期日現金とは?ファクタリングとの違いについて詳しく解説!
2025年3月4日
「期日現金とは?」「ファクタリングと違うの?」
この記事では、そのような疑問について詳しく解説していきます。
期日現金とは、売掛金の決済方法のうち請求書を使った支払い方法の1つであり、通常よりも支払いを遅らせる取引です。
企業間取引では、商品やサービスの代金は掛けによる信用取引が一般的といえます。
請求書を渡して後日入金してもらう後払いの決済方法が期日現金であるため、その間に発生した売掛金を回収するまで手元の現金は増えません。
一般的な信用取引の支払いサイトは30日や60日などですが、このサイトより後回しにする場合には、通常であれば手形を使います。
しかし手形ではなく、期日指定のもとで入金することを口約束で後回しにする方法が期日現金です。
期日現金とは
「期日現金」とは、本来売掛金が入金される30日や60日など、一般的な支払いサイトを後ろ倒しにする決済方法です。
手形を使わずに90日後や120日後など期日を指定し、支払の口約束をして後回しにします。
通常の請求書を使った掛け取引による支払いと同じではあるものの、支払い期日は後ろ倒しにさせる方法です。
そのため一般企業では、「延現金」と呼ばれることもあります。
期日現金についてさらに詳しく理解を深めるために、次の3つについて説明します。
1.振込との違い
2.手形決済との違い
3.でんさいとの違い
振込との違い
「振込」とは、別銀行または同一銀行の別支店口座に資金を移動させることです。
取引先の銀行口座へ代金支払いのためのお金を送ることであり、依頼されたタイミングですぐに送金できます。
期日現金でも振込による支払いは行われるものの、送金するタイミングが期日の指定によって前もって決められています。
そのため通常の振込のようにすぐ送金されるわけではありません。
手形決済との違い
「手形決済」とは、特定の金額を将来の期日に支払うことを約束した有価証券です。
期日現金も期日まで支払いが行われないため、即日決済でないことは手形決済と共通しています。
ただ、手形は指定期日に支払いを約束した証書であり、万一期日に決済されなければ「不渡り」になります。
手形の振出人が不渡りを出すと、銀行や取引先から信用を失うことはもちろんのこと、6か月以内に2度不渡りで銀行取引停止処分とされ事実上の倒産として扱われます。
そのため口約束による期日の先延ばしである期日現金とは、支払側に与えるプレッシャーや支払いへの強制力に違いがあるといえます。
また、期日現金は請求書発行と発送程度の事務手続とコスト負担で済みます。
しかし手形決済では、支払側と受取側それぞれの次の事務手続とコストの負担が発生します。
でんさいとの違い
「でんさい」とは、インターネット上の「でんさいネット」で管理をする電子記録債権です。
振込や手形に代わる決済手段として、事業者の資金調達円滑化を図る目的で創設されています。
オンライン上でデジタル化された手形が管理されるため、紛失や盗難のリスクがないことがメリットです。
また、期日現金と同じく事務作業の負担も少ないため、人件費削減に繋がります。
ただし、でんさいは、支払側と受取側のどちらも利用登録していなければ使えない仕組みです。
決済や譲渡などで使用するたびに各種手数料が発生します。
期日現金なら請求書発行で手軽に請求・入金が可能であるのに対し、利用のハードルが高めであることが違いと言えます。
期日現金の特徴
期日現金は、通常よりも売掛金の入金が遅くなるため、次の2つの特徴があるといえます。
1.支払いサイトが長い
2.手形決済より優先順位が低い
それぞれ説明します。
支払いサイトが長い
期日現金は、掛取引で発生する売掛金の支払いサイトが長めです。
信用取引の支払いサイトは、たとえば月末締め・翌月未払いの30日サイトや、月末締め・翌々月末払いの60日サイトが一般的といえます。
しかし期日現金では、この支払いサイトをさらに後ろ倒しにして設定するため、90日などや120日サイトなど長期に渡ります。
売掛金が入金されるまでの期日が長くなれば、手元の現金が増えない期間も延びるため、資金ショートするリスクが高まるため注意しましょう。
手形決済より優先順位が低い
期日現金は、同じく期日まで長めの手形決済よりも、支払いの優先順位が低めです。
手形の場合、期日に決済できなければ不渡りを出すことになるため、支払いに対する強制力が高めといえます。
しかし期日現金は、たとえ支払いが遅れても不渡りが出たり倒産したりといったリスクはないため、手形決済よりも支払いの優先順位が低くなります。
期日に確実に支払われるとも言い切れず、回収できない売掛債権が貸し倒れとなるリスクはぬぐい切れません。
期日現金のメリット
期日現金は通常よりも支払期日を後ろ倒しにする取引であるため、支払いサイトが長く設定された信用取引と言い換えることもできます。
そのため期日現金で得をするのは支払側の企業で、売掛金を回収する受取側の企業にはほとんどメリットはありません。
ただ、受取側にもメリットがまったくないわけではないため、立場ごとに分けてそれぞれのメリットを説明します。
1.支払側のメリット
2.受取側のメリット
支払側のメリット
期日現金における支払側のメリットとして、一般的な信用取引よりも支払いサイトが長いことが挙げられます。
資金繰りに余裕を持たせるためには、入金は早めに、支払いは遅めにすることが必要です。
期日までを長く設定する期日現金によって、手元に長く現金を残すことができ、余裕をもって支払いに充てるお金の準備をしやすくなります。
また、手形決済のように手形振出しの作業がなく、口約束で支払期日を引き延ばす承諾を得るのみで成立することも支払側のメリットです。
手形決済のように、印紙代や発行手数料など発生させず、事務負担も軽減した上で支払い期日が延びることは大きなメリットといえます。
受取側のメリット
期日現金における受取側のメリットは、手形決済から期日現金に移行した場合にのみあります。
手形決済であれば銀行に対する取立て依頼が必要だったものの、その事務手続や管理などの手間が不要です。
また、支払いまでの期間が長くなることは問題ですが、下請け法が適用されれば一方的に不利な条件を押し付けられることはありません。
下請け法では次の条件に該当するとき、商品やサービスを販売してから60日以内に代金を支払わなくてはならないとされています。
・資本金3億円を超える親事業者と、資本金3億円以下の下請け事業者との取引
・資本金1千万円から3億円の親事業者と、資本金1千万円以下の下請け事業者との取引
ファクタリングを活用する
取引相手から期日現金による決済を提案された場合には、ファクタリングを活用することで期日を前倒しできます。
期日現金による決済を提案してきた相手が元請けの場合や、立場的に断りにくい相手というケースも見られます。
本来は受けたくない期日現金の取引を了承してしまった場合でも、ファクタリングを活用すれば期日を短期化できます。
ファクタリングとは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、期日よりも先に現金化するサービスです。
長く待たなければ入金されない売掛金が、短い期間で回収できるようになることがメリットといえます。
ファクタリングの審査では売掛先の信用力を重視するため、借入れなどと異なる審査基準であり、ハードルは低めです。
最短即日で現金化できるなど、特に中小企業にとってはメリットが非常に大きい資金調達方法といえます。
ただしファクタリング会社によって手数料にも差があるため、信頼できる業者の見極めが重要です。
まとめ
期日現金は、通常の信用取引の支払期日を、さらに後ろ倒しにして取引することです。
売掛金を支払う側にとっては、手元に現金が残る時間が長くなり、支払い資金を準備するまでの時間も長くなるためメリットがある取引といえます。
しかし受取側の売掛金入金までの時間が長くなり、その間に売掛先が倒産してしまえば、売掛金は回収不能の不良債権化します。
デメリットしかないともいえる方法であるため、売掛先から期日現金による取引を提案されたときには、了承するべきか見極めが重要です。
なお、断りにくい売掛先の期日現金取引の提案を承諾してしまった場合でも、ファクタリングを活用すれば期日を前倒しすることはできます。
期日現金の取引を受けてしまい、長期化した期日を短期化したいなら、ファクタリングをうまく活用することをおすすめします。