ビジネスローンの「独自審査」とは?審査基準の特徴や通りやすいケースを解説

2025年8月5日

中小企業や個人事業主が事業資金を調達する際に活用される「ビジネスローン」。その中でも、最近注目されているのが**「独自審査」**を採用している金融機関やサービスです。

「銀行に断られたけれど、独自審査のローンなら通った」という事例もあり、通常の審査とは異なる柔軟性を持っているのが特徴です。本記事では、「独自審査」とは何か、その仕組みやメリット・注意点について詳しく解説します。

1. 独自審査とは?

独自審査とは、一般的な信用情報や財務指標だけに依存せず、各金融機関や貸金業者が独自に設けた基準で審査を行う方式です。

一般的なビジネスローンでは、以下のような指標が重視されます。

・信用情報(信用スコアや返済履歴)

・過去の金融事故

・財務諸表の健全性

・税金の納付状況

しかし、独自審査ではこうした情報に加え、以下のような要素も評価対象になる場合があります:

・売上推移や将来性

・店舗の立地や業種

・代表者の経営経験や人柄

・SNSや口コミ評価(IT系業者に多い)

2. 独自審査を採用しているのはどんな業者?

独自審査は主に以下のような業者が採用しています。

ノンバンク系ビジネスローン会社

消費者金融系や信販会社などが提供するビジネスローンは、独自の基準を持っており、銀行とは異なる視点から審査します。特に「返済能力」を定量的に評価するよりも、「資金需要の妥当性」や「取引履歴」などを見られることがあります。

ファクタリング会社

ファクタリングも「審査あり」と「審査なし」に分かれますが、独自審査を採用しているところは「債権の信用力」を重視します。借主の信用情報に問題があっても、売掛先が大手企業であれば通過する可能性があります。

3. 独自審査のメリット

✅ 柔軟な審査対応
過去に信用情報にキズがある、赤字決算が続いているなど、通常のローン審査では不利な状況でも審査通過の可能性があるのが大きな魅力です。

✅ 書類提出が少ないケースも
業者によっては、決算書や確定申告書の提出を省略できることもあります。オンラインでのスコアリングやヒアリング中心の審査方式もあります。

✅ スピードが早い
柔軟かつ自社完結型の審査体制のため、即日審査・即日融資にも対応できるケースが多く見られます。

4. 独自審査の注意点・リスク

❌ 金利が高くなる傾向がある
リスクを取って貸すため、年利10~18%前後と高めの設定になることが多く、銀行系の低金利(年1~5%程度)と比べて負担が大きくなります。

❌ 融資金額が少なめ
高額の融資には向かず、数十万円~数百万円程度が中心です。大きな設備投資には不向きな場合もあります。

❌ 悪質業者に注意
「柔軟審査」「即日融資」をうたっている業者の中には、登録されていない貸金業者や違法金利を提示する業者もいます。金融庁の登録貸金業者かどうかを必ず確認しましょう。

5. 独自審査を通りやすくするポイント

以下のような対策を取ることで、独自審査での融資通過率を高めることが可能です:

・事業の将来性や成長戦略を明確に説明できる資料を用意

・赤字があっても、理由や改善策を言語化して提示

・売上の実績がある月のデータを提出

・法人口座の取引履歴を整えておく

6. まとめ

独自審査を採用しているビジネスローンは、銀行などで融資が受けられなかった事業者にとって、現実的かつ迅速な資金調達の選択肢です。審査が柔軟でスピード感があり、事業の可能性や人柄を評価してくれる点は大きな魅力です。

ただし、金利や返済条件には十分注意し、信頼できる業者かどうかを見極める必要があります。