建設業にファクタリングはいい理由や注意点を解説
2024年6月28日
本記事では、ファクタリングの概要や建設業との相性が良い理由、利用時の注意点を解説します。ファクタリング会社の選び方や建設業の会社におすすめのサービスも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ファクタリングは幅広い業種で活用されている資金調達方法で、慢性的な資金繰りに悩んでいる会社におすすめです。
建設業はファクタリングとの相性が良い理由
ファクタリングが建設業との相性が良いのには、2021年6月から建設資材の価格が高騰し、建設業界で人材不足と資材の価格高騰という課題の解決が求められているという背景があります。
国土交通省が2023年5月に公開した「建設業を巡る現状と課題」によると、建設業における就業者数は1997年の685万人をピークに減少傾向が見られ、2022年は479万人でした。就業者の年齢は29歳以下が11.7%、55歳以上は35.9%となっており、就業者の高齢化が進んでいることがわかります。
※出典:国土交通省「建設業を巡る現状と課題」
ここでは、建設業がファクタリングと相性が良い具体的な理由を解説します。
前金の準備ができる
建物の建設には機材のレンタル費用や資材の購入代金、外注費用、人件費などの多額な前金が必要です。しかし、建設業で報酬が発生するタイミングは注文を受けた建物が完成したときで、案件の受注から報酬を受け取るまでの期間が空いてしまいます。
高額な前金の支払いが必要になった場合は手元にある資金だけでは足りず、資金繰りが厳しくなる恐れがあります。そんな時にファクタリングを活用すれば、素早く手元の現金を確保することが可能です。
スピーディに資金を用意できる
金融機関などから融資を受ける際は、資金を受け取るまでに数週間と長い時間がかかることも珍しくありません。
一方で即日入金に対応しているファクタリング会社を利用すれば、スピーディな資金調達を実現できます。
素早い資金調達が可能になることで、資金繰りの悩みで受注を断るなどといったという機会ロスを防ぐこともできるようになります。
大型案件を受けやすくなる
数千万円~数億円と高額の報酬が発生する大型案件を受注した場合、建物の建設のために多額の前金が必要になることもあります。
案件の規模が大きいほど前金の金額も高くなるため、資金繰りがうまくいかないと受注するのは難しくなります。
そこで、ファクタリングを利用して入金のタイミングを早め、資金繰りを改善することが有効になります。
主に売掛先の信用力が審査で確認される
金融機関の融資を受ける際の審査では自社や代表者の信用力が問われるため、不動産などの担保や保証人が必要になる場合も少なくありません。担保や保証人を用意できないと融資を受けられないケースもあります。
一方で、ファクタリングの審査で重要なのは主に売掛先の信用力です。経営状況が悪い会社であっても、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいため、ファクタリングを利用できる可能性があります。
倒産リスクを回避できる
掛取引を行う建設業の会社は、売掛金が未回収になるリスクが伴います。売掛金の支払期日より前に売掛先が倒産した場合、売掛金は入金されません。売掛金が回収不能になるため、自社が大きな損害を被る恐れがあるのです。
そこで、ファクタリングを利用すれば、売掛先の倒産によって起こるリスクを回避できます。例えば、ファクタリングの利用後に売掛先が倒産した場合も、自社には売掛金を補填する義務が生じないため、売掛金が回収不能になるリスクを減らすことができるのです。
支払期間の調整が可能
建設業の会社が請求書を発行し、売掛先から入金されるまでにかかる期間は2カ月~3カ月程度が一般的です。そのため、自社に報酬が支払われるまでに長い時間がかかります。
一方で、ファクタリングを利用すれば迅速に資金を調達できるため、支払期間の調整を円滑に進められます。ファクタリング会社によっては最短即日の入金が可能で、午前中に手続きをすませて午後に資金が入金されるというケースもあります。
企業価値を下げずにすむ
金融機関から融資を受けた場合は、決算書を見れば借入金が増えたことを数字から簡単に読み取れるため、企業価値が下がる恐れがあります。一方のファクタリングは売掛債権を売却して資金調達する方法のため、融資のように企業価値が下がることはありません。
また、2者間ファクタリングを利用すれば、ファクタリングを利用したことが第三者に知られることはありません。そのため、売掛先や取引先に自社が資金繰りに悩んでいる状況を知られずに資金調達を行うことができます。
ファクタリングを利用する際の注意点とは
ファクタリングは資金繰りの悩みを解決する効果的な資金調達方法ですが、利用する際はいくつか注意点があります。
手数料がかかる
ファクタリングを利用する際は、手数料が発生します。手数料は売却した売掛金額から差し引かれるため、満額の売掛金を受け取ることはできません。
高い手数料を設定しているファクタリング会社を利用したり、ファクタリングを繰り返したりすると、手数料の支払いが増え、資金繰りが悪化する恐れがあります。
売掛先の信用力に問題があると利用できない
ファクタリングを利用する前に行われる審査では、自社よりも売掛先の信用力が求められます。これは、ファクタリングの利用後に売掛先が倒産すると、ファクタリング会社は売掛金を回収できなくなるためです。
そのため、自社の経営状態が良好であっても売掛先の信用力に問題があるとファクタリングは利用できません。ファクタリングを利用する際は、経営状態が良好な売掛先かどうかを確認した上で、信用力の高い売掛金を選ぶことをおすすめします。
ファクタリングの利用が売掛先に知られることがある
3者間ファクタリングは売掛先の承認がなければファクタリングを行えないため、利用したことが知られてしまいます。ファクタリングの利用を知られることで、「経営が悪化しているかもしれない」という不安を取引先に与えかねません。
売掛先にファクタリングを利用したことを知られると問題がある場合は、2者間ファクタリングを選びましょう。ただし、3者間ファクタリングよりも手数料が高く設定されているため、受け取れる資金の金額は減ります。
売掛金以上の資金調達ができない
ファクタリングは売掛債権を売却して資金を調達する方法です。売掛金額を超えた資金調達はできないため、機材の修理費用や大型案件の前金など、売掛金よりも多額な資金を調達する必要がある場合は別の方法を検討しましょう。
また、契約によっては譲渡できない売掛金もあります。その場合は、金融機関からの融資など、別の方法を検討する必要があります。
悪徳業者を見極める必要がある
ファクタリング会社の中には、法外な手数料を請求してきたり、本来不要な請求項目を追加したりするなど、悪質な運営をする悪徳業者が存在します。
悪徳業者を見極め、自社に合った良質なファクタリング会社を選ぶためには選び方を心得ておく必要があります。