ファクタリングで利用可能な売掛債権を詳しく解説!
2025年2月9日
ファクタリングは、売掛債権を売却(譲渡)することで資金化を行うことができるサービスです。しかし、どんな売掛債権でも買取に応じているわけではないため、利用にあたっては売却できる債権の状態を把握しておく必要があります。
当記事では、ファクタリングで売却できる債権とは何かを解説します。債権の特徴や金額が手数料に影響を与えるのかについても解説しているので、ファクタリングで売却する債権を選択する際の参考にしてみてください。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、「債権買取り」という意味で、資金調達方法の1つです。売掛債権を利用して資金を調達します。売掛とは、取引先に対して代金の支払いを後から請求する方法で、売掛金とはその権利・債権です。
ファクタリングは、売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却して、手数料を引いた現金を得ることを指します。ファクタリングを利用すると、売掛金の支払い期日より前に資金を調達できるため、資金繰りの改善が見込めます。
ファクタリングは銀行などからの借入や融資ではないため、負債が増えないのが特徴です。
また、一般的にファクタリングといえば買取型ですが、「保証型」もあります。保証型ファクタリング利用の目的は資金調達ではありません。取引先の信用力について不安があり、売掛債権の貸し倒れリスクを回避するためのものです。万が一、取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった場合に、保証会社が補償金を支払ってくれます。
ファクタリングの種類
ファクタリングを利用する目的や特徴、仕組みなどを種類別にご紹介します。
2社間のファクタリング
ファクタリング利用者と、ファクタリング会社の2社間で契約するのが2社間ファクタリングです。取引先にファクタリングを利用していることを知られないため、取引先との関係悪化や信頼関係が崩れるというリスクがない点がメリットとなります。また、2社間のやりとりなので手続きが簡単で時間もかかりません。
2社間ファクタリングの仕組みを手順に沿って紹介します。
・利用者が取引先に請求書を発行する(売掛金の発生)
・利用者がファクタリング会社へ売掛金買取の申し込みをする
・ファクタリング会社が審査後、利用者へ条件の提示をする
・合意できたら契約、売掛債権の売却をし、手数料を引いた代金を受け取る
・取引先から売掛金が支払われたら、速やかにファクタリング会社へ支払う
手数料はファクタリング会社によって差がありますが、次に紹介する3社間ファクタリングよりも高くなる傾向があります。
3社間のファクタリング
3社間ファクタリングとは、ファクタリング利用者、ファクタリング会社、取引先の3社で契約をする方法です。手順は次のようになります。
・利用者が取引先に請求書を発行する(売掛金の発生)
・利用者がファクタリング会社へ売掛金買取の申し込みをする
・ファクタリング会社が利用者へ条件を提示
・利用者は取引先へファクタリングを行うことの承諾を得る(売掛債権売却の承諾)
・3社が契約を締結後、売掛債権を売却し、手数料を引いた代金を受け取る
・取引先が直接ファクタリング会社へ支払いをする
取引先の承諾を得て契約することで、取引先から直接ファクタリング会社に支払われるのが特徴です。ファクタリング会社にとっては支払いの回収リスクが軽減されることから、手数料が安く設定されています。
しかし、取引先にファクタリングの利用が知られてしまう点と、契約者が増えるために合意までの時間がかかってしまい、現金化に時間がかかる点がデメリットです。
ファクタリングの注意点
ファクタリングを利用する際には注意点もあります。買取型と保証型の注意点をそれぞれまとめておきます。
買取型の注意点
買取型では次のような点の確認が必要です。
取引先との契約書に「債権譲渡禁止」の記載がないか
ファクタリング会社への支払いは全額一括送金
不良債権はファクタリング対象外
まず、ファクタリング会社の利用を考えるときに必ず確認すべきなのは、取引先との契約書です。債権譲渡を禁止する条項がある場合は、ファクタリングは利用できません。また、ファクタリング会社への支払いは、現金一括送金のみです。分割での支払いはできません。
保証型の注意点
保証型の注意点は、現金化できるまでに時間がかかるという点です。保証型は、倒産などによって売掛金の回収が不可能であるとファクタリング会社が判断したときに保証金が受け取れます。支払いまでに時間がかかると困る場合は、支払い遅延の発生で補償金が受け取れるサービスもあるので検討してみましょう。
ファクタリングで売却できるのは確定債権
ファクタリングでは、原則として確定債権を買取の対象としています。確定債権とは、売掛債権の中でも、支払われることが確定している状態の債権のことを指します。
具体的には、商品の納品が完了し、発生した売掛債権の金額や支払期日などの支払い条件に対して取引先から合意を得ている状態の債権です。納品が済んでいても検品が未完了である場合は、金額や支払日の変更が起こる可能性があるため確定債権とはみなされません。
なお、確定債権であっても、支払期日が過ぎ不良債権化している債権は買取不可です。また、取引先への買掛債権を同時に保有する反対債権である場合は、債権同士の相殺手続きによって消滅する可能性があるとして買取を断られる可能性が高いため注意をしましょう。
一部のファクタリング会社では将来債権や譲渡制限特約が付いた債権の買取も可能
ファクタリングの買取対象は原則として確定債権ですが、一部のファクタリング会社では、将来債権や譲渡制限特約が付いた債権も買取の対象としています。
将来債権とは、将来に発生することが見込まれる債権のことをいいます。取引先と継続的な取引を行っており、定期的なサービスの提供や毎月一定量の商品を納品していることにより発生が見込まれる売掛債権などが将来債権とみなされます。
また、譲渡制限特約が付いた債権とは、取引の契約上に発生する権利や義務を第三者へ譲渡することが制限されている債権のことをいいます。取引先との契約書に債権譲渡を禁止する条項の記載がある場合には、譲渡制限特約の付いた債権に該当します。
将来債権や譲渡制限特約が付いた債権のファクタリングは、2020年の民法改正が行われたことにより買取が可能になりました。ただし、買取に応じているファクタリング会社が少ないため、利用する会社が限られる点に留意しましょう。
売却する債権によってはファクタリングの手数料に影響を与える場合がある
ファクタリングでは、売却する債権がファクタリングの手数料に影響を与える場合があります。売却する債権が手数料に対して大きな影響を与えた場合、希望金額での資金調達ができなくなる可能性があります。
<手数料に影響を与える場合がある債権の特徴>
・一定の金額以下の債権
・未回収リスクの高い債権
手数料に影響を与える債権として、未回収リスクの高い債権や一定の金額以下の債権などが挙げられます。ファクタリングで売却する債権を適切に選択できるようになるためにも、それぞれの債権の詳しい特徴や影響力などを確認しておきましょう。
一定の金額以下である債権
売却する債権が一定の金額以下である債権は、ファクタリングの手数料が割高となる傾向にあります。ファクタリング会社の中には、売却する債権の金額に応じて適用される手数料率が変動する料金システムを採用しているところがあるためです。
たとえば、買取金額が50万以下では10%からの手数料率を、51万円以上であれば5%からの手数料率を適用すると定めている場合があります。手数料率が変動する料金システムの場合、売却する債権が一定の金額以下になると手数料が割高となる傾向にあります。
ファクタリング会社によって手数料率の相場設定に違いはありますが、売却する債権の金額が大きいほど手数料を抑えられる傾向にあります。手数料への影響を少なくしたい人は、一定の金額以上の債権を選択すると良いでしょう。
未回収リスクの高い債権
売却する債権が未回収リスクの高い債権である場合は、ファクタリングの手数料が割高となる傾向にあります。ファクタリングは、債権の未回収リスクをファクタリング会社が負う契約であることから、未回収リスクに対する補填が考慮されているためです。
たとえば、支払期日が遠い債権は、未回収リスクの高い債権と判断される場合があります。支払期日が遠い債権は回収期間が長くなるため、売掛先企業の経営状況が悪化し未回収となる可能性があると考えられるためです。
また、売掛先企業の信用力が低い債権も未回収リスクの高い債権に該当します。業績が低迷している企業や過去に支払い遅延を起こしている企業など、信用力が低いとみなされる企業は、支払いが行われない可能性があると考えられるためです。
このことから、ファクタリングを利用する際は未回収リスクの低い債権を売却することで、手数料の上昇を抑えることが可能になります。手数料への影響を少なくしたい人は、支払期日が近い債権や売掛先企業の信用力が高い債権を選択すると良いでしょう。
まとめ
ファクタリングで売却できる債権は、原則として確定債権です。支払金額や支払日が確定しており、請求に対して売掛先企業から合意を得ている状態の債権が買取の対象となっています。
また、民法改正が行われたことにより、将来債権や譲渡制限特約の付いた債権のファクタリングも可能になりました。しかし、買取に対応しているファクタリング会社は一部であるため、利用する会社が限られる点に留意しましょう。
なお、売却する債権が未回収リスクの高い債権である場合や一定の金額以下である債権の場合は、ファクタリングの手数料が割高となる傾向にあります。手数料への影響を少なくしたい人は、債権の特徴も考慮して売却する債権を選択してみてください。