はサービスのミスマッチ」によって大きな損をしてしまう恐れがあります。
一言でファクタリングといっても「取引方法(2社間・3社間等)」「保有する売上債権の種類」「コスト重視なのかスピード重視なのか」等によって選ぶべきサービス・業者が大きく異なるためです。

・3社間ファクタリングを希望していたが2社間専門の業者だった
・買取ファクタリングではなく保証ファクタリングだった
・診療報酬債権のファクタリングで非常に時間が掛かってしまった
といったように、場合によっては経営状況をさらに悪化させてしまう可能性も否定できません。
そんなときは、直ぐに契約をストップし、他のファクタリング会社に変更する(所謂乗り換え)ようにしましょう。
また「現在使っているファクタリングサービスで特に不満は無い」という方も、乗り換えによってさらに好条件となる可能性がありますので、定期的な見直しをお勧めいたします。

乗り換えはローリスク・ハイリターン

ファクタリング会社の乗り換えには「手間が掛からない」という利点もあります。
銀行融資(借り換え)の場合、改めて審査を受けなければならない上、不動産を担保として提供している場合は抵当権登記のし直し(抹消と設定)、保証契約のまき直しなど、多くの手間を要します。
一方で、ファクタリングであれば利用時に受ける簡易審査と簡単なすり合わせのみで済み、スピーディーに乗り換えることが可能です。
さらに、現在他のファクタリング会社を利用中というケースであっても乗り換えは可能となっており、乗り換えたからといって既存のファクタリング会社が使えなくなるということもありません。(一般的なファクタリング契約には他社との契約を制限する決まりが無いため。例「会社の乗り換えNG」など)
したがって、新しいファクタリング会社がミスマッチであった場合はまた元のファクタリング会社に戻す等も可能であり、基本的にノーリスクかつ成功した時の資金調達コスト削減は大きい、つまりローリスク・ハイリターンな施策と言えるのです。
なかなか収益が上がらない、資金繰りが悪くて手元にキャッシュが残らないという場合は、是非ファクタリング会社の乗り換えを検討してみてください。