ファクタリング手数料の会計処理の仕方を分かりやすく解説!
2025年2月12日
ファクタリングには、売上債権を買い取ってもらう「買取型」と貸倒れに備えて保険をかける「保証型」があり、それぞれ仕訳方法が異なります。
ファクタリングを利用するにあたっては、それぞれの仕訳方法や勘定科目を理解しておくことが必要です。
本記事では、ファクタリングの勘定科目や仕訳例を紹介します。記事の後半では、ファクタリングを仕訳する際のポイント・注意点も解説しているので、ぜひあわせてご確認ください。
ファクタリングとは
ファクタリングには、「買取型ファクタリング」「保証型ファクタリング」の大きく2種類があります。
買取型ファクタリング
買取型ファクタリングは、売上債権(商品やサービスを販売したときの代金を請求できる権利)を売却して資金を調達できるサービスです。
買取型ファクタリングを利用することで、売掛金(あとから受け取る代金)から手数料を引いた金額の受け取りが可能です。売掛金を早期に現金化できます。
保証型ファクタリング
保証型ファクタリングは、売上債権の貸倒れに備えて保険がかけられるサービスです。
取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなったときに、ファクタリング会社から保証金額が受け取れます。
ファクタリングに用いる勘定科目
取引先に商品やサービスを販売して売掛金が発生した際には、「売掛金」の勘定科目で仕訳をします。
さらに買取型ファクタリングでは、ファクタリング契約を締結したときと、ファクタリング会社からの入金があったときにそれぞれ仕訳をします。
・ファクタリング契約締結時 「未収入金」として仕訳
・ファクタリング会社からの入金時 入金された金額を「普通預金」、手数料を「売上債権売却損」として仕訳
一方、保証型ファクタリングでは、取引先から売掛金が無事に入金された場合、売掛金が回収不能になった場合のそれぞれで以下の仕訳をします。
・売掛金が入金された場合 手数料を「支払手数料」として仕訳
・売掛金が回収不能になった場合 貸し倒れの分を「貸倒損失」、保証金を「雑収入」として仕訳
勘定科目について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
売掛金
商品やサービスを販売して、あとから受け取る権利がある代金(売掛金)が発生した際には、「売掛金」の勘定科目で仕訳します。
買取型ファクタリング・保証型ファクタリングのどちらを利用する場合も、取引先との間で売掛金が発生した際に、売掛金の仕訳を行います。
未収入金
買取型ファクタリングで、ファクタリング会社と契約を締結した際には、借方を「未収入金」、貸方を「売掛金」として仕訳します。
通常の取引で生じた未収の代金を処理する際には「売掛金」が用いられますが、それ以外の未収の代金を処理する際には「未収入金」が用いられます。
支払手数料
保証型ファクタリングで、取引先から売掛金が問題なく入金された場合には、ファクタリング会社へ支払う手数料を「支払手数料」として仕訳します。
売上債権売却損
買取型ファクタリングで、ファクタリング会社からの入金があった際には、入金された金額を「普通預金」、手数料を「売上債権売却損」として処理します。
売上債権売却損は、売上債権を売却する際に発生した損失を処理する勘定科目です。
貸倒損失
売上債権が回収不能になった場合の、貸し倒れの損失額は「貸倒損失」として仕訳します。
貸倒損失は、取引先の倒産などの理由で売上債権・貸付金・未収入金・立替金などが回収できないときに使う勘定科目です。
雑収入
売上債権が回収不能になった場合の、ファクタリング会社からの保証金は「雑収入」として仕訳します。雑収入は、本業以外の収入で金額が小さいものを処理するときに用いる勘定科目です。
【事例で解説】ファクタリングの仕訳例
買取型ファクタリング、保証型ファクタリングの具体的な仕訳例を見ていきましょう。
買取型ファクタリングの場合
取引先に商品やサービスを販売して売掛金120万円が発生した際には、以下のように仕訳します。
・借方 【売掛金】 1,200,000円
・貸方 【売上】 1,200,000円
ファクタリング契約を締結した際には、以下のように仕訳します。
・借方 【未収入金】 1,200,000円
・貸方 【売掛金】 1,200,000円
ファクタリング会社からの入金があった際には、以下のように仕訳します。ファクタリングの手数料は12万円としています。
・借方 【普通預金】 1,080,000円 【上債権売却損】 120,000円
・貸方 【未収入金】 1,200,000円
保証型ファクタリングの場合
取引先に商品やサービスを販売して売掛金120万円が発生した際には、以下のように仕訳します。
・借方 【売掛金】 1,200,000円
・貸方 【売上】 1,200,000円
取引先から売掛金が入金され、手数料のみ支払うことになった場合には、以下のように仕訳します。手数料は12,000円としています。
・借方 【支払手数料】 12,000円
・貸方 【普通預金】 12,000円
一方、120万円の売上債権が回収不能になった場合には、貸倒れの分とファクタリング会社から支払いについて、以下のように仕訳します。
借方 【貸倒損失】 1,200,000円 【普通預金】1,200,000円
貸方 【売上債権】 1,200,000円 【雑収入】 1,200,000円
ファクタリングを仕訳する際のポイント・注意点
ファクタリングを仕訳する際のポイント・注意点を以下で見ていきましょう。
ファクタリングに消費税はかからないことを認識しておく
ファクタリングは非課税取引に該当するため消費税はかかりません。消費税を不当に上乗せしてくる業者に騙されることにないように注意しましょう。
手数料は売上債権売却損で仕訳する
買取型ファクタリングの手数料は、基本的には「売上債権売却損」の勘定科目で計上します。
ただし、「売上債権売却損」が選べない会計ソフトウェアもあり、その場合は「雑損失」「支払手数料」「割引料」などで計上します。
ファクタリングを禁止する条項が契約書にないか確認する
特に買取型ファクタリングでは、取引先との契約書に債権譲渡を禁止する条項が含まれていないかを確認しておきましょう。
禁止条項がある場合、ファクタリングはできません。
また、売掛金をファクタリング会社へ支払うことを求める3社間ファクタリングの場合、事前に取引先に債権を譲渡することへ同意を得る必要があります。
この点についてもあわせて理解しておきましょう。
まとめ
ファクタリングには、売上債権を買い取ってもらう「買取型ファクタリング」、貸倒れに備えて保険をかける「保証型ファクタリング」があり、それぞれ仕訳方法が異なります。
買取型ファクタリングでは、契約締結時に「未収入金」、手数料の支払い時に「売上債権売却損」で仕訳をします。
保証型ファクタリングでは、取引先から入金があった場合は手数料を「支払手数料」、貸し倒れの場合は「貸倒損失」と「雑収入」で仕訳します。
ぜひファクタリングの勘定科目や仕訳方法を理解して、適切に仕分をしましょう。