ビジネスローンの上限金利とは?法律の規制と適正な利率の目安
2025年8月4日
中小企業や個人事業主にとって、事業資金を確保する手段として「ビジネスローン」は欠かせません。しかし、借入の際に気をつけたいポイントの一つが「金利(利息)」です。とくに「上限金利」が法律で定められていることを知らずに、高額な利息を払ってしまうケースも少なくありません。
本記事では、ビジネスローンの上限金利の仕組みや法律的な規制、実際の相場感について詳しく解説します。
1. ビジネスローンの金利とは?
ビジネスローンの金利は、貸し手が貸したお金に対して受け取る「利息」の割合を指します。金利が高いほど返済総額が増え、企業の資金繰りに影響を及ぼします。
金利は「年利(Annual Percentage Rate)」で表され、たとえば年10%なら、借入額の10%分の利息を1年間で支払う計算です。
2. ビジネスローンにおける上限金利の法律
ビジネスローンの金利は、以下の法律によって上限が設定されています。
利息制限法
・元本10万円未満:年20%まで
・元本10万円以上100万円未満:年18%まで
・元本100万円以上:年15%まで
利息制限法は、借入者を過剰な利息負担から守ることを目的としています。この上限を超えた利息は「無効」とされ、支払った分は返還請求が可能です。
ただし、利息制限法は主に「個人」の貸付を対象としています。
出資法(貸金業法)
出資法では、年利20%を超える利息を取ることを禁止しています。違反した貸し手には刑事罰が科されるため、実質的な上限金利は年20%です。
3. 法律の適用範囲と法人の例外
利息制限法は個人保護が目的で、法人が対象のビジネスローンには適用されないケースが多いです。
つまり法人が借りる場合、上記の利息制限法の上限を超えた金利契約も「有効」とされることがあります。
ただし、消費者金融や貸金業者が法人向けに提供するビジネスローンでも、貸金業法の対象となる場合があり、その際は上限金利が問題となるケースもあります。
4. ビジネスローンの実際の上限金利相場
・銀行系ビジネスローン:年1%〜5%程度(低金利)
・信用金庫や地方銀行のローン:年2%〜8%程度
・ノンバンクや消費者金融のビジネスローン:年8%〜18%程度
一部の高リスク向け商品では20%近い金利も見られますが、法律上はこれが上限となります。
5. 高金利のリスクと注意点
高い金利は返済負担を増大させ、経営悪化の原因になることもあります。
違法な金利を取る業者も一部存在するため、金融庁の登録業者かどうかを確認し、金利や手数料、契約内容を十分にチェックしましょう。
6. まとめ
・ビジネスローンの上限金利は法律で規制されている
・利息制限法は主に個人向けで、上限は15〜20%程度
・出資法で年20%超は刑事罰対象
・法人は例外的に高金利契約が有効となることもある
・実際のビジネスローン金利は1〜18%程度が相場
・違法金利には注意し、信頼できる業者から借りることが重要