歯科医院向け!?診療報酬ファクタリングのメリットや仕組み・注意点について解説
2024年9月13日
「診療報酬ファクタリングって借入にはならない?」
「病院を開業(増設)したばかりで資金繰りに困っており、診療報酬ファクタリングを検討している」
上記のように診療報酬ファクタリングに関して利用を検討していたり、診療報酬ファクタリングに関して疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。
今回は診療報酬ファクタリングの基本概要から利用時のメリットや注意点まで詳しく紹介します。
「診療報酬債権」の譲渡によって資金調達が行えるファクタリングサービス
手数料を抑えて取引ができるので医療機関の資金繰りが困っていても使える!
本記事を読めば、診療報酬ファクタリングがどんな資金調達法なのか知れ、利用すべきかの判断ができるでしょう。
後半では、おすすめ診療報酬ファクタリング業者や注意点についても触れているので、ぜひ最後までお読みください。
医療機関向け】診療報酬ファクタリングとは?
結論から言うと、診療報酬ファクタリングとは「診療報酬債権」の譲渡によって資金調達が行えるファクタリングサービスです。
・診療報酬ファクタリングの概要
・診療報酬ファクタリングの流れ
診療報酬ファクタリングを利用すれば、診療報酬の入金を迅速化できるので資金繰りのトラブルも解消できます。
まずは基本的な概要や利用する流れについて確認しましょう。
診療報酬ファクタリングの概要
診療報酬ファクタリングは、診療報酬債権を譲渡して現金を早期に受け取る方法で、医療報酬ファクタリングのひとつ。
【3種の医療報酬ファクタリング】
診療報酬ファクタリング 病院、クリニック、歯科医院向けファクタリング
介護報酬ファクタリング 介護施設、保険適用の医療介護サービス提供の事業者向けファクタリング
調剤報酬ファクタリング 調剤薬局事業者向けファクタリング
一般的に病院やクリニックなどの診療機関は、医療行為によって発生した診療報酬を診療報酬審査支払機関に請求します。
しかし、入金されるまでに数週間から数ヶ月かかってしまいます。
その点、医療報酬ファクタリングを使用すれば、スピーディーに資金調達が可能です。(※)
※(診療報酬ファクタリングにおける3社間とは、国保・社保を含めた医療機関とファクタリング会社を指します)
診療報酬ファクタリングは、資金調達の迅速化だけでなく、合計3つの魅力があります。
診療報酬ファクタリングの流れ
基本的な診療報酬ファクタリングを利用するまでの流れを紹介します。
・医療機関にて診療報酬が発生する
・医療機関がファクタリング会社に診療報酬債権の買取を依頼する
・診療報酬審査支払機関からファクタリング利用の承諾を受ける
・3社間ファクタリングが成立する
・ファクタリング会社から医療機関に、手数料を差し引いた診療報酬が支払われる
・診療報酬審査支払機関からファクタリング会社に診療報酬が支払われる
上記の流れで医療機関は最短1,2週間ほどで資金調達が叶い、診療報酬を受け取れるのです。
ただ診療報酬ファクタリングを利用するためには審査に通過する必要があり、一般的な審査内容は以下のとおりです。
・診療報酬の内容確認
・医療機関の信用調査
・診療報酬債権の妥当性確認
・契約内容の確認
・返済能力の評価
また診療報酬ファクタリングでは、審査を行うためにいくつかの書類を用意する必要があるので、事前に準備しておきましょう。(※)
※(診療医療ファクタリングの審査で必要な書類もファクタリング会社によって異なる)
・診療報酬請求書もしくは診療報酬の支払決定額通知
(医療機関コードの記載があるもの)
・診療報酬の支払が確認できる通帳コピー
(過去2ヵ月分)
診療報酬ファクタリングによっては、来社契約やオンライン完結など審査完了後の手順が異なります。
近くに訪問できるファクタリング会社があるかは、1度確認しておくことが大切です。
診療報酬審査支払機関とは
診療報酬審査支払機関は、大きく以下の2つに分けられます。
・社会保険診療報酬支払基金
・国民健康保険団体連合会
医療機関は、診療報酬の受給やファクタリング利用をするためには診療報酬審査支払機関について知る必要があります。
ここからは、それぞれの機関について確認しましょう。
社会保険診療報酬支払基金
社会保険診療報酬支払基金とは、国民健康保険団体を除く全ての保険者からの委託に基づき、診療報酬の審査や支払を行う機関のこと。
支払基金は、昭和23年9月に社会保険診療報酬支払基金法に基づいて設立された法人(平成15年10月1日から民間法人(注記))であって、保険医療機関から請求された医療費の「適正な審査」と「迅速適正な支払」を二大使命として業務を実施してきており、健康保険組合や共済組合などの保険者と病院や診療所などの医療機関を結ぶ全国規模の審査機関として、また、医療費の全国決済機関として、医療保険制度の円滑な運営に極めて重要な役割を担っています。
社会保険診療報酬支払基金の対象となる保険者は、以下のとおりです。
健康保険組合
全国健康保険協会
保険者は、社会保険診療報酬支払基金に対して保険料を納付し、その資金をもとに医療機関に対する診療報酬が支払われます。
国民健康保険団体連合会
一方で国民健康保険団体連合会は、国民健康保険に基づき、保険者である市町村や国保組合が共同して設立された機関です。
国民健康保険法第83条に基づき、東京都の保険者(区市町村・国民健康保険組合)が共同して目的を達成するため、東京都知事の認可を受け設立された団体で、その性格は公法人です。
国保事業の目的を達成するために必要な事業を行うことを目的としています。
国民健康保険団体連合会は、国民健康保険組合の保険料の徴収・集金、組合の運営支援などを行っています。
対象となる保険者は、日本の国民健康保険に加入している保険者です。
診療報酬ファクタリングのメリット
診療報酬ファクタリングを利用するメリットとして、以下の3つがあげられます。
・医療機関の資金繰りを改善できる
・手数料を抑えた資金調達が可能
・公的機関のため審査に通りやすい
診療ファクタリングのメリットを押さえることで、自分にとって本当に利用が適しているのか把握できます。
ここからは、具体的にそれぞれのメリットについて紹介します。
医療機関の資金繰りを改善できる
診療報酬ファクタリングを利用すれば、医療機関の資金繰りを改善できます。
なぜなら、短期間で診療報酬を現金化できるためです。
病院やクリニックによっては、高額な医療費の導入や設備投資によって大きな費用がかかってしまう状況も少なくないでしょう。
また多くの患者が訪れ診療を行ったとしても、診療報酬が支払われるのは診察日の約2ヶ月後程度です。
医療機関では比較的経費が大きいことや支払サイトが長いことが原因で、資金繰りに困ることも。
しかし診療報酬ファクタリングは、診療報酬を早期に資金化できるため、経営トラブルを解決できるのです。
手数料を抑えた資金調達が可能
診療報酬ファクタリングは、低い手数料で資金調達を行えます。
・診療報酬ファクタリング 0.3〜2%
・2社間ファクタリング 10〜30%
・3社間ファクタリング 1〜9%
一般的なファクタリングと比較して、診療ファクタリングの手数料が低い理由は2つあります。
・取引先が社保や国保のため倒産リスクが極めて低い
・3社間ファクタリングによる未回収リスクが低い
診療報酬ファクタリングでは取引先が社保や国保といった公的機関なので、倒産する可能性が極めて低いです。
またファクタリング会社と医療機関だけでなく、取引先もファクタリング契約の締結を行います。
上記の理由で、ファクタリング会社にとって倒産や未回収のリスクを抑えられます。
そのため診療報酬ファクタリングの手数料は低く、その分コストを抑えた資金調達を行うことができるのです。
公的機関のため審査に通りやすい
診療報酬ファクタリングは、取引先が社保や国保といった公的機関のため、審査に通りやすいです。
一般的にファクタリング利用における審査基準として、取引先の信頼性が確認されます。
例えば取引先が個人事業主だったり事業規模が小さい場合、信頼度が低いと考えられやすく審査に落ちる原因となります。
しかし診療報酬ファクタリングでは、公的機関が取引先なので、ファクタリング会社側も安心でき審査に通過しやすいのです。
審査通過率の高さだけでなく、手数料の低さからも医療機関にとって診療報酬ファクタリングはおすすめの資金調達法と言えます。
診療報酬ファクタリングを利用すべき医療機関の特徴
診療報酬ファクタリングを利用するべき医療機関の特徴は、3つあります。
・緊急で資金を必要としている医療機関
・医療機器の導入を検討している医療機関
・開業してまもない医療機関
特徴を押さえることで、診療報酬ファクタリングを利用する上での判断材料にしましょう。
ここからは、具体的にそれぞれの特徴について紹介します。
緊急で資金を必要としている医療機関
緊急で資金を必要としている医療機関にとって、診療報酬ファクタリングの利用がおすすめと言えます。
診療報酬ファクタリング会社によっては、最短5日程度で診療報酬を入金してくれます。
迅速に資金調達を行えるのでサービス次第では、大きな出費が発生するといった急なトラブルにも対応できるのです。
医療機器の導入を検討している医療機関
医療機器の導入を検討している医療機関にも、診療報酬ファクタリングは最適な資金調達法と言えます。
一般的に医療機器は数百万円〜数千万円するものも多く、簡単に購入できるわけではありません。
しかし故障によるトラブルや開業時期の問題によって、医療機器の購入が必要になるケースもあるでしょう。
診療報酬ファクタリングによっては、医療機器の導入が理由でも利用可能な資金調達法なので、積極的に活用することをおすすめします。
開業してまもない医療機関
開業してまもない病院やクリニックにも、診療報酬ファクタリングはおすすめです。
開業してすぐの病院やクリニックは、患者数や収益が安定するまでに時間がかかることがあります。
また開業したての医療機関は信用スコアが低いことが原因で、大きな融資を下ろせない可能性もあるでしょう。
ファクタリング会社の多くは、倒産による未回収リスクを抑えるため、利用者ではなく取引先の信頼性を基準としています。
基本的に診療報酬ファクタリングを利用する上で審査は行われますが、開業したての医療機関でも、安心して申し込むと良いでしょう。
診療ファクタリングの注意点
診療報酬ファクタリングは、資金繰りの問題によって途中で中止するのは難しいと言われています。
診療報酬ファクタリングは資金調達法の1つですが、診療報酬を先取りして受け取っているため、翌月の資金繰りに困る可能性があります。
翌月の資金繰りを再度、診療報酬ファクタリングの利用によって解消できたとしても、毎月同じ資金繰りトラブルが起きてしまうのです。
一度利用してしまうと、却って資金繰りが難しくなる可能性もあるので、申し込み前にファクタリング会社に相談するのもいいでしょう。
診療報酬ファクタリングは医療機関が資金繰りにこまったときにおすすめ
今回は診療報酬ファクタリングの基本的な概要やメリット、注意点などを紹介しました。
診療報酬ファクタリングとは、診療報酬債権をファクタリング会社に譲渡して現金を早期に受け取る方法であり、メリットは3つあります。
・医療機関の資金繰りを改善できる
・手数料を抑えた資金調達が可能
・公的機関のため審査に通りやすい
しかし一度利用すると、翌月以降の資金繰りに悩まれされるため辞めることが難しく、利用時には注意が必要です。
今回紹介したおすすめ診療報酬ファクタリングを参考に、自分に合ったサービスがあれば利用を検討するといいでしょう。