審査の甘いローン会社の見分け方

2024年7月2日

「お金を借りたいけれども審査通過できるかどうか不安」と、思っている経営者はいませんか。
審査に引っかかって融資を受けられないとなると、資金繰りが自分の予定通りにいかなくなるので、確かに不安でしょう。

事業資金を調達する手段はさまざまとあり、中でも今回紹介するビジネスローンは借りやすい商品といわれます。
ここではビジネスローンがなぜ借りやすいのか、その理由についてみていきましょう。

またビジネスローンといっても、多種多様な商品がラインナップされています。
その中でも審査の難易度はピンキリです。
そこでビジネスローンの中でも、さらに借りやすい商品の特徴についても紹介しますので、参考にしてください。

ビジネスローンが借りやすい説は本当か?

インターネットで、事業資金に関するサイトをみると「ビジネスローンは審査が甘く、借りやすい」といった文言をよく目にするでしょう。
一般的に日本政策金融公庫や銀行融資と比較すると、ビジネスローンは審査が緩く借りやすいとされています。
なぜ借りやすいのか、その理由についてみていきましょう。

金利で比較

事業資金を借り入れれば、後々返済するのは当たり前のことです。
返済するにあたって元本の返済以外にも、利息の支払いもしなければなりません。
利息がどのくらいになるかは、金利に基づきます。

金利は各金融機関・ローン会社で異なるものの、一般的な金利相場は以下のようになります。
まず日本政策金融公庫は担保ありの場合、1.20~2.80%が令和5年現在の基準利率です。
同様に担保なしだと、2.15~3.15%です。

銀行融資の金利は、2~9%といったところが相場となります。
またビジネスローンの金利は、6~18%が相場とされます。
こうしてみるとビジネスローンの金利が、高めに設定されていることがわかるでしょう。

金利が高めに設定されているのは、リスクマネジメントからです。
もし債権の回収が難しくなった場合、金利を高めにして利息の支払いを受けていれば、損失を軽減できます。
一般的に金利が高いと、審査は甘めといわれているのです。

つまりビジネスローンは銀行融資や日本政策金融公庫と比較すると、審査が甘いと結論付けられます。
イコール借りやすいローンであるというわけです。

このようにさまざまな面で比較すると、ビジネスローンは銀行融資や日本政策金融公庫よりも、借りやすいと考えられます。

必要書類で比較

日本政策金融公庫に申し込む場合、以下のような必要書類を準備しなければなりません。

· 預金通帳
· 本人確認書類
· 支払明細書(ほかにローンがある場合)
· 不動産の賃貸借契約書(店舗や事務所を借りている場合)
· 許認可資格の証明できるもの
· 登記簿謄本
· 直近2年分の決算書一式

銀行融資の場合金融機関で若干違いがあるものの、以下のような必要書類の提出を求められるでしょう。

· 決算書
· 資金繰り表
· 事業計画書
· 納税証明書
· 試算表
· 商業登記簿謄本

このほかにも不動産など担保を入れる場合、担保に関する資料も提出しなければなりません。

それではビジネスローンの必要書類はどうでしょうか。
こちらもローン会社によって違いがあるものの、一般的には以下のような必要書類を準備しなければなりません。

· 履歴事項全部証明書
· 決算書
· 事業計画書
· 納税証明書

このようにほかふたつと比較して、必要書類の種類は少なめです。
ほかふたつはさまざまな書類をチェックして融資の可否を判断するので、それだけ入念に見ていることが伺われます。
ビジネスローンは提出する資料が少ないので、深く確認せずに融資の判断をしていると推測できます。
よって審査は甘め、借りやすいといわれるのです。

審査スピードで比較

審査スピードも日本政策金融公庫と銀行融資、ビジネスローンで違いがあります。
日本政策金融公庫の場合、書類審査だけでなく経営者と面談して、融資の可否を判断するので時間がかかります。
どれほどに短くても3週間から1か月程度かかりますし、場合によっては2か月近くかかってしまう場合もあるでしょう。

銀行融資の場合、日本政策金融公庫より若干審査スピードは速めです。
しかし最短でも2週間程度は、融資実行までに時間がかかると思っておきましょう。
1か月前後かかってしまうこともしばしばです。

ビジネスローンの場合、どれほどかかっても申し込みから1週間から10日くらいで、融資実行されます。
中には即日融資といって、申し込んだ当日に借入できるような商品も見られます。

審査期間が短いのは、それほど詳細に審査せずに融資を判断していると考えられるでしょう。
そのため審査は緩めで借りやすい商品であると、結論付けられるわけです。

誰でも借りられるビジネスローンはあるのか?

審査に受かるかどうか、心配な経営者の中には「誰でも借り入れ可能な、ビジネスローンがあれば」と思う人もいるでしょう。
そこで借り入れれば、確実に資金調達できるからです。
しかし結論からいうと、だれでも借りられるビジネスローンは存在しないと思ってください。
なぜそうなるのか、理由について以下で詳しく見ていきます。

どこでも審査を行っているから

ビジネスローンはボランティアではありません。
ビジネスして利益を上げていく事業体です。
誰にでも貸し出せば、返済能力のない人にも融資を行って、債権回収できない恐れが出ます。

そこでローン会社では申し込みを受理すると、審査を実施します。
信用情報や会社の業績などを見て、融資した資金をきちんと回収できるかどうか判断するためです。

ビジネスローンはほかの融資方法と比較すると、審査は甘めにしているところが多いものです。
しかしそれでも100%確実に、審査通過できるとは言い切れません。

過去に破産や不渡りを起こしたことがある、赤字決算が続いているような企業はローン会社にとってよくありません。
お金を融資しても、不良債権化するリスクは極めて高いのです。
借りやすいビジネスローンといっても、このようなリスキーな会社には融資をするのは渋ります。

闇金に引っかかる可能性も

確実に誰でも借りられるビジネスローンなど、上で紹介した事情を加味すればありえないことがご理解いただけたでしょう。
しかしたまに「誰でも借りられます」などといっている、ローン会社の現れることがあります。
「絶対融資」「審査不要」といった広告を見つけると、金策に困っている経営者は飛びつきたくもなるでしょう。
しかしこのような甘い言葉で誘惑してくるのは、闇金業者の可能性が大きいのです。
借入できたとしても、高利で返済を迫られるので結局苦労するのは自分自身です。

もし審査の甘さなどを、うたい文句にして勧誘してくる業者があれば「闇金かもしれない」と、警戒したほうがよいでしょう。
闇金業者かどうか見極めるためには、貸金業者登録されているかどうか確認しましょう。

ビジネスローンなどのお客さんにお金を貸し付けるには、貸金業者の登録をしなければなりません。
許可を受けている業者は、登録番号が交付されます。
ホームページやチラシのどこかに記載されているはずなので、こちらをまずは確認しましょう。

番号の記載のない業者は論外です。
しかし中にはでたらめな番号を記載して、お客さんをだまそうとする闇金業者もあります。
その場合金融庁のウェブサイトに「登録貸金業者検索サービス」という、ページがあります。
ここに貸金業者の主張する登録番号を入力して、本当にそのローン会社の名前が出てくるか、確認しましょう。
もしヒットしなければ、偽の番号を掲げている闇金業者と判断されます。

借りやすいビジネスローンの見つけ方

日本政策金融公庫や銀行融資と比較すると、ビジネスローンは借りやすいものです。
ただしビジネスローンの中でも、審査の難易度はまちまちです。
ビジネスローンの中でもさらに借りやすいところはどこか、見分けるポイントはいくつかあります。

1. ローンのタイプ
2. ビジネスローンの運営会社
3. 金利
4. 取扱商品
5. 担保の有無

それぞれどのようなところが借りやすいのか、これから詳しく解説していきましょう。

1.ローンのタイプ

ビジネスローンのタイプは2種類に分類できます。
証書型とカードローン型です。

証書型とは借入のたびに契約を交わして、融資を受けるスタイルです。
証書型の場合、借入したらあとは返済だけを行います。
追加の借入をする場合には、別途契約を交わさないといけません。

一方カードローン型とは、個人向けのカードローンと同じような形で取引するスタイルです。
審査通過すると、利用限度額が決められます。
その枠内であれば、借入と返済を繰り返せます。
借入と返済はローン会社もしくは、提携先のATMで手続きする形です。

両者を比較した場合、証書型のほうが借りやすいといえます。
借り入れたらあとは返済するだけだからです。
借入額が増えないので、返済できなくなるリスクが低くなります。

カードローン型の場合、まだ完済していなくても限度額の枠内であれば、追加で借入が可能です。
借入額が当初よりも増える可能性があり、返済不能になるリスクがあるので、証書型よりは厳しく審査せざるをえません。

2.ビジネスローンの運営会社

ビジネスローンを提供している運営会社は、いくつかの種類に分類できます。
大きく分けると、以下の4系統に分類できます。

· 銀行
· 信販会社
· クレジットカード会社
· 消費者金融

この中で最も審査が厳しいといわれるのが銀行です。
銀行の金利を見てみると、おおよそ2~14%といったところが相場です。
これはビジネスローンの中で見てみると、低金利となります。
金利が低い分、そこまでリスキーな融資ができないわけで、審査はどうしても厳しくなります。

一方4つの系統の中でも金利が高く設定されるのは、消費者金融系のビジネスローンです。
消費者金融系の場合、金利はおおよそ6~18%前後といったところです。
金利が高いのは、それだけ多くの法人代表者に積極的な融資を行っている証拠といえます。
つまり審査が緩めで、借りやすいと考えられます。

なお信販会社やクレジットカード会社のビジネスローンは、銀行と消費者金融のちょうど中間といったところでしょう。
銀行で借りるのは難しいかもしれないものの、消費者金融の金利は少し高いと思うかもしれません。
その際はクレジットカード会社もしくは、信販会社に申し込むのも一考です。

3. 金利

金利の高いところは審査が甘く、借りやすいビジネスローンと推測できます。
リスキーな人にも貸し出しを行っているので、不良債権化しても利息で元が取れるようにする必要があるからです。
金利を比較する際、上限金利がどうなっているかをみましょう。

ビジネスローンの金利を、ホームページなどで確認してください。
2.35~9.0%のように、金利に一定の幅をもたせている場合が多いのです。
一般的に信用力のあるところには下限金利で、あまり信用力ないところには上限金利で貸し付けます。

初めて申し込む際はまだ返済実績がないので、信用力は未知数です。
このため普通は上限金利か、上限金利に近い利率で契約するでしょう。
上限金利の利率がほかと比較して高めであれば、それだけ積極的に融資していることがうかがえます。

審査の甘いビジネスローンを見てみると、上限金利を18%としているところもいくつかあります。
18%は利息制限法で決められた、上限ぎりぎりの利率です。
ぎりぎりの金利の高さであれば、借りやすいビジネスローンであると判断できます。

4. 取扱商品

ビジネスローンを提供しているローン会社を見てみると、ほかにも個人向けのローンなど、多様な商品を取り扱っているところも見られます。
一方でビジネスローン専業という業者も見られます。
両者を比較した場合、ビジネスローンに特化した業者のほうが借りやすいといわれているのです。

これはローン会社の構造が関係しています。
ローン会社はお金を融資して、返済時に利息の支払いを受けることで、初めて収益があげられます。
つまりお金を貸し出さない限り、商売にならないわけです。

ほかにも商品をラインナップしている業者の場合、ビジネスローン以外でも貸付ができるので、そこで収益を稼げます。
つまり審査を甘くして、ビジネスローンで積極的に貸し付ける意味がありません。

一方ビジネスローン専業の場合、ビジネスローンの貸付を行わないと利益が出ません。
そこで多少審査を甘くして、事業者に対して積極的に融資する必要があるわけです。
そのためより確実に借り入れたければ、専門業者にターゲットを絞って申し込んだ方がよいでしょう。

5. 担保の有無

ビジネスローンを見てみると、担保を付けるものもあれば付けないものもあります。
一般的に無担保で利用できるビジネスローンのほうが、審査も甘いといわれているのです。

担保や保証人を求めないローン会社は、審査の柔軟なところが多いといわれているからです。
担保なしでも申し込めるところは、融資に対して前向きな可能性があります。

ただし不動産などもし担保として差し出せるものがあれば、担保付きのビジネスローンを利用するのも一考です。
たとえ返済不能になったとしても、担保を差し押さえて売却すれば、債権回収できるからです。
貸し出す側もリスクは低くなっています。
価値のあるしっかりした担保をもっている事業者にとっては、借りやすい可能性があるでしょう。

担保付きのローンも提供しているところの中では、無担保でも貸し出している業者もあります。
このような業者に無担保でローンの申し込みをすると、担保付きよりも審査が厳しめになるかもしれません。
返済不能になった場合、担保がないので損害を出す危険性があるからです。
また審査通過したとしても担保ありと比較して金利が高いなど、条件が厳しめになる恐れがあるので、理解しておきましょう。

まとめ

会社経営していると急な出費が起きたり、売掛金が回収できないのに支払期日が迫ったりすることもあります。
そういった時手元に十分な現金がなければ、ほかのところから資金調達しなければなりません。

とくに今すぐ現金が必要な差し迫った借り入れの場合には、ビジネスローンを利用するとよいでしょう。
銀行融資などと比較して審査が甘く、借りやすいからです。
またビジネスローンは融資スピードがはやいのも魅力です。
即日融資に対応できるローンもありますので、緊急性の高い事態の際に活用するとよいでしょう。