セールスアンドリースバックのメリットを理解して資金調達に活用する方法

2026年9月2日

企業経営では、事業を継続・成長させるために安定した資金繰りが欠かせません。しかし、設備投資や運転資金、事業拡大などでまとまった資金が必要になる場面では、銀行融資だけでは十分に対応できないこともあります。

そのような資金調達方法の一つとして注目されているのが「セールスアンドリースバック」です。保有している資産を売却しながら、そのままリース契約を結ぶことで継続利用できる仕組みであり、近年では法人だけでなく個人事業主にも利用されるケースが増えています。

本記事では、セールスアンドリースバックのメリットを中心に、仕組みやデメリット、利用が向いているケース、契約時の注意点まで詳しく解説します。

セールスアンドリースバックとは

セールスアンドリースバックとは、自社が保有している不動産や設備、車両、機械などの資産を売却し、その後リース契約を結ぶことで引き続き利用できる資金調達方法です。

通常であれば資産を売却すると利用できなくなりますが、セールスアンドリースバックでは売却後も賃借人として使用を継続できます。

そのため、事業に必要な設備や事務所などを手放すことなく現金を確保できる点が大きな特徴です。

銀行融資とは異なる資金調達方法として、多くの企業で活用されています。

セールスアンドリースバックのメリット

まとまった資金を調達しやすい

最大のメリットは、保有資産を活用してまとまった資金を確保できることです。

資産を担保に融資を受けるわけではなく、売却によって現金化するため、資金用途も比較的柔軟に考えられます。

調達した資金は運転資金だけでなく、設備投資や新規事業、人材採用など幅広い用途に活用できます。

資産を継続して利用できる

通常の売却では資産を失うことになりますが、セールスアンドリースバックではリース契約を結ぶため、これまでどおり利用できます。

工場設備や店舗、営業車など事業に欠かせない資産でも、業務を止めることなく資金調達できる点は大きなメリットです。

業務への影響を最小限に抑えながら資金繰りを改善できます。

銀行融資とは異なる資金調達ができる

銀行融資では返済能力や財務状況などが厳しく審査されます。

一方、セールスアンドリースバックでは資産価値が重視されるため、銀行融資とは異なる選択肢として検討できます。

資金調達手段を分散することで、経営の安定性向上にもつながります。

財務改善につながる場合がある

保有資産を売却することで貸借対照表の内容が変化し、資産効率の改善につながるケースがあります。

また、固定資産を現金へ換えることでキャッシュフローの改善も期待できます。

企業の財務戦略の一環として活用されることもあります。

セールスアンドリースバックが向いている企業

セールスアンドリースバックは、事業に必要な資産を保有している企業に適しています。

例えば、自社ビルや工場、店舗、医療機器、建設機械、営業車など、高額な資産を保有している企業では活用しやすい方法です。

また、急な資金需要が発生した場合や、新規事業への投資資金を確保したい企業にも向いています。

事業を継続しながら資金を確保したい企業にとって、有効な資金調達手段となるでしょう。

セールスアンドリースバックのデメリット

所有権は売却先へ移転する

セールスアンドリースバックでは資産を売却するため、所有権は購入した会社へ移ります。

利用は継続できますが、自社資産ではなくなる点は理解しておく必要があります。

契約終了後の取り扱いについても事前に確認しておくことが重要です。

リース料の支払いが発生する

売却後はリース契約となるため、毎月リース料を支払う必要があります。

資金調達だけに注目するのではなく、長期的な支払総額も考慮しながら契約を検討することが大切です。

売却価格が希望どおりにならない場合がある

売却価格は市場価値や資産の状態、需要などによって決定されます。

帳簿価格や希望価格どおりになるとは限らないため、事前に査定内容を十分確認することが重要です。

利用する際に確認したいポイント

セールスアンドリースバックを利用する際には、契約条件を十分に確認する必要があります。

リース期間やリース料、契約終了後の取り扱い、途中解約の可否などは会社ごとに異なります。

また、将来的に資産を再取得できる契約になっているかどうかも確認しておくと安心です。

複数の会社から見積もりを取得し、契約内容を比較しながら判断することが重要です。

セールスアンドリースバックと銀行融資の違い

銀行融資は借入によって資金を調達する方法ですが、セールスアンドリースバックは資産売却によって資金を確保する方法です。

そのため、審査基準や資金調達までの流れにも違いがあります。

銀行融資では企業の信用力や返済能力が重視されますが、セールスアンドリースバックでは資産価値が重要になります。

どちらが優れているというものではなく、自社の財務状況や資金用途に応じて適切な方法を選択することが大切です。

セールスアンドリースバックを活用する際のポイント

セールスアンドリースバックは、単なる資金調達ではなく、財務戦略の一つとして活用することが重要です。

保有資産を有効活用しながら資金繰りを改善できる一方で、長期的にはリース契約による費用負担も発生します。

そのため、短期的な資金不足だけで判断するのではなく、中長期的な経営計画を踏まえて利用を検討することが大切です。

信頼できる契約先を選び、契約内容を十分理解したうえで活用することで、安定した事業運営につなげることができるでしょう。

まとめ

セールスアンドリースバックは、保有資産を売却しながら引き続き利用できる資金調達方法です。まとまった資金を確保しやすく、事業を継続したままキャッシュフローを改善できる点が大きなメリットです。また、銀行融資とは異なる資金調達手段として活用できるため、財務戦略の選択肢を広げることにもつながります。

一方で、資産の所有権が売却先へ移転することや、リース料の支払いが継続する点には注意が必要です。契約内容やリース条件、売却価格などを十分確認し、自社にとって最適な条件で契約することが重要になります。

資金繰りの改善や事業拡大を目指す企業は、セールスアンドリースバックのメリットとデメリットを正しく理解したうえで、経営戦略の一つとして活用を検討するとよいでしょう。