ファクタリングにはデメリットも存在する
2023年2月27日
経済産業省が推奨するファクタリングは、ここ数年で大きく需要が高まり、市場も拡大していきました。
「ファクタリング」とは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金化する資金調達方法です。
しかし、利用者が増える一方で、しっかりとファクタリングのデメリットを把握している方は非常に少ないように感じます。
確かに、ファクタリングは機動的に売掛債権を現金化できる資金調達手段ですが、ルール等がしっかりと整備されているとはお世辞にも言えず、多くのトラブルも発生しているため、活用する場合はしっかりとファクタリングの問題点も知っておかなくてはいけません。
また、メリットばかりを前面に押すファクタリング会社や、ネット上のアフィリエイト目的のサイトの情報ばかりを鵜呑みにしないことも肝要です。
皆様がファクタリングのトラブルに巻き込まれないよう、ここではファクタリングのデメリットについて徹底解説していきます。
ファクタリングのデメリットとは?
ファクタリングは、手続きが簡略的であり、審査も銀行などと比較すると緩いことから、多くの方が軽い気持ちで利用します。
しかしその実、ファクタリングには沢山のデメリットがあるため注意が必要です。
ここでは、そのファクタリングデメリットについてご紹介していきます。
3社間ファクタリングを利用する場合は通知や売掛先からの承諾が必要
2社間ファクタリングの手数料相場は「10%~30%程度」と非常に高く、とてもじゃないですが効率的な資金調達であるとはいえません。
それと比較し、3社間ファクタリングならば「1%~5%程度」と、その手数料は2社間ファクタリングと比べるとかなり安価です。(それでも、高いことには変わりありません)
ただし、3社間ファクタリングを利用するためには、「債権譲渡通知の送付や、売掛先からの承諾」という高いハードルをクリアする必要があります。
ファクタリングを利用するということは、「資金に困っている」と宣言するようなものです。
また、仮に承諾を得ることができたとしても、売掛先からの信用を失ってしまうかもしれません。
結局のところ、ファクタリングを利用するためには、高い手数料を支払う必要がある2社間ファクタリングか、売掛先の信用を失うリスクがある3社間ファクタリングしか選択は不可能であり、そのいずれかしか選択できないという点がそもそものデメリットであると言えるでしょう。
多額の手数料がかかる
ファクタリングの最大のデメリットは、多額の手数料がかかってしまう点にあります。
ファクタリングを利用した場合、諸経費等を含めた手数料を、本来支払われる売掛金から差し引かれた金額が利用者のもとへ入金されます。
その手数料設定はファクタリング会社によって異なりますが、相場としましては、3社間ファクタリングならば「1%~5%程度」、2社間ファクタリングならば買取売掛金額の「10%~30%程度」です。
通常、ファクタリングを利用する方の多くは売掛先への通知が不要となる2社間ファクタリングを選択するため、利用者の手元に残るのは、本来の売掛金から1割~3割が差し引かれた金額となってしまいます。
これは、年利で考えれば100%~300%以上にも相当します。
ファクタリングの手数料は非常に高額であり、それは法定制限法外どころの話ではありません。
売掛先の信用次第ではファクタリングを断られる
たとえば、銀行融資やカードローンに申し込みを行った場合、自分、または会社の信用に問題がなければ審査に通過することができます。
しかし、ファクタリングの場合は審査対象が売掛先となるため、自分や会社の信用に問題がなくとも、売掛先の信用次第ではファクタリングを断られてしまいます。
よく、「赤字経営や税金滞納などの企業でも資金を調達できる」というファクタリング会社の広告を目にしますが、売掛先が信用のない企業では断られる可能性も十分にあるため、その点は留意が必要です。
小口の売掛金では利用できないケースもあり
ファクタリングの買取下限額、上限額はファクタリング会社によって異なってきます。
そして、中には非常に高い買取上限額を設定しており、小口の売掛金のファクタリングには対応できないファクタリング会社も多くあるのです。(買取上限100万円以上など)
一般的に、ファクタリングを利用するのは中小企業や零細企業などであり、メインは小口の売掛金の現金化です。
であるのに対し、小口のファクタリングには対応できないという点は、非常に利便性に欠けています。
また、利益の取りにくい小口のファクタリングほど手数料が高くなる傾向にあるため、その点も注意が必要です。
手数料を明示していないファクタリング会社が多い
ファクタリング会社のデメリットの一つに、「多くのファクタリング会社が手数料を明示していない」という点が挙げられます。
通常、ファクタリングを利用する上で、手数料というのはそのファクタリング会社を利用するかを判断する重要なポイントとなります。
しかし、多くのファクタリング会社は手数料上限をホームページ等で明示しておらず、そもそも「手数料そのものすら記載していない」というケースも珍しくないのです。
手数料がはっきりしていないということは、いくら請求されるか青天井でわからないということです。
このような恐ろしいリスクがあっては、中々利用しにくいでしょう。
ファクタリング業界に沢山の悪徳業者が参入できている理由とは?
そもそも、なぜファクタリング業界にはここまで沢山の悪徳業者が蔓延しているのか、疑問に思う方も多いはずです。
その理由には、ファクタリング業に資格や貸金業の登録が不要な点が挙げられます。
通常、金銭の貸し付けを行う貸金業として開業する場合、「貸金業登録」を行うことが必須となり、この場合は金融庁の監督のもとで営業を行うため、不正が発生しにくくなります。
また、「利息制限法」という明確なルールがあるため、悪徳業者も参入しにくいのです。
しかし、ファクタリングの場合は貸し付けではなく、あくまで債権の売買(譲渡)による取引となるため、貸金業登録は不要となっています。
さらには、貸金業法が適用されないことから、利息制限法の縛りを受けることもありません。
ファクタリングにはある程度の手数料相場は存在しますが、明確な制限はないため、最終的にはファクタリング会社の裁量次第でいくらでも設定できるのです。
ファクタリング業界に対する法規制が整備されていないため、中小企業や小規模事業主などを搾取しようとする悪徳業者が非常に参入しやすい状況にあります。
ファクタリングのデメリットまとめ
ファクタリングが、必ずしも悪というわけではありません。
事実、法律違反を行うことなく業務に励んでいるファクタリング会社も多くありますし、中にはファクタリングという資金調達システムを必要としている方もいらっしゃいます。
しかし、ファクタリングという業界がそもそもグレーな点が非常に多く、ヤミ金まがいの悪徳業者がはびこっているのも事実です。
また、給与ファクタリングの一件では裁判所が給与ファクタリングを「貸金業法違反」「出資法違反」であることを認めており、さらには、金融庁も給与ファクタリングが「貸金業」であるという見解を示しました。
既にファクタリングを装ったヤミ金業者の摘発事例も多くあり、これらのことから、ファクタリングが大きなデメリットやリスクを伴うものであることは明確です。
これらのデメリットを知っておくことでデメリットに備えることができ、悪徳業者かどうかの見極めができるようになります。
ご自身の資金問題に合った最適な資金調達方法を選択できるようにしましょう。