法人口座の開設難易度は高い?法人口座開設はネットバンクがおすすめな理由を解説

2024年10月23日

「会社を設立した後、法人用の銀行口座は開設した方がいいのか?」
「どんな手順で、どの銀行で開設すればいいのか分からない」
「設立して間もない会社で、法人口座開設の審査が通るか不安…」

会社を立ち上げる際、法人口座の開設に関して、このような疑問や不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

結論から申し上げると、法人口座(会社名義の銀行口座)は、会社設立手続き後(登記完了後)で、実際に事業を始める前に開設するのが一般的です。
法人口座の開設において重要なのは、「自社にとってベストな銀行はどこか」を判断することです。

・審査のルールや難易度
・手数料
・口座開設にかかる時間

などは、銀行ごとに大きく異なるので、特長を比較検討し、自分の会社にとってベストな銀行を選びましょう。

法人口座とは

法人口座とは法人(会社)名義の銀行口座のことです。

主に会社の取引において利用する口座であり、取引先からの入金や仕入先への振り込みなど、業務上のお金のやりとりの際に使用することが一般的です。

会社を設立したら法人口座は開設するべきか?

「会社を設立したら法人口座は開設するべきか?」

という問いに対する答えは、一言で言えば

「義務ではないが、会社設立直後に法人口座を開設するのが一般的」

です。

会社を設立して、実際に事業をスタートさせる際に、元々持っていた個人の銀行口座を使ってビジネスを始めても、法律上は問題ありません。

では、なぜ多くの経営者が会社設立時に法人口座を開設するのかというと、会社の信用や利便性を考えた時に、個人口座よりも法人口座を利用した方が圧倒的にメリットが多いためです。

法人口座を開設するメリット、つまり法人口座を開設するべき理由には、次のようなものがあります。

・社会的信用を得やすい
・会社のお金の流れが把握しやすくなる
・金融機関から融資を受けやすくなる
具体的にどういうことか、詳しく見ていきましょう。

社会的信用を得やすい

法人口座を開設するべき最大の理由は、「社会的信用を得やすい」ことです。

法人口座を開設すると

・特定の銀行の審査を通過した
・会社のお金と個人のお金を分けている

ということの客観的な証明になり、仕入先・取引先・将来融資を受ける金融機関に信用してもらいやすくなります。

反対に法人口座を開設せず、個人口座でビジネスをしていると

「法人口座が作れない事情があるのではないか?」
「個人と法人の資産を混同していないか?(脱税の疑い)」

といった不信感を抱かれやすくなり、最悪の場合、取引を断られる可能性もあります。

取引先側の立場に立って考えた時、法人と取引をしようとして「代金は社長の個人口座に振り込んでください」と言われたら、「この会社大丈夫?」と不安になるのではないでしょうか。

このように、法人口座の開設は、一定レベルの社会的信用を担保する要素となるのです。

会社のお金の流れが把握しやすくなる

法人口座を開設すると、会社のお金の流れが把握しやすくなるというメリットもあります。

法人名義のクレジットカードの引き落とし先を法人口座に指定したり、会計ソフトと法人口座を連携したりと法人口座のお金の流れを統一させ、

「赤字が続いたら、これまでの支出を振り返って経費削減できそうな部分を探す」

といったような、キャッシュフロー改善の対策が立てやすくなります。

これに対して、個人口座をビジネスに利用する場合は、「会社のお金」と「プライベートのお金」を混同してしまう可能性もあるため、自力で仕分けを行わなければなりません。

・お金の流れの不透明化
・決算時の事務負担が大きい

といったデメリットが発生するため、お金の管理面においても、法人口座は開設するに越したことはないと言えるでしょう。

金融機関から融資を受けやすくなる

金融機関から融資を受けやすくなるというのも、法人口座を開設するメリットの一つです。

・事業を拡大したい
・資金難を改善したい

などの事情で金融機関から融資を受ける際、法人口座開設を開設していない会社は、そもそも融資の申込ができないケースがあります。

また、あらかじめ融資を受けたい銀行で法人口座を作っておくことで、銀行との信頼関係ができ、融資の審査に有利に働くといった可能性もゼロではありません。

法人口座を開設する金融機関と、融資を受ける金融機関は、必ずしも同一でなければならないという決まりはありませんが、いずれにしても「法人口座を開設し金融機関と取引をした」という実績を作っておいた方が将来的に融資を受けやすいでしょう。

法人口座を開設する銀行の選び方

ここからは、法人口座を開設する銀行の選び方について解説します。

銀行の種類を選ぶ

まずは、銀行の種類を選びましょう。

法人口座の開設先として一般的な銀行は、

・都市銀行
・地方銀行
・ゆうちょ銀行
・ネット銀行
・信用金庫
総合的に利用のメリットが多いのはネット銀行だと言えますが、どのタイプの銀行にもメリット・デメリットが存在します。

ネット銀行の強みは、大きく分けて以下の2つです。

・店舗型銀行に比べて審査が比較的柔軟
・口座開設スピードが早い(最短即日~約2週間程度)

これらの強みにより、法人口座を開設する際のネックになりやすい

「都市銀行・地方銀行の審査が通らない」
「早く事業を始めたいのに、審査に時間がかかって待っていられない」

といった問題を解決してくれるため、設立して間もない会社の最初の法人口座としておすすめです。

ただし、店舗型銀行と比較すると知名度(社会的信用)は相対的には低いという点も留意しておく必要があります。

将来的にメガバンクの法人口座を作りたい場合は

「まずはネット銀行で開設し、審査を通過するような実績を作ってからメガバンクに申し込む」

といった活用をしても良いでしょう。

法人口座開設に失敗しないための注意点

続いて、法人口座開設に失敗しないための注意点を紹介します。

・「審査落ち対策」を徹底する
・複数の口座を開設することも視野に入れる
・余裕を持ったスケジュールを組む

自社に合った銀行を選んだと思っても、法人口座の開設時や開設後に思わぬ事態が発生し、後々後悔するケースもあります。

あらゆる「しまった!」を防ぐために、注意点をしっかりと押さえておきましょう。

「審査落ち対策」を徹底する

法人口座開設に失敗しないための注意点、1つめは「審査落ち対策」を徹底することです。

法人口座開設における最も代表的な失敗として、審査に落ちてしまうことが挙げられます。

審査落ちを防ぐには、銀行から「口座を不正利用しそうな不審な会社」と思われる要素を徹底的に無くすしかありません。

具体的には

・書類に不備や漏れがないか入念にチェックする
・事業計画書に具体的な事業内容を明記する
・適切な資本金額を設定する

といった対策が必要です。

初めての法人口座開設はネット銀行がおすすめ!2つの理由

初めての法人口座開設には、都市銀行や地方銀行といった店舗型銀行よりもネット銀行がおすすめです。

なぜ都市銀行や地方銀行といった店舗型銀行よりもネット銀行の方がおすすめなのか、本章ではその理由を以下の順に詳しくお伝えします。

・口座開設審査が比較的柔軟
・口座開設までのスピードが早い

口座開設審査が比較的柔軟

初めての法人口座開設にネット銀行をおすすめする最大の理由とも言えるのが、口座開設審査が店舗型銀行と比較すると比較的柔軟であることです。

記事内で繰り返しお伝えしてきたとおり、法人口座の開設には口座を不正利用されないか確認するための審査があります。
法人口座を開設したいと思っても、審査で断られてしまう可能性があり、設立したばかりの会社や規模の小さい会社ほどそのような状況に立たされやすい傾向にあります。

「利便性や信用性を考えると、個人口座ではなく法人口座で会社のお金を管理したいので、どうしてもどこかで作らなければならない」
「創業融資を考えているのでどうしても法人名義の口座が欲しい」

そんな会社の受け皿となり得るのが、ネット銀行です。

実際に、インターネット上には「都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行・信用金庫から断られたが、ネット銀行でのみ法人口座が開設できた」といった声も見受けられました。

口座開設までのスピードが早い

初めての法人口座開設にネット銀行をおすすめする大きな理由には、「口座開設までのスピードが早い」ということもあります。

ネット銀行の法人口座開設にかかる時間は「即日~2週間程度」が一般的であり、店舗型銀行よりも格段に早いです。
登記申請などの会社設立手続きが完了して、いざ事業を始めようと思っても、法人口座を開設できていなければ会社のお金を動かすことはできません。

ネット銀行であれば、即日~2週間程度で口座開設審査の結果が出るため、「なかなか口座を開設できない」といったトラブルが発生しにくいです。

以上のことから、

・1日でも早く事業をスタートさせたい
・スケジュールにゆとりを持って会社を設立したい
・ほかの銀行の審査を待っている間、ほかの法人口座開設も検討したい

といった会社には、まずはネット銀行での法人口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。