ファクタリングは追加費用なしで使える?仕組みと注意点を解説
2025年9月8日
ファクタリングは、企業が保有する売掛金を現金化することで、資金繰りをスムーズにするための非常に便利な資金調達手段です。特に、売掛金の入金までに時間がかかる場合や、急な支払いが発生した際には、即座に資金を確保できるため、多くの中小企業や個人事業主に活用されています。
しかしながら、ファクタリングを利用する際には、契約時に設定される基本的な手数料のほかに、思わぬ追加費用が発生するケースもあるため、注意が必要です。たとえば、事務手数料や契約書に貼付する印紙代、債権譲渡登記にかかる費用、担当者の出張費などが別途請求されることがあります。これらの費用は、事前に説明がないまま契約後に発覚することもあり、結果として受け取れる金額が大幅に減ってしまう可能性もあるのです。
こうした予想外のコストが発生すると、当初立てていた資金計画にズレが生じ、資金繰りに悪影響を及ぼすこともあります。特に、納税資金や仕入れ資金など、用途が明確で金額が決まっている場合には、追加費用によって必要額が不足してしまうリスクもあるため、契約前に費用の内訳をしっかり確認することが非常に重要です。
追加費用が発生する可能性のある項目
ファクタリングを利用する際には、基本的な手数料のほかに、さまざまな追加費用が発生する可能性があります。これらの費用は契約内容や業者によって異なり、事前に明示されないまま契約後に請求されるケースもあるため、注意が必要です。以下に、代表的な追加費用の項目を詳しくご紹介します。
事務手数料:契約書作成や審査対応などの事務作業にかかる費用
ファクタリング契約を締結する際には、契約書の作成や審査資料の準備、書類の確認など、さまざまな事務作業が発生します。これらの業務に対して、事務手数料という名目で費用が請求されることがあります。金額は業者によって異なりますが、数千円から数万円程度かかる場合もあり、契約金額に対して意外と大きな負担になることもあります。
印紙代:紙の契約書に必要な収入印紙の費用
契約書を紙で取り交わす場合には、収入印紙の貼付が法律で義務付けられていることがあります。印紙代は契約金額に応じて変動し、数百円から数千円程度が必要になります。電子契約を採用している業者であれば印紙代は不要ですが、紙ベースの契約を行う場合には、この費用も事前に確認しておくことが大切です。
出張費用:担当者が訪問する場合の交通費や宿泊費
ファクタリング会社によっては、契約前の面談や書類確認のために、担当者が利用者のオフィスまで訪問するケースがあります。この際に発生する交通費や宿泊費などが、出張費用として別途請求されることがあります。特に地方の企業の場合、距離や滞在日数によって費用が高額になることもあるため、訪問の有無や費用負担について事前に確認しておくことが重要です。
債権譲渡登記費用:登記が必要な契約形態の場合の登録免許税や司法書士報酬
一部のファクタリング契約では、債権譲渡登記が必要になる場合があります。これは、売掛金の所有権がファクタリング会社に移ったことを法的に証明するための手続きであり、登記を行うことで第三者への対抗力を持たせることができます。この登記には、登録免許税や司法書士への報酬などの費用がかかるため、数万円単位の追加費用が発生することもあります。登記が不要な契約形態を選ぶことで、これらの費用を回避することが可能です。
追加費用なしで利用するための4つのポイント
ファクタリングを利用する際に、予期せぬ追加費用を避けるためには、事前の情報収集と業者選びがとても重要です。以下のポイントを意識してファクタリング会社を選ぶことで、余計なコストを抑え、安心して資金調達を行うことができます。
相見積もりを取る:複数社から見積もりを取り、費用の内訳を比較する
まず最初に行いたいのが、複数のファクタリング会社から見積もりを取得することです。1社だけの情報では、手数料や追加費用の妥当性を判断するのが難しいため、最低でも2〜3社の見積もりを比較することが望ましいです。見積もりでは、手数料率だけでなく、事務手数料や印紙代、出張費、登記費用などの細かい費用項目の内訳を確認することがポイントです。比較することで、透明性の高い業者を見極めることができ、納得のいく契約につながります。
手数料と入金スピードを確認する:基本手数料以外の費用がかからないか事前にチェック
ファクタリングを利用する目的は、スピーディーに資金を確保することですが、手数料が高すぎたり、入金までに時間がかかると、かえって資金繰りに悪影響を及ぼすことがあります。そのため、契約前には、基本手数料の割合と、資金が振り込まれるまでのスピードをしっかり確認することが大切です。さらに、手数料以外にどのような追加費用が発生する可能性があるか、事前に質問して明確にしておくことで、後からのトラブルを防ぐことができます。
オンライン完結型のサービスを選ぶ:郵送費や出張費が不要で、コストを抑えやすい
最近では、契約から審査、書類提出までをすべてオンラインで完結できるファクタリングサービスも増えています。こうしたサービスを利用することで、郵送費や担当者の出張費などの物理的なコストを削減することが可能です。特に地方の企業や忙しい事業者にとっては、移動や面談の手間を省けるだけでなく、追加費用の発生を防ぐというメリットもあります。オンライン対応の業者は、契約のスピードも速い傾向があるため、急ぎの資金調達にも適しています。
債権譲渡登記が不要な会社を選ぶ:登記費用がかからない契約形態を選ぶことで負担を軽減
ファクタリング契約の中には、債権譲渡登記が不要な契約形態を採用している会社もあります。登記が必要な場合には、登録免許税や司法書士報酬などの費用が発生し、数万円単位の負担になることもあります。登記不要の契約であれば、こうした費用を回避できるだけでなく、手続きも簡素化されるため、よりスムーズに資金調達が可能です。契約前には、登記の有無とそれに伴う費用について、必ず確認しておきましょう。
まとめ
ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、追加費用の有無によって実質的な受取額が大きく変わることがあります。契約前にしっかりと費用の内訳を確認し、納得できる条件で進めることが、安心して利用するためのポイントです。水のように無駄なく、スムーズな資金の流れをつくるためにも、賢い選択を心がけましょう。
