ファクタリングと銀行融資のメリット・デメリットや返済義務について徹底解説!
2025年3月2日
多額の資金を準備しなければならないケースや、急いで資金調達する必要がある場合など、お金を増やしたい理由や目的は様々です。
そのためファクタリングと銀行融資のどちらを使うべきか迷ったときには、資金ニーズや目的に応じた方法を選ぶべきといえます。
そこで、ファクタリングと銀行融資の違いと、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
ファクタリングのメリット
ファクタリングで資金調達するメリットとして、次の5つが挙げられます。
・審査の難易度が低い
・スピーディな資金調達が可能
・赤字でも利用できる
・オフバランス化が可能
・未回収リスクを減らせる
それぞれのメリットを説明します。
審査の難易度が低い
ファクタリングは売掛金を買い取るサービスであるため、一般的な銀行融資と異なり、独自の審査で売掛先の信用力が判断されます。
審査のハードルは比較的低めであり、利用しやすいことがメリットです。
スピーディな資金調達が可能
ファクタリングによる資金調達は、最短即日現金化が可能になるなど、スピーディさがメリットです。
銀行融資の場合、申し込みから融資実行まで、多岐に渡る書類の準備や審査で月単位の時間がかかります。
結果的に審査に落ち、資金調達に至らないケースもあるため、銀行融資に依存し過ぎることは危険といえます。
しかしファクタリングは、売掛先の信用力を重視した審査であるため、2社間ファクタリングなら最短即日で資金を調達ができます。
赤字でも利用できる
ファクタリングは、利用者が赤字経営でも利用できることがメリットです。
銀行融資では利用者の返済能力が重視されるため、赤字決算の場合や税金滞納などがあれば通りません。
しかしファクタリングでは、審査で売掛先の信用力を重視するため、利用者が赤字決算や債務超過などであっても申し込みできます。
オフバランス化が可能
ファクタリングは、オフバランス化にも役立ちます。
オフバランス化とは、貸借対照表から資産や負債を減少させることです。
ファクタリングで売掛金を現金化した後、その資金を借入金返済に充てれば、負債も減少します。
銀行の会社評価では、少ない資産で大きな利益を上げていると有利になるため、オフバランス化により格付けを向上させられます。
未回収リスクを減らせる
ファクタリングで、ファクタリング会社に売掛金を譲渡すれば、債権の未回収リスクを減らせます。
ファクタリング会社に売掛金を譲渡すると同時に、売掛債権の未回収リスクも移転されます。
そのため売掛先倒産などで、売掛金が貸し倒れになることを防げます。
ファクタリング利用後に売掛先が倒産し、売掛金が回収不能になった場合も、利用者がその責任を負うことはありません。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングには、メリットもあれば次のようなデメリットもあります。
・売買手数料がかかる
・資金調達額が限られる
・取引先に知られるリスクがある
・計画的な利用が必要
それぞれのデメリットを解説します。
売買手数料がかかる
ファクタリングを利用するときには売買手数料がかかります。
特に2社間ファクタリングは、相場が10~20%と高めであり、3社間ファクタリングの1~9%よりも割高です。
資金調達額が限られる
ファクタリングの資金調達額は、ファクタリング会社に売却する売掛債権額面額にとどまります。
売掛債権額面よりも多く資金を調達することはできないため、多額の資金を必要とする場合は、金額の大きい売掛金を保有していることが必要です。
取引先に知られるリスクがある
ファクタリングを利用することによって、取引先に知られる恐れがあります。
2社間ファクタリングなら、売掛先を関与させずに契約ができるものの、債権譲渡登記を必要とする場合には知られる可能性は否定できません。
3社間ファクタリングでは、売掛先に対する通知や承諾が必須となるため、利用を知られることは避けられないといえます。
また、資金繰り悪化への懸念や、協力による手続の面倒さで、売掛先との関係が悪化してしまう恐れもあります。
計画的な利用が必要
ファクタリングは、計画的な利用が必要です。
手数料が高めであるため、長期利用すると資金繰りが悪化します。
いつからいつまでファクタリングを利用するのか、事前に計画を立てた上で利用しましょう。
銀行融資のメリット
銀行融資のメリットとして、次の3つが挙げられます。
・低金利で借入れできる
・多額の資金を調達できる
・実績を作ることができる
それぞれのメリットについて説明します。
低金利で借入れできる
銀行融資のメリットとして、低金利で借入れできることが挙げられます。
消費者金融からお金を借りると、金利は15%前後など高めに設定されるため、返済負担が大きく資金繰りを悪化させます。
しかし銀行融資は2~9%前後であり、低金利での利用が可能です。
多額の資金を調達できる
銀行融資のメリットとして、多額の資金を調達できることが挙げられます。
多額の資金を調達できれば、日々の資金繰りに頭を悩ます必要はなくなります。
現金が手元にないビジネスだとしても、安心して仕事に専念しやすくなるでしょう。
実績を作ることができる
銀行融資のメリットとして、実績を作れることが挙げられます。
融資の取引実績は、審査で重要な要素です。
過去に取引がなければ、会社そのものの実態の確認ができません。
資金を貸し付けた後、遅れず期日通りに返してくれるのか判断しにくくなります。
そのため新規申し込みで審査に通った場合でも、契約条件は厳しくなることがほとんどです。
ただ、継続して銀行融資を利用し、金融機関と取引実績を作れば、今後の追加融資などは受けやすくなります。
安定経営で信用力を高められれば、低金利など好条件で融資を受けられます。
銀行融資のデメリット
メリットがある一方で、銀行融資で資金調達するデメリットは次の4つが挙げられます。
・資金調達まで時間がかかる
・審査が厳しい
・返済義務を負う
・信用情報に影響する
それぞれのデメリットを説明します。
資金調達まで時間がかかる
銀行融資で資金調達するデメリットとして、資金調達まで時間がかかることが挙げられます。
融資が実行されるまでにかかる期間はおおよそ1〜2か月程度であるため、すぐにお金が必要なケースには適していません。
資金が必要なタイミングに合わせて、できるだけ早めに申し込みをすることが必要です。
審査が厳しい
銀行融資で資金調達するデメリットとして、審査が厳しいことが挙げられます。
融資では、事業計画・資金使途・経営状況などを大変細かく確認します。
中小企業は大企業よりも信用力が劣るため、不動産など担保の差し入れや人的保証がなければ、審査に通りにくくなってしまいます。
返済義務を負う
銀行融資で資金調達するデメリットとして、返済義務を負うことになることが挙げられます。
お金を借りて資金を調達すれば、返済する義務を負うことは当然のことです。
毎月一定額返済することになれば、負担になることは確かであり、返済に追われ経営が圧迫される恐れも否定できません。
銀行融資で資金調達するときには、返済能力を正確に把握した上で、計画的な利用が求められます。
もしも返済が難しくなった場合は、リスケジュールなど返済条件を変更する方法を検討しましょう。
信用情報に影響する
銀行融資で資金調達するデメリットとして、信用情報に影響することが挙げられます。
銀行など金融機関では、企業に対して信用情報の格付けを行っています。
格付けは、以下の6つに分かれます。
・正常先
・要注意先
・要管理先
・破綻懸念先
・実質破綻先
・破綻先
金融機関から融資を受けたいときには。正常先であることが必要です。
借入金の返済が問題なく行われていれば、格付けが下がることも信用情報が傷つくこともありません。
お金を借りた後で返済を滞納すれば、信用情報に傷がつき、銀行からの格付けも「要注意先」以下に下がります。
「要注意先」以下では銀行融資を受けられなくなるため、借入金などの返済は滞納しないでください。
ファクタリングと銀行融資の違い
ファクタリングと銀行融資の違いは主に次の6つです。
・性質の違い
・審査で重視する項目の違い
・調達できる金額の違い
・調達までのはやさの違い
・調達コストの違い
・会計上の分類の違い
それぞれの違いを説明します。
性質の違い
銀行融資は「借入れ」であり、借金が増えます。
ファクタリングは売掛債権の「売買」による資金調達であり、借金を増やしません。
審査で重視する項目の違い
銀行融資では「利用者」の信用力が重視されますが、ファクタリングでは「売掛先」の信用力が重視されます。
調達できる金額の違い
銀行融資は所有する資産を超えた資金調達が可能になる一方で、ファクタリングでは売掛債権額の調達額に留まります。
調達までのはやさの違い
銀行融資では1か月など資金調達まで時間がかかりますが、ファクタリングでは早ければ即日などスピーディな資金調達が可能です。
調達コストの違い
一般的な銀行融資は金利が低く設定されるため、コストを抑えた資金調達が可能であるため、長期返済などの計画も立てやすいといえます。
しかしファクタリングはファクタリング会社に支払う手数料が高めであるため、長期利用すれば資金繰りが悪化するリスクを高めます。
会計上の分類の違い
銀行融資は会計上、借入金という「負債」を増加させ現金を増やします。
ファクタリングは売掛金という「資産」を減少させて現金を増やすため、決算書を汚さず資金調達が可能です。
まとめ
ファクタリングと銀行融資は、どちらも資金を調達するための方法です。
どちらを選ぶか決めかねているときには、資金を調達する金額やタイミング、目的などに合った方法か慎重に判断するようにしてください。
ファクタリングは借金を増やすことなく、保有する売掛金という資産の範囲で資金を調達できます。
そのためうまく活用すれば、財務状況を悪化させず資金繰りを改善させられます。
ただし売買手数料は高めであるため、長期にファクタリングを利用してしまうと、資金繰りを悪化させる要因になります。
ファクタリングで資金調達するときには、必ず計画を事前に立てた上で利用しましょう。