なぜファクタリング審査に落ち続けるのか?その理由とは?
2024年11月26日
ファクタリングの審査落ちの理由は、主に売掛先の信頼性や債務リスクにあるといわれています。複数保有しているのなら、別の売掛債権で申し込みし直すのもひとつの方法です。
そこで本記事では、ファクタリングの審査基準を解説するとともに、落ちたときにすぐできる対処法をまとめました。落ちてしまったとき、また落ちそうで不安なときには、参考にしてみてください。
審査に落ちる理由は、主に売掛先による債務リスクにあり
ファクタリングの審査にはこちらのような特徴があることから、「審査に落ちる理由の多くは売掛先の債務リスクにある」といわれます。以下では、ファクタリングの審査基準や傾向を詳しく解説します。
重視されるのは売掛金回収の確実性
ファクタリング審査で特に重視されるのは、「売掛金回収の確実性」です。業者は売掛債権の将来的な価値を見込んで、買い取るためです。ではどのようなポイントから確実性を見極めるのかというと、主なのは以下の2点でしょう。
売掛先に支払い能力はあるか
売掛債権は信頼性が高いものであるか
そのため大企業であったり公的機関であったりなど、売掛先の社会的信用が高ければ高いほど、ファクタリング審査は有利になります。一方、個人事業主や極めて小規模な企業の売掛債権は、実績も浅いことから売掛金回収の確実性が低いとみなされ、審査には不利です。
契約者の情報は融資契約ほど重要ではない
銀行融資や消費者金融のビジネスローンなどに比べ、ファクタリングでは契約者(当人や事業実績など)の情報は重視されません。強いていえば、申請情報と確認書類の照合や面談時の受け答えによって、以下のような点が確認される程度でしょう。
・売掛先との取引歴が十分にあるか
・申請情報と確認書類に食い違いがないか
・売掛先の情報をきちんと把握しているか
取引歴に関しては、売掛金回収の確実性につながる内容のため、比較的重要です。そのほか2つは、主に「不正な申し込みでないか」を確認するための項目です。誤りがないように、慎重かつ誠実な対応を心掛けましょう。
ファクタリングの審査落ちチェックリスト・5項目
ファクタリングで審査落ちする主な理由は、以下5つに分けられます。当てはまる数が多いほど、審査に落ちる可能性が高まります。なかでも(1)から(3)のいずれかに当てはまる場合には、ファクタリング業者から敬遠されやすいでしょう。
1.売掛先の信用度が低い
売掛先の信用度とは、主に支払い能力に対する信頼性を指します。支払い能力が低いとは、たとえば以下のような企業です。
・キャッシュフローのバランスが悪い
・流動比率や当座比率が危険値である
・個人事業主である
売掛債権が無価値になる恐れがあるため、売掛先の倒産リスクが高い場合は、審査落ちする可能性が非常に高いでしょう。また個人事業主の売掛債権は、不可とするファクタリング業者が少なくありません。中小企業と比べても、事業実態がつかみづらいためです。
2.売掛債権の存在が疑わしい、問題がある
なかには不正取引を企てる利用者もいるため、売掛債権そのものの信頼性も審査では重視されます。
架空債権や実態のない会社(ペーパーカンパニー)である
二重譲渡にあたる
不良債権である
いずれかに当てはまる場合には、審査落ちが確実です。また故意に不正を働くことは犯罪行為であり、法的な処罰を受ける恐れがあります。
3.売掛先との取引が継続的でない
売掛先との取引歴は、売掛金の回収実績を示す証拠です。取引歴が短く、継続的でない場合は、「回収確実性が低い」と判断される要素になり、審査に悪影響を及ぼします。
なお、預金通帳の履歴(コピーや写真)から判断されるケースがほとんどです。売掛金の支払い方法が手渡しの場合をはじめ、履歴が残らず証明できないときも審査落ちしやすいでしょう。
4.申込時の書類や質疑応答の不備
申請内容や提出書類、また質疑応答に不審な点があった場合には、審査に響きかねません。不正利用を疑われるためです。誤字や書類不足など、明らかなミスである場合には、改めて申し込みや提出を求められて再審査になることもあるでしょう。
しかしその分、手間や時間は増えてしまうので、初めから入念な確認を心掛けましょう。
5.売掛金の支払いまでの期間が長い
売掛金の入金期日までが長期間であるほど、審査は不利になります。期間が空くほど売掛先の経営状況は変わりやすく、売掛金回収の確実性が低下するためです。
通常、入金サイトだけが原因で審査落ちすることはまずないといわれており、売掛先の信頼性が高い場合には、問題なく契約できることも多いでしょう。ただしファクタリング業者が負うリスクは高まるため、入金サイトが短期間の債権に比べ、金利設定は上がりやすいといいます。
審査落ちしたときにすぐできる対処法
ファクタリングの審査に落ちたとき、すぐにできる対処法は3つに分かれます。審査落ちの理由が対策可能なものであれば、ファクタリングに再挑戦しても良いでしょう。それが難しく、かつ資金繰りを急がなくてはいけない状況なら、ほかの方法を検討しなくてはいけません。
対策後、審査に通りやすいファクタリングに申し込む
審査落ちしたものよりも売上金回収の確実性が高い債権(企業規模が大きい、取引歴が長い、入金サイトが短いなど)を保有している場合には、そちらで再申請するだけで対策が取れます。
さらに審査通過率を上げたいのであれば、2社間ではなく、3社間ファクタリングに対応している業者を選ぶのが良いでしょう。3社間ファクタリングでは、売掛先も含む3社で取引をします。契約者にとっては、「売掛先に資金難が知られる」のはデメリットです。
しかし売掛金回収の確実性がより担保されるため、審査が有利になり、かつ低金利での契約になりやすいといったメリットが得られます。
売掛金の支払期日を交渉する
売掛先に直接交渉し、入金を前倒ししてもらうのもひとつの方法です。取引期間が長く、信頼性が十分に築けている企業であれば、快く引き受けてくれることもあるでしょう。
ただし3社間ファクタリング同様、資金繰りに困っていることが売掛先に知られてしまいます。取引状況や関係性によっては、契約破棄や疎遠になったり、足元を見られたりする恐れはあるでしょう。
ビジネスローンや請求書支払い代行サービスを利用する
ファクタリングで審査落ちしても、そのほかのサービスであれば利用できるケースもあるでしょう。急ぎの状況であれば、ビジネスローンか、請求書支払い代行サービスがおすすめです。
どちらも申し込みから即日で利用可能(商品による)ですが、特にスピード性が高いのは請求書支払い代行サービスです。仕組み上、審査なしの業者もあるので、緊急時に重宝します。
ただし「請求情報とともに代行申請することで、振込日に業者が支払いを立て替えてくれる」といったサービスのため、現金が手元に必要な場合には不向きです。
まとめ
ファクタリングで審査落ちする理由は、ほとんどが売掛先の信用性にあります。別途、審査に通過しやすい売掛債権を用意できそうにない場合には、ビジネスローンや請求書支払い代行サービスを利用するのが適切でしょう。