ビジネスローンと銀行融資の違いとは?
2024年9月12日
経営者が事業を継続していくうえで、資金繰りが大切だということは言うまでもありません。
資金繰りを考えるときに、ビジネスローンや銀行融資に頼ることも多いでしょう。
ビジネスローンと銀行融資は同じようなものとして認識されているかもしれませんが、実際にはそうではありません。
本稿では、ビジネスローンと銀行融資の違いとは?について解説します。
ビジネスローンと銀行融資の違いとは?
・ビジネスローン:ビジネス(事業)に必要な資金の融資の総称した言葉です
・銀行融資:言葉の通り銀行が行う融資を指します
広義のビジネスローンのなかには、銀行等の金融機関が扱うものも含まれていますし、消費者金融等の事業者が取扱うもの、また公的機関が扱うものも含まれています。
また、広義の銀行融資のなかには、事業用の融資はもちろん、住宅ローンや教育ローンなどの生活用融資も含まれています。
しかし、ビジネスローンを事業用資金という文脈で考えるなら、次のように整理した方が理解しやすいかもしれません。
ビジネスローン 消費者金融が取扱う事業用ローン
「銀行が取扱う無担保で少額のローン」
「銀行融資 銀行が取扱う事業用ローン(上記以外)」
混乱しやすいのは、銀行が取扱う事業用ローンの中にも「ビジネスローン」という商品名のものがあることです。
銀行の「ビジネスローン」の多くは事業用のカードローンのような融資を指していますので、上記の分類上は銀行融資でもビジネスローンに近い性質と言えます。
ビジネスローンと銀行融資を比較
融資金額は銀行融資の方が多い
融資金額については圧倒的に銀行融資の方が多いと言えます。
多くのビジネスローンは上限額を500万円、あるいは1,000万円としていますが、銀行融資は1億円程度を上限としています。
必要とする金額によっては銀行融資でないと十分に賄えないかもしれませんので、まとまった資金を借入したい場合は銀行融資に頼ることになるでしょう。
金利は銀行融資の方が低い
金利は銀行融資の方が低くなることが一般的です。
少額の借り入れほど高金利になるということもありますが、同じ金額を借り入れる場合でも、ビジネスローンのほうが銀行融資よりも金利は高い傾向があります。
少しでも低い金利で資金調達したい方は、銀行融資を優先した方が良いでしょう。
審査時間は圧倒的にビジネスローンが早い
申込から借入までにかかる時間は、ビジネスローンの方が圧倒的に速いです。
とりわけ、銀行が取扱う「ビジネスローン」よりも、消費者金融が取扱うビジネスローンの方がその特徴は顕著です。
消費者金融系のビジネスローンは申込者の内容をスコアリングして審査の可否や借入可能金額をはじき出しますので、審査に必要な一定の条件さえ満たせばすぐに結果が出ます。
申込内容や必要書類に不備がなければ、最短即日で融資を受けられる可能性もありますので、急ぎでお金が必要な場合は消費者金融系ビジネスローンを選択しましょう。
審査の難易度はビジネスローンの方が低い
審査時間と同じく、審査の難易度もビジネスローンの方が有利です。
その分、金利が高く設定されているのですが、審査に自信のない方は銀行融資よりもビジネスローンの方が通る可能性は高いでしょう。
ビジネスローンは無担保&無保証人でOK
ビジネスローンは原則保証人も担保も必要ありません。
法人名義で利用する場合は代表者が連帯保証人になることが求められますが、第三者の保証人を用意しなければならないというわけではありませんのでご安心ください。
一方で、銀行融資が必ずしも担保や保証人を必要とするわけではありませんが、借入希望金額や融資の内容によってはそれらを求められるケースもあります。
保証人や担保が用意できない、したくないという方は、ビジネスローンの方がいいかもしれません。
返済のみか何度も利用するかで選択
銀行融資は最初に借り入れた金額を、返済期間中に返済していく仕組みです。
一方、ビジネスローンの場合は一括で借り入れる場合もありますが、借入の枠を与えられる場合もあります。
借入の枠を与えられる場合、返済が進んで枠に余裕ができるとその枠内であれば繰り返し借入や返済をすることができます。
一度枠を取っておけば、その範囲内の資金調達は容易になりますので非常に便利だと言えます。
複数回繰り返して借入したい、借入枠を確保しておきたい場合はビジネスローンの利用を検討してください。
早い返済か長く借り入れたいかを考える
ビジネスローンの返済は「残高スライド式リボリビング払い(=リボ払い)」となっていることが一般的です。
この返済方式の場合、借入額によって毎月の返済額が決められていますが、返済期間は最長10年程度になることが多いでしょう。
借入金額が少なくなれば、その分返済期間も短くなります。また、途中で借り増しした場合は期間が延びることもあります。
銀行融資も借入金額が返済期間に影響しますが、比較的多くの金額を返済することが多いです。しかし借入金額が大きく担保を要する場合などであれば、35年など長期の借入も可能です。
少額を素早く借りて素早く返すのがいいのが、じっくりと長い期間をかけて返すのがいいのか、事業計画や資金の用途などによってどちらが適しているのかを判断して利用してください。
まとめ
・ビジネスローンは主に消費者金融が取扱う事業性の融資を、銀行融資は銀行が取扱う事業性の融資を指す
・ビジネスローンは借入金額が少額で、審査が早くて緩く、金利が高い
・銀行融資は借入金額が大きく、審査は遅く厳しく、金利は低い
ビジネスローンか銀行融資かという分別にこだわる必要はありません。しかし、それぞれの特徴を押さえておくことで、自分に合った最適なローン商品に辿り着くための道しるべとすることができます。