ビジネスローンなら総量規制の対象外で資金調達できるのか?!

2024年9月12日

貸金業者が取り扱うカードローンや融資、カードキャッシングは貸金業法によって、年収の3分の1までの貸付けに制限されています。

これを総量規制と言いますが、総量規制には例外や対象外もあります。

例外のひとつに事業融資があります。

しかしビジネスローンはすべて例外になるのでしょうか?

今回はビジネスローンと総量規制の関係について解説していきます。

なお総量規制の対象外であるビジネスローンを確認したい方は、以下のボタンをクリックすると紹介見出しまで移動できます。

総量規制の対象になる融資とは?

まずは総量規制がどのようなものなのか、規制対象となる対象や総量規制が実施された背景から解説していきます。

総量規制の目的は多重債務の防止

貸金業法が改正され、総量規制が実施されたのは2010年6月18日のことです。

この改正によって総量規制だけではなく、上限金利の引き下げ(グレーゾーン金利の撤廃)、過度な取り立て行為の罰則強化、ヤミ金対策の強化も同時に行なわれています。

改正前は高金利で返済能力以上の貸付けが行なわれ、多重債務者が増加して、自殺や自己破産の件数も増加したために法的な規制を実施したのです。

総量規制もそのひとつで消費者保護のために、貸付けの上限を定めています。

総量規制の対象

貸金業法で規制しているのは、貸金業者が貸付けする融資に限られています。

貸金業者は銀行法で規制されている金融機関を除いた、貸付けを業とする金融業者のことです。

つまり貸金業法に基づいて登録申請を行ない、登録が許可された業者に限られるのです。

上記の登録を受けずに貸付けをしている無登録業者は、ヤミ金と呼ばれていて、逮捕されると最大懲役10年の刑もある重罪となります。

ここでわかるのは、銀行融資は貸金業法の対象とならないため、総量規制の対象にもならないことです。

たとえば【レイク】は、消費者金融会社のブランドでしたが、現在は新生銀行の融資ブランドです。

そのため貸金業法の規制対象外で、年収の3分の1を超える貸付けも可能となっています。

また貸金業法は、消費者金融を対象とした法律なので、法人に対する融資も対象外となります。

総量規制の例外と除外

個人向けの融資でも、以下の貸付けは総量規制対象になりません。

総量規制に例外と除外がある理由

総量規制に例外や除外があるのは、総量規制の目的が多重債務の防止であって、生活に支障があるほど規制する必要がないからです。

例外として借り換えローンがありますが、これはむしろ多重債務を解決する手段として利用されています。

また総量規制によって医療費の貸付けが受けられなければ、生活の維持に大きな支障をきたします。

担保貸付けが除外されているのは担保を処分することで、債務が残らないかほとんどなくなるという保全によって多重債務の発生には結びつかないからです。

自動車ローンの場合、担保はありませんが、車を処分することで債務を軽減できます。

個人事業者への貸付けは、これらとは少し意味が違いますが、運転資金調達は消費ではなく売上に結びつくので例外となっています。

ビジネスローンから借り入れるときの注意点

ここでは総量規制の規制を受けないビジネスローンから借り入れる場合の、注意点を解説していきます。

事業融資の貸付額は所得に左右されない

消費者ローンが年収の3分の1という規制を受けるのは、年収が決まっているので、一定以上の貸付けは生活に支障をきたすからです。

つまり消費に使う借り入れは、何も生み出さないのです。

しかし経営者が必要とする事業資金は、新たな売上に結びつく可能性があるので、制限によってマイナスになる可能性もあります。

貸付けに無理があるかどうかは、所得で判断するのではなく、事業規模・事業計画書や資金計画書などによって金融機関が判断します。

とくに銀行から資金を調達する場合は、将来性も判断材料となるので、過去の決算書で赤字決算があっても融資を受けられる場合があります。

そもそも開業資金の借り入れをする場合は、参考にする所得が存在しないので、年収の1/3といた規制は無意味になります。

低金利融資の審査

事業資金の調達手段として、低めの金利の融資を優先するのは経営者として当然のことです。

日本政策金融公庫や銀行などは、低めの金利で融資を行っている代表的な金融機関。

日本政策金融公庫の公的融資には無担保・無保証人の融資もあり、低金利でさらに固定金利となっているので、事業資金としては最初に検討すべき融資です。

日本政策金融公庫では、提出書類の審査以外に面談による審査もあるので、経験者や専門家に相談して事前に準備しておきましょう。

銀行融資も金利は低いですが、変動金利の場合が多いので注意しましょう。

銀行からの借り入れに関しては、しっかりした資金計画が重要となるので、窓口担当者としっかり話し合いましょう。

なお銀行系ビジネスローンでも、無担保・無保証人の融資商品があります。

金利は高くなり融資限度額にも制限がありますが、提供する担保がない場合は選択肢のひとつとして考えておきましょう。

ノンバンク系のビジネスローンの利用

ノンバンク系には消費者金融会社やクレジット会社、ノンバンク系金融グループの金融会社などがあります。

いずれも銀行や政府系制度融資と比べると、金利が高いため、つなぎ融資など短期の運転資金に利用しましょう。

高金利融資を利用して融資返済機関を長期にすると、金利負担が大きくなるのでその点を注意しましょう。

とはいえノンバンク系ビジネスローンは融資スピードが速いため、急な支払や資金ショートなどの緊急性の高い場合の資金調達方法として有効です。

まとめ

事業資金を調達する場合は、総量規制を気にする必要はまったくありません。

しかし個人事業主は、個人でカードローンを利用する場合は年収の3分の1を意識する必要があります。

また事業性融資も個人名で借り入れするため、個人のカードローン審査の場合、事業融資の残高があると多少影響があるかもしれません。

事業性融資は総量規制の影響はありませんが、事業を運営する上で無理はないか慎重に判断する必要があります。

返済可能かという判断は、自己判断だけでなく、側近の経営陣や役員など第三者の意見も取り入れて慎重に決定しましょう。