ファクタリングをクラウド契約するメリットとは?

2023年10月26日

ここ数年で急激なオンライン化が進み、今まで対面、あるいは郵送で行わなければならなかった各種手続きが、オンラインでできるようになりました。

コロナなど外部要因もありましたが、より利用者のことを考えてオンラインを用いた契約につながっています。

また、会計ソフトなども従来のパッケージソフトをパソコンのハードディスクにインストールして行うものではなく、共通のクラウドにアクセスして、全国どこからでもどのネット端末からでもできるものが増えています。

ファクタリングもその流れに沿って、オンラインでできるクラウド契約が増えています。ファクタリングの場合、特定のソフトやデータをパソコンにインストールするパッケージ版会計ソフトのようなことはなく、必然的にオンラインファクタリングはクラウド契約となります。

とはいえ、クラウド契約についてよくわからないという方も多いはずです。今回は、クラウド契約を行うファクタリングについて詳しく解説していきます。

迅速な資金化にはオンラインによるクラウド契約が不可欠です。可能ならばぜひチャレンジしてみましょう。

はじめに「クラウド契約」とは?

まず今回のポイントである「クラウド契約」について要点を押さえておきましょう。

クラウド契約とは、契約書や注文書など、今まで書面でやり取りをしていたものを電子データ化します。

それを紙ベースではなく、クラウド上で完結させることにより、それまでにかかっていた時間や手間を削減します。単にクラウド上に契約書のPDFをアップロードするのではなく、PDFの元となるワードデータなども不要で、専門のクラウドソフトに入力することで、契約書など帳票が電子データとして仕上がります(印刷して保管も可能です)。

クラウド契約によって作成された各種書類、帳票は電子文書として保管されるため、印紙代やHPのデータの削減もできます。

また、個々のハードディスクではなく、クラウド上(実際はどこかのデータセンター)にデータがあるため、保管場所もいらず紛失の心配も無くなるほか、いつでも簡単に検索や閲覧が出来ます。

2024年から本格導入される「電子帳簿保存法」にも対応していて、優れたクラウド契約ソフトならば、そのまま電子帳簿保存法に対応しているため、個別の作業が不要になります。

クラウド契約は民法上の契約も可能です。つまり、私人間の契約となるファクタリングについても問題なく行えます。

最近ではクラウド契約によって、迅速な資金化を達成できるファクタリング会社が増えつつあります。

なお、クラウド契約には以下のメリットがあります。これは従来の紙ベースの契約では叶えられなかったものであり、クラウド契約における大きなメリットになります。

1.印紙代がかからない(契約書に印紙が不要)
2.契約にかかる作業時間を短縮できる
3.書類の保管場所を取らない
4.リアルタイムでやり取りできる、店舗へ行かなくても済む
これら一般的なクラウド契約のメリットはファクタリングの契約においても有効です。

クラウド契約のファクタリングとは?

クラウド契約で行われるファクタリングは「クラウドファクタリング」「オンラインファクタリング」などと呼ばれます。

クラウドファクタリングは、インターネット、WEB上で一連の契約手続きが完結するファクタリングのことを指します。

通常のファクタリング契約には対面しての面談、面接や資料の手渡し、郵送が必要ですが、これらをすべてオンライン上、クラウド上の操作で完結できます。

クラウドファクタリング、オンラインファクタリングの「クラウド」とは

上記のように「クラウド契約」はすべてオンライン上で完結し、データをクラウドに載せることで行われるものです。

「クラウドソーシング」、「クラウドサーバー」などの用語でも使われるように、従来のデータをソフトウェアからパソコンなどのデータ端末にインストール、ダウンロードして行う
やり方ではありません。

クラウドはオンライン上にデータセンターを持ち(実際には地盤が強い場所にデータセンターを置く)、専用のソフトウェアやパソコン、タブレットなどを持たなくても、インターネット環境があれば、必要な時にその時使える端末(パソコン、タブレット、スマホ)でデータやサービスにアクセスできるシステムです。

クラウド会計ソフトの場合、全国どこでもパソコンやスマホで、会計ソフトのクラウドへアクセス、入力できます。自分のパソコンでなくても、インターネットカフェのものでもできます。

要はそのクラウドソフトのページにアクセスできればいいのです。

クラウドファクタリングも同様の仕組みです。クラウドファクタリング、オンラインファクタリングには専用のソフトは不要です。

ファクタリング会社のクラウド契約用サイトにアクセスできる環境があれば、ファクタリング契約まで済ませられます。

ファクタリングに必要な資料、書類については、画像(jpgなど)やPDFデータをクラウド上にアップロードできればOKです。スマホで書類を作成し、それを画像データとして送れれば問題ありません。

お店に行ったり郵送したりする時間コストを省略して、すぐにファクタリング契約まで行えます。

クラウドファクタリングにおける制度の概要

ご存知のようにファクタリングは事業主様がお持ちの売掛債権(売掛金)の請求書をファクタリング会社が有償で買い取るものです。

ファクタリングは融資ではなく、債権譲渡になります。「6月末締め、8月末日払い」(支払いサイト60日)の売掛債権(売掛金)は通常、8月31日にならないと売掛先から入金されません。

しかし、ファクタリングによって「8月31日に売掛金を受け取る権利」を買い取ってもらうことで、7月や8月中旬に資金化できます。

その際、売掛金額から一定の手数料がファクタリング会社の利益として控除されます。

ファクタリングは、依頼主(債権者)とファクタリング会社のみで行う「2社間ファクタリング」に加えて、依頼主(債権者)、売掛先(債務者)、ファクタリング会社の3社で行う「3社間ファクタリング」という制度があります。

どちらもクラウドファクタリング、オンラインファクタリングできますが、3社間ファクタリングは、売掛先の同意が必要なので時間がかかります。また、売掛先の同意についてはクラウド契約できないことが多く、完全にクラウド上で完結できない可能性があります。

2社間ファクタリングは手数料が高いのですが、相手にバレません。また、クラウド契約も容易にできます。3社間ファクタリングは手数料が低いですが売掛先にバレますし、契約がクラウド上だけでは完結しない可能性があります。クラウド契約の画面を売掛先が操作できません。

売掛先にファクタリングの事実がバレても大丈夫か、その結果今後の付き合いがどうなるか、などを考えながらファクタリング契約をしなければなりません。

クラウドファクタリング、クラウド契約のメリットとデメリット

クラウドファクタリングやクラウド契約について理解していただいたはずです。これを踏まえて、メリットとデメリットについて考えてみましょう。

クラウドファクタリング、クラウド契約のメリット

まずクラウドファクタリング、クラウド契約のメリットについて考えます。

審査が早い

クラウド契約はオフィスや自宅にいながら行えます。実際にファクタリング会社の店舗へ行く時間を省略できます。

そのため、完全非対面による時間短縮効果が期待できます。ファクタリング審査が早くなり、契約から資金化まで最短即日で行えます。申し込みから手続き完了まで「3時間」をアピールするファクタリング会社もあります。

手続きが簡単

インターネット環境さえあれば、クラウド契約できます。書類については、手元にあればスマホ1つで送れます。

重要なデータについて、持ち歩かず、事業主様のクラウドストラテジー(ドロップボックスなど)に保存しておけば、外出先、出張先、外国などで急に資金調達しなければならなくなった場合にもファクタリングできます。

クラウドファクタリング、クラウド契約のデメリット

一方でクラウドファクタリング、クラウド契約のデメリットもあります。ファクタリング会社に行って通常の手続きを取った方が良いケースもあるかもしれません。デメリットは以下になります。

対応しているファクタリング会社がまだ少ない

徐々に増えては来ているものの、ファクタリング会社全体の中でクラウド契約できる会社は限られています。

「オンラインファクタリング」できますと謳っているファクタリング会社も、メール添付で書類データを送ったり、場合によってはFAXを求めたり、アナログ対応の延長に過ぎないところもあります。

クラウドシステムをしっかり整備し、クラウドファクタリング、クラウド契約できるところはまだ限られているのも事実です。

ファクタリングを急ぐ場合、(クラウドファクタリングをしていない)近くのファクタリング会社へ行った方がよいケースもあります。

機械的審査で個別事情が考慮されない可能性

クラウド契約の場合、面談もオンラインです。対面で面談する場合、熱意や訴えたいことを積極的にアピールできますが、オンライン面談の場合はそれが限られてしまいます。

「特段の事情」に配慮して、ファクタリング審査に通る、あるいは手数料などが下がる可能性があるのは、対面で面談した場合です。

オンライン面談では、一連の手続きの1つという意味合いが強く、個別事情の積極的なアピールができないかもしれません。

クラウド契約はAIなども駆使して行います。機械的な審査になるので、「人(ファクタリング会社スタッフ)に思いを伝えたい、アピールして何とか資金調達したい」という方には向きません。

機械的な審査を受けたくない場合、クラウド契約ではなく対面契約をした方が良い場合があります。

クラウドファクタリング、クラウド契約の申し込みに必要な書類と手続きの流れ

クラウドファクタリング、クラウド契約をする場合の書類と流れを確認しておきましょう。

クラウド契約に必要な書類

クラウド契約に必要な書類は以下になります。ファクタリング会社によっては若干の差があります。

・本人確認書類(身分証明書)
・売掛金の請求書
・銀行の通帳(売掛金の入金確認)
・確定申告書、決算書
・商業登記簿謄本(法人のみ)

これらの画像データ(スマホ撮影でOK)、スキャナーでPDF化したものを、ファクタリング会社のクラウドにアップロードします。法人の商業登記簿謄本については、法務局で実物を取得し、PDF化しておきます。「取得から3か月以内の商業登記簿謄本」が原則になるので、定期的に取得しておくといいでしょう。

クラウド契約の手続きの流れ

ファクタリングのクラウド契約の流れは大まかには以下になります。

1.ファクタリング会社にユーザー登録する
2.請求書(売掛金がわかる)のアップロード
3.請求書情報の入力
4.本人確認書類の提出(アップロード)
5.携帯電話のSMS認証
6.事業者登録(法人登記簿謄本、確定申告書、決算書などのアップロード)
7.WEB面談(ある場合。ZOOMやSkypeを使う。場合によっては電話)
8.オンライン契約への同意、電子署名を使ったクラウド契約
9.AIによる審査

紙に印刷、自筆で署名、捺印し画像かPDFデータを送信するのはオンラインファクタリングではありますが、クラウド契約とは程遠いアナログ手法です。

そうではなく、クラウド契約は電子署名のシステムを導入して、自筆の署名捺印不要で、法的に効果がある契約が可能です。

WEB面談について、ZOOMやSkype、チャットワークなどのオンライン会議ツールを用いますが、自社製のツールを用いるところも出てくるかもしれません。ともかく、クラウド契約は全部その画面で終わるので、時間を大幅に短縮できます。

まとめ

オンラインファクタリング、特にクラウド契約ができるファクタリング会社ならば、資金化までの時間を大幅に短縮できます。

「最短即日」どころか「最短数時間」で資金化できるのがクラウド契約の大きな強みです。ファクタリング会社を選ぶ際には、クラウド契約が可能かどうかも重要な判断材料になります。

もちろん、クラウド契約できても手数料が高いところもあります。事業主様がファクタリングに「迅速性」を求めるのか「高価買い取り」を求めるのかでも選ぶファクタリング会社が変わるかもしれません。

クラウド契約できて手数料が安いところが最も望ましいです。クラウド契約は場所を問わずできるので、ぜひ全国のファクタリング会社を対象に探してみましょう。