売掛保証とファクタリングの違いについて詳しく解説!

2025年1月15日

この記事では、売掛保証についてその仕組みやファクタリングとの違いについて解説していきます。

売掛保証とは、取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなったとき、保証会社が代わりに代金を支払ってくれるサービスです。

売掛金が未回収となるリスクを回避できるサービスであり、キャッシュフローの安定化にもつなげることができるのが売掛保証の特徴といえます。

商取引を安心して続けたい事業者向けのサービスといえる売掛保証ですが、利用においては保証を受ける上での手数料が発生することや、手続に手間がかかるといった点に注意が必要です。

また、売掛金の未回収リスクを回避する方法は、売掛保証だけではなく一般的なファクタリングでも可能といえますが、仕組みなど違いを理解した上での選択が重要といえます。

売掛保証とは

「売掛保証」とは、回収できなくなった売掛金の保証を行うサービスです。

取引先が倒産したために売掛金が入金されず、回収できる見込みがなくなった場合に、保証会社が代わって代金を支払います。

「保証型ファクタリング」と呼ばれることもあるサービスであり、一定の手数料を支払った保証を受けます。

企業間取引では請求書が発行された後、期日に代金が支払われる「掛け」による信用取引が一般的です。

しかしこの後払いによる取引では、商品やサービスを納品後にすぐ代金を受け取らず、一旦は売掛金を発生させ後日回収します。

期日通りに代金が支払われればよいものの、実際には取引先の資金繰り悪化や倒産などで未回収になるケースもありますが、少ない取引先に依存している事業者などは1社が未回収になっただけでも死活問題となり得ます。

このような場合に、売掛保証を利用しておけば、売掛金が未回収となるリスクを回避できるといえるでしょう。

売掛保証について、以下の3つを詳しく説明していきます。

・仕組み
・ファクタリングとの違い
・請求代行との違い

仕組み

売掛保証は、法人と屋号のある個人事業主の保有する売掛債権を、以下の事態により回収できなくなったとき保証する仕組みです。
反対に保証されないのは、以下の債権です。

保証開始日より前に発生している取引の債権
既に遅延している債権
合意を得ていないなどトラブルにより未入金となった債権
一般消費者との取引による債権
取引額が大きい場合、売掛金の回収不能で業績やキャッシュフローが急激に悪化してしまう恐れがあります。

この場合、売掛保証を利用することで、未回収リスクを大幅に軽減できることはメリットといえるでしょう。

ファクタリングとの違い

売掛保証は、別名「保証型ファクタリング」と呼ばれるため、別のサービスとは言い切れません。

ただし一般的な事業者向けの「買取型ファクタリング」とは、サービス内容が大きく異なります。

「買取型ファクタリング」とは、期日が到来していない売掛金をファクタリング会社に売却することで、現金化できる金融サービスです。

そのため売掛債権をファクタリング会社へ譲渡する必要があります。

それに対し売掛保証は、売掛債権を保有したまま、未回収になったときに保証会社から保証金を受け取る仕組みです。

さらに売掛保証の保証金は、取引先の倒産や入金遅延など一定事由が発生したときに受け取りができるため、資金調達目的では活用できません。

しかし買取型ファクタリングなら、最短即日入金などすぐに手元のお金を増やさなければならない状況にも対応できるなど、資金調達目的での活用が可能です。

請求代行との違い

売掛保証は、一定の事由が発生した場合に未回収となった売掛金を保証します。

これに対し「請求代行」とは、与信管理・審査・請求書発行・請求書送付・入金確認・消込・遅延催促などの請求業務を代行するサービスです。

経理業務を外注で委託するサービスのため、売掛保証とは趣旨が異なります。

なお、請求代行を利用する場合、与信管理や審査なども業務として含まれるため、売掛保証も組み込まれている場合があるようです。

売掛保証の選び方

売掛保証を利用するときには、以下の3つを確認した上で選択しましょう。

・サービス内容
・料金体系
・保証体制
それぞれ説明します。

サービス内容

売掛保証を選ぶきには、保証や範囲などサービス内容を確認しましょう。

入金遅延も保証対象とする保証会社もあれば、倒産に至った場合だけ保証される会社もあるため、保証範囲や金額などニーズに合うサービスを選ぶことが必要です。

手厚い保証であればより安心ですが、その分、手数料などコストは高くなることは理解しておきましょう。

なお、取引金額が少額でありながら、保証金額無制限プランなど選択すると、コストが増えすぎてしまう可能性もあります。

反対に取引額よりも保証が少ないプランを選べば、費用対効果を得ることができない恐れもあるため、保証内容は必ず確認しておくべきです。

料金体系

売掛保証を選ぶきには、料金体系を確認しておきましょう。

たとえば月額制なのか、それとも保証金額に応じて請求額の何割かを支払うのか、またはその両方を組み合わせて支払うのかなど種類があります。

保証対象の売掛債権の総額にも上限が設けられている場合や、登録可能とする取引先数など、保証会社やサービスによって変わります。

ニーズや予算、取引状況に合わせて選ぶべきサービスを見極めることが必要です。

保証体制

売掛保証を選ぶきには、保証体制も確認しましょう。

そもそも保証を依頼する保証会社は信頼できる会社なのか、その運営体制や、保証会社が倒産してしまったときの保証なども確認したほうがよいといえます。

単独で保証を行う保証会社よりは、金融機関や他の保証会社と連携するなど、外部からのバックアップを得ている保証会社のほうが保証体制は手厚く安全と考えられます。

まとめ

売掛保証とは、信用取引により発生した売掛金の未回収リスクを回避できるサービスで、取引先の与信調査を行った上で売掛金が保証されます。

売掛金が入金されるよりも前に取引先が倒産してしまい、回収できなくなったときに保証金が支払われるため、万一の事態に備えることに役立つといえるでしょう。

また、専門的なスキルが求められる与信管理を、外部に委託するといった活用法も可能です。

売掛保証は保証型ファクタリングとも呼ばれることがありますが、事業者向けの一般的な買取型ファクタリングのように、資金調達を目的に利用するサービスではありません。

もしも資金繰り改善や資金調達を目的にファクタリングを活用したいなら、保証型ではなく売掛債権をファクタリング会社に譲渡して現金化する買取型ファクタリングを活用しましょう。