ファクタリングによって資産をオフバランス!融資など加点評価にできるメリットを解説!
2024年6月4日
ファクタリングは迅速な資金調達の方法として知られています。しかし、それ以外にも自社の経営指標を改善する効果があります。
ファクタリングは融資を受けられない、融資では間に合わない、経営が苦しい事業者の苦肉の資金調達方法というとらえ方は一面的です。もちろん、そのような用途もあるのですが、それだけではなく、経営において貸借対照表(バランスシート)から資産勘定を減らすオフバランス効果が期待できます。
資産のオフバランスとはどのような意味であり、経営上どのようなメリットがあるのか今回解説します。そしてオフバランスのためにはファクタリングが極めて有効な手法であることもお分かりいただけるはずです。
迅速な資金調達とは異なるファクタリングのもう1つの利用法を本記事でぜひおぼえてください。資産のオフバランスは有効な経営上の武器になります。
貸借対照表の基礎を確認しよう
ず、今回の「資産のオフバランス」を考えるうえで基本となる貸借対照表(バランスシート)について確認します。貸借対照表は事業者の、ある時点の財務状態を表にしたものです。
資産の部を左側に、負債及び資本(総資産)の部を右側に記します。そこから、総合的な損益額も明らかにします。
以下のように視覚的にも分かりやすいものになっています。貸借対照表は英語で「バランスシート」とも呼ばれ、「B/S」と表されます。
貸借対照表は、会計ソフトの「試算表」機能を使えば、非常に容易にその時点のものを抽出できます。
資産は事業主様の会社が持っている財産、負債が企業の借金や返済しなければならない義務でありマイナスの財産です。
資本(純資産)は誰かに返済する義務のない企業の資産のことを指します。「現金」「預金」などのほかに、「内部留保」や「利益剰余金」も資本に含まれます。
株式を発行している会社は、純粋な利益として、ここから株主へ配当金を出します。
事業主様が取引先に掛売した場合、入金前のものは「売掛金」として資産計上します。売掛金は期日が到来すれば現金化されるので、資産勘定として、入金日を待つわけですが、ここに落とし穴があります。
売掛金を資産として計上しても、回収期日が到来し、何らかの事情で売掛先(取引先)が支払いをできなかった場合、売掛金が現金、預金になりません。これが数日、あるいは1か月程度で回収できれば、そのまま資産→資本にコンバートできますが、いつまでも回収できない場合、資産計上したはずの売掛金が負債になってしまいます。
負債になれば、資産として回収するどころかこちらがその分を被らなければなりません。ものを売っても資金が回収できず、その売った分が損失になってしまいます。
売掛金を資産計上していても、期日まで(あるいは将来)回収できなくなるリスクがあります。その場合、資産は負債に容易に変わってしまいます。
それを金融機関などは危惧します。資産があるからお金を貸しても回収できると思っていたのに、その売掛金(売掛債権(売掛金))が不良債権化してしまうことで回収不能になり、返済原資をねん出できなくなってしまいます。
そのため、不確実な(実際に回収できるかどうかわからない)売掛金勘定については、あらかじめ資金化しておくと安心です。
資産計上している売掛金勘定を、貸借対照表から消す(オフにする)ためには、当初の売掛金回収日前に資金化し、貸借対照表から「売掛金」勘定を消すことが重要になります。それが資産のオフバランス化になります(バランスシートから売掛金をオフにする)。
その意味について次の項で説明します。
資産のオフバランス化のためのファクタリング活用
貸借対照表に「資産」として計上している売掛金ですが、売掛先の経営状況が悪ければ、回収できず、「資産」から「負債」に変わってしまいます。負債は返さないと自社の貸借対照表の数字が悪くなり、経営を圧迫してしまいます。
そのため、売掛金の回収期日到来前にファクタリング会社に「売掛金をもらう権利」を売却し、資金化、そして売掛金を貸借対照表から消すことが重要です。
バランスシートから売掛金を消すことが「オフバランス(化)」であり、不良債権化する可能性がないため(現預金に換金されている)、このような貸借対照表を示せれば、金融機関などの評価がよくなります。
バランスシート(貸借対照表)から売掛金という資産をオフにする(消す)のでオフバランス化と言います。
資産のオフバランスについて以下で説明していきます。
単に資産が多くても良いことばかりではない!
ファクタリング前に売掛先に請求書を発行すると、発行日に帳簿上は「売上」として計上されます。
計上された売上は「売掛金」勘定を用いますが、売掛債権(売掛金)(売掛金)は会社の資産として計上します。
資産は貸借対照表の左側にあります(資産の部)。売掛金が多いとそれによって会社の資産も増えていきます。
資産が多いのはよいことでは?と思われるかもしれません。しかし、売掛金が多くなりすぎると、「ぜい肉」が多い経営ということになります。ある意味、会社が肥大化していることになります。
計上した売掛金はまだ現金として入金されてきません。つまり、会社(個人事業主やフリーランス含む)のキャッシュフローとしては計算できません。
ここが現預金と異なります。売掛金はすぐに自社の経営に使えないお金です。
売掛金が多い=資産も多い=しかしキャッシュフローとして計算できない=すぐに使えない
という状態になります。
バランスシート(貸借対照表)の「資産の部」が必要以上に肥大化すると、金融機関を含めた外部からは非効率的な経営ではないかと邪推されます。審査は現金化して資本(純資産)に計上すべきです。
売掛金を回収できないでいると、それはもはや資産ではなく不良債権化した負債では?という外部評価になります。
不良債権は資産ではなく負債になります。あまりに売掛金勘定が多いと、期日に回収できない不良債権ではないか?と外部機関は評価してしまいます。そうなると、融資を受ける際には大きなマイナスとなります。
資産オフバランスにする意味
貸借対照表に売掛金勘定が多いと、実質回収できない不良債権、つまり試算ではなく負債では?と疑われることがあります。一種の「見せ金」としてとらえられてしまいます。
しかし、ファクタリングによって売掛債権(売掛金)を売却し、資金化できれば、貸借対照表上の資産の「売掛金」勘定が消えます。その代わり、資本(純資産)の「現預金」が増えます。
ファクタリングによって、オフバランス対象の資産や負債を貸借対照表に反映しないようにすることを指します。売掛債権(売掛金)を売却することで、貸借対照表上から「売掛金」勘定が消えます。
ファクタリングによって売掛金勘定は、現預金になり、流動資産、キャッシュフローになります。キャッシュフローがあれば外部機関からは高評価になります。会社の中でしっかりお金が回っていることがわかります。
現預金は不良債権化する余地がありません。通帳を見せれば一発です。金融機関も入金日がごく最近など「見せ金」的要素がなければ、そのまま評価します。
資産を資本にうまく移行できれば、オフバランス化を図りつつスリムで効率的な経営を可能にします。
オフバランス化しても資産の「売掛金」から資本(純資産)の「現預金」に変わりますが、「資産=負債+資本」の合計値は変わりません。結果的に経営はスリム化しないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、現金化(売掛債権(売掛金)売却)の段階で、手数料分資産が減りますし、貸借対照表から「売掛金」勘定がなくなればスリム化します。
ファクタリングによる企業資産オフバランス化のメリットとデメリット
ファクタリングで会社の貸借対照表がオフバランス化できます。これによるメリットとデメリットについてまとめました。
資産オフバランス化のメリット
まず、ファクタリングによって資産オフバランスにすることのメリットを挙げます。繰り返しますが、オフバランスとは「売掛金」が「バランスシート」(貸借対照表)から「オフ」(消去)されることです。
贅肉のない筋肉質の経営
売掛金という余分なぜい肉をそぎ落とせるので、筋肉質の経営になります。重戦車部隊と海兵隊の対比でも明らかです。
ファクタリングによるオフバランスによって、資産計上した売掛金が純資産へコンバートするため、本当に回収できるかどうかわからないものから現金化されます。
貸し倒れリスクがある売掛債権(売掛金)、不良債権化した売掛債権(売掛金)はまさに「ぜい肉」、あるいは「悪玉コレステロール」のようなものです。オフバランス化によってこれらをそぎ落とせます。
売掛金回収日にならないと現金化できない「ぜい肉」はない方がましです。
金融機関からの審査の際に加点評価
資産の勘定項目を少なくして、かつ利益がしっかり上がっていれば、機動的で効率的な経営を行っている証明になります。まさに海兵隊のような効率的な経営です・
負債を増やさず、現預金を増やせるファクタリングは、金融機関で融資を受ける場合、信用情報照会がないのでわかりません。
資運用情報に影響しない、多額の債務を抱えてないわけですから、いざというときの大型融資の際には評価されます。「無借金経営」もファクタリングを行いながら達成可能です。
「キャッシュフロー経営」の実現
「キャッシュフロー経営」という中長期的に安定する経営手法が注目されています。
キャッシュフロー経営とは、文字どおり「キャッシュ」(現預金)を重視した経営手法です。要は融資、借入によらない資金調達で、手元に豊富なキャッシュ(現金、預金)を確保します。
融資ではないのですぐにこの資金を使って、機動的な「攻めの経営」が実現できます。
融資による資金調達は時間がかかりますし、支払利息や返済義務は会社経営にとって重荷になります。
ファクタリングで、売掛金を迅速に現金に換えられます。このことが、速やかな現金化を促し、結果としてキャッシュフロー経営に近づきます。
キャッシュフロー経営を行っている=借入や負債の少ない経営なので、いざというときの大型融資も受けやすくなります。オフバランス化で決算書もきれいになるので、さらに融資の審査で有利になります。
資産オフバランス化のデメリット
ファクタリングによる資産のオフバランス化はメリットだけではなくデメリットもあります。確認しておきましょう。
オフバランス化によって、貸借対照表のスリム化はできますが、売掛金を失います。融資、ファクタリング以外の資金調達方法は限られているので、いざというときのために、売掛金を取っておくほうがよいケースもあります。融資なら資金化まで2週間かかりますが、ファクタリングなら最短即日です。
緊急時の「換金手形」としてファクタリングを取っておくほうがよいかもしれません。
また、ファクタリングによる資金調達に慣れてしまうと、無駄な支出が増えてしまうかもしれません。ファクタリングは手数料を支払い、売掛金を早期に回収するわけで、全額回収となりません。
税務調査や融資を受ける際に、2期分の決算書を見せたとして、前々期は多額の売掛金があったのに、前期(や当期)はファクタリングで資金化しているため、まったく売掛金を計上しないと、何か不正があったのでは?と訝しげに取られる可能性もゼロではありません。
ファクタリングによる資産のオフバランス化について、経緯や目的などについて理論武装をお願いします。
まとめ
ファクタリングは迅速な資金調達の方法として使われますが、それだけではなく、貸借対照表上で資産の部から「売掛金」を消すオフバランス効果があります。
オフバランスによって、試算表、決算書がスリム化し効率的な経営を行っているという外部評価になります。
それだけではなく、資産のオフバランスによって資産保有リスク(価格評価減や災害などによる滅失)の回避につながります。
従来のオフバランスは不動産や有価証券の売却が中心でしたが、ファクタリングによって売掛債権(売掛金)を資産から任意のタイミングでオフバランスできるようになりました。このことは、不動産売却よりもはるかに簡便な手法によって、自社の経営をスリム化し、資産保有リスクを減らせることを意味します。
ファクタリングは単なる迅速な資金調達の手法ではなく、優れた経営者の経営手法として用いられます。資金的に問題ない事業主様もファクタリングによる資産のオフバランスという経営手法はぜひおぼえておいてください。
そうしたファクタリングによる資産のオフバランスは信頼できるファクタリング会社に依頼しましょう。