リコースファクタリングとノンリコースファクタリングを比較!違いやメリット・注意点を詳しく解説
2026年10月1日
ファクタリングを利用して資金調達を検討していると、「リコースファクタリングとノンリコースファクタリングは何が違うのか」「どちらを選べばよいのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
ファクタリングには、売掛先から売掛金が支払われなかった場合に、利用企業がその損失を負担する契約と、原則としてファクタリング会社が損失を負担する契約があります。
この違いを理解するうえで重要になるのが「リコース」と「ノンリコース」という考え方です。
リコースとは、売掛先の倒産などによって売掛金を回収できなくなった場合に、ファクタリング会社が利用企業へ支払いを求めることができる契約を指します。
一方、ノンリコースとは、一定の条件のもとで売掛先から売掛金を回収できなくなった場合でも、利用企業がその支払いを負担しない契約です。
ただし、日本国内で一般的に提供されているファクタリングでは、契約内容や償還請求権の有無を確認することが重要であり、単純に名称だけで判断することはできません。
この記事では、リコースファクタリングとノンリコースファクタリングを比較しながら、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリット、費用、利用時に確認すべきポイントについて詳しく解説します。
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングの違いを簡単に比較
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングの最も大きな違いは、売掛先から売掛金を回収できなくなった場合に、誰がその損失を負担するのかという点です。
リコースファクタリングでは、売掛先が倒産するなどして売掛金の回収ができなくなった場合、契約内容によってはファクタリング会社が利用企業へ支払いを請求できます。
一方、ノンリコースファクタリングでは、ファクタリング会社が売掛債権を買い取った後に売掛先が倒産するなどして回収できなくなっても、原則として利用企業に支払いを求めません。
そのため、利用企業から見ると、ノンリコースのほうが売掛先の倒産リスクなどを移転しやすいという特徴があります。
リコースファクタリングとは
リコースファクタリングとは、売掛先から売掛金を回収できなくなった場合に、利用企業がファクタリング会社から一定の請求を受ける可能性がある契約形態です。
リコースには「償還請求権」という意味があります。
例えば、企業Aが企業Bに対して1,000万円の売掛金を持っており、その売掛債権をファクタリング会社へ譲渡したとします。
その後、企業Bが倒産して1,000万円を支払えなくなった場合、リコース契約であれば、契約内容に基づいてファクタリング会社から企業Aへ支払いを求められる可能性があります。
つまり、売掛先の信用リスクを利用企業が一定程度負担する仕組みです。
リコースファクタリングの特徴
リコースファクタリングでは、ファクタリング会社が売掛債権を買い取るものの、売掛先の信用リスクを完全に引き受けるわけではありません。
そのため、ノンリコースと比較すると、ファクタリング会社側のリスクが低くなる場合があります。
契約条件によっては、ノンリコースよりも低いコストで利用できる可能性があります。
ただし、具体的な手数料や契約条件はファクタリング会社や売掛先の信用力、売掛金の内容などによって異なります。
ノンリコースファクタリングとは
ノンリコースファクタリングとは、償還請求権がないファクタリングを指します。
ファクタリング会社が売掛債権を買い取った後、売掛先が倒産するなどして売掛金を回収できなくなったとしても、契約上、利用企業にその損失を請求しない形が基本となります。
例えば、1,000万円の売掛債権をファクタリング会社へ譲渡した後、売掛先が倒産して売掛金を回収できなくなった場合でも、ノンリコース契約であれば、原則として利用企業が1,000万円をファクタリング会社へ返還する必要はありません。
このように、売掛先の信用リスクをファクタリング会社側へ移転できることがノンリコースの大きな特徴です。
ノンリコースファクタリングの特徴
ノンリコースファクタリングでは、売掛債権の回収不能リスクをファクタリング会社が負担します。
そのため、利用企業は売掛先の倒産などによる資金回収リスクを抑えやすくなります。
一方で、ファクタリング会社が負担するリスクが大きくなるため、その分手数料が高く設定される場合があります。
ただし、実際の手数料は契約内容や売掛先の信用力などによって決まるため、ノンリコースだから必ず高額になるとは限りません。
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングを比較
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングの違いを比較する際には、主に「償還請求権の有無」「売掛先の倒産リスク」「手数料」「利用企業の負担」の4点を見ると分かりやすくなります。
リコースの場合、売掛先からの回収ができなくなった際に利用企業が負担する可能性があります。
一方、ノンリコースの場合は、契約上の条件を満たす限り、利用企業が回収不能分を負担しない形になります。
また、リコースではファクタリング会社が負担するリスクが小さくなるため、条件によっては比較的低い手数料で利用できる可能性があります。
ノンリコースではファクタリング会社が信用リスクを負担するため、その分のコストが手数料へ反映されることがあります。
ただし、ファクタリング会社によって契約条件は大きく異なるため、名称だけで判断せず、契約書の内容を確認することが重要です。
リコースファクタリングのメリット
リコースファクタリングには、利用企業にとっていくつかのメリットがあります。
比較的低い手数料になる可能性がある
リコースファクタリングでは、売掛先の信用リスクを利用企業側が一定程度負担するため、ファクタリング会社のリスクが小さくなる場合があります。
その結果、ノンリコースと比較して低い手数料で利用できる可能性があります。
ただし、手数料は売掛先の信用力や売掛金の金額、支払期日などによって変動するため、実際の条件は見積もりを取得して確認する必要があります。
資金調達コストを抑えられる可能性がある
ファクタリングでは、手数料が資金調達コストになります。
そのため、手数料が低ければ、売掛金を現金化する際に差し引かれる金額も少なくなります。
資金調達コストをできるだけ抑えたい企業にとっては、リコース型が選択肢になる場合があります。
リコースファクタリングのデメリット
リコースファクタリングを利用する場合には、売掛先の信用リスクに注意が必要です。
売掛先の倒産リスクを負う可能性がある
売掛先が倒産して売掛金を回収できなくなった場合、契約内容によっては利用企業がファクタリング会社へ支払いを行う必要があります。
せっかく売掛金を資金化しても、売掛先の倒産によって追加の資金負担が発生する可能性があるため、契約前に確認しておくことが重要です。
想定外の資金負担が発生する可能性がある
リコース契約では、売掛先の支払い状況によって追加の負担が発生する可能性があります。
特に売掛先の経営状況に不安がある場合には、契約条件を慎重に確認する必要があります。
ノンリコースファクタリングのメリット
ノンリコースファクタリングの大きなメリットは、売掛先の信用リスクをファクタリング会社へ移転できる点です。
売掛先の倒産リスクを抑えられる
ノンリコース契約であれば、売掛債権を譲渡した後に売掛先が倒産し、回収不能となった場合でも、原則として利用企業がその損失を負担する必要はありません。
そのため、売掛先の倒産によって資金繰りが急激に悪化するリスクを抑えやすくなります。
資金繰りを安定させやすい
売掛金を早期に現金化できるだけでなく、売掛先の信用リスクも一定程度移転できるため、資金繰りの安定化につながる可能性があります。
特に、一つの取引先に対する売掛金の割合が大きい企業では、売掛先の倒産による影響を抑える方法として検討できる場合があります。
ノンリコースファクタリングのデメリット
ノンリコースファクタリングにも注意点があります。
手数料が高くなる可能性がある
ファクタリング会社が売掛先の倒産リスクを負担するため、リコース型と比較すると手数料が高くなる可能性があります。
ただし、実際の手数料はファクタリング会社や売掛先の信用力などによって異なります。
複数のファクタリング会社から見積もりを取得して比較することが重要です。
すべてのリスクがなくなるわけではない
ノンリコースだからといって、どのような場合でも利用企業に責任が発生しないとは限りません。
例えば、売掛債権そのものが存在しなかった場合や、架空の請求書を利用していた場合など、利用企業側に原因があるケースでは別の責任が発生する可能性があります。
契約書に記載されている免責条件や利用企業の責任について、事前に確認することが重要です。
ファクタリングではノンリコースが一般的なのか
ファクタリングについて調べる際には、「ファクタリングはノンリコースが一般的なのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
日本国内で一般的なファクタリングは、売掛債権の売買を前提としており、償還請求権のない契約として提供されるケースがあります。
一方、償還請求権がある契約については、契約内容によってはファクタリングというより融資に該当する可能性があります。
そのため、「リコースかノンリコースか」という言葉だけで判断するのではなく、実際の契約内容や取引の法的性質を確認することが大切です。
特に「売掛先が支払えなかった場合に利用企業が買戻しを行う」といった条項がある場合には、どのような条件で利用企業に負担が発生するのかを確認しましょう。
リコースとノンリコースを比較するときのポイント
ファクタリング会社を比較するときは、単純に手数料が安いかどうかだけで判断するのはおすすめできません。
重要なのは、どのようなリスクを誰が負担する契約なのかを確認することです。
償還請求権の有無を確認する
まず確認したいのが、償還請求権の有無です。
売掛先が倒産した場合や支払いを拒否した場合などに、利用企業へ支払いを請求できる契約なのか確認しましょう。
「ノンリコース」と表示されていても、契約書には例外的に利用企業が負担する条件が記載されている可能性があります。
買戻し条項を確認する
売掛債権の買戻しに関する条項が設定されていないか確認することも重要です。
ファクタリング会社が買い取った売掛債権について、特定の条件が発生した場合に利用企業が買い戻す契約になっていないか確認しましょう。
手数料だけで判断しない
手数料の安さだけを基準にすると、契約上のリスクを見落とす可能性があります。
例えば、手数料が低くても売掛先の倒産時に利用企業が大きな負担を負う契約であれば、結果的に資金調達のリスクが高くなる可能性があります。
手数料とリスクの両方を比較することが重要です。
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングはどちらがおすすめなのか
どちらが適しているかは、企業の状況によって異なります。
資金調達コストをできるだけ抑えたい場合には、リコース型が選択肢になる可能性があります。
一方、売掛先の倒産リスクをできるだけ抑えたい場合には、ノンリコース型を検討するメリットがあります。
特に、売掛先の経営状況に不安がある場合や、一つの売掛先への依存度が高い場合には、信用リスクを移転できるノンリコース型の重要性が高くなるでしょう。
ただし、実際の契約条件はファクタリング会社によって異なるため、具体的な条件を比較したうえで判断する必要があります。
ファクタリングの契約前に確認したい項目
ファクタリングを利用する際には、契約書をよく確認しましょう。
特に確認したいのは、手数料、買取金額、入金日、売掛債権の対象、償還請求権、買戻し条項などです。
また、契約後に売掛先が倒産した場合や支払いが遅れた場合に、利用企業へどのような負担が発生するのかも確認しておく必要があります。
「手数料が安い」「最短即日で入金できる」といった広告だけで判断するのではなく、契約内容を総合的に確認することが大切です。
ファクタリング会社を比較するときの注意点
複数のファクタリング会社を比較する場合は、同じ条件で見積もりを取得することをおすすめします。
例えば、同じ売掛債権について複数社へ相談し、手数料や入金予定日、契約条件などを比較します。
ただし、同一の売掛債権を複数の会社へ譲渡することはできません。
複数社へ相談する場合には、あくまで見積もりや条件の比較にとどめ、契約する債権を明確に管理しましょう。
また、契約内容に不明点がある場合は、専門家へ相談することも検討しましょう。
リコースとノンリコースの違いを理解してファクタリングを活用しよう
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングを比較する際には、単純に「手数料が安いほうが良い」と考えるのではなく、売掛先の信用リスクを誰が負担するのかを確認することが重要です。
リコースでは、売掛先の倒産などによって回収不能となった場合に、利用企業が負担する可能性があります。
一方、ノンリコースでは、契約上の条件を満たす限り、売掛先の倒産などによる回収不能リスクをファクタリング会社が負担します。
そのため、資金調達コストを抑えたい企業と、売掛先の信用リスクをできるだけ抑えたい企業では、適した契約が異なる可能性があります。
また、実際のファクタリング契約では、名称だけでは判断できない細かな条件が設定されている場合があります。
契約書を確認し、償還請求権や買戻し条項、手数料、利用企業の責任などを把握したうえで利用することが大切です。
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングに関するよくある質問
リコースファクタリングとは簡単にいうと何ですか
リコースファクタリングとは、売掛先から売掛金を回収できなくなった場合に、契約内容によってはファクタリング会社が利用企業へ支払いを請求できる契約です。
売掛先の信用リスクを利用企業が一定程度負担する点が特徴です。
ノンリコースファクタリングとは何ですか
ノンリコースファクタリングとは、償還請求権のないファクタリングを指します。
契約上の条件を満たす限り、売掛先が倒産するなどして売掛金を回収できなくなった場合でも、利用企業がその損失を負担しない形が基本です。
リコースとノンリコースではどちらが安いですか
一般的には、ファクタリング会社が負担するリスクが小さいリコース型のほうが、ノンリコース型より低い手数料になる可能性があります。
ただし、手数料は売掛先の信用力や売掛金の金額、支払期日などによって異なるため、実際の見積もりを比較することが重要です。
ノンリコースなら売掛先が倒産しても返金しなくてよいですか
契約が真正なノンリコースであり、利用企業側に契約違反などの問題がない場合には、原則として売掛先の倒産による回収不能分を利用企業が負担する必要はありません。
ただし、契約には例外条件が設定されている場合があるため、契約書を確認することが重要です。
ファクタリングを利用すると売掛先に知られますか
2社間ファクタリングでは、売掛先に通知や承諾を求めずに手続きを進められる場合があります。
一方、3社間ファクタリングでは売掛先が契約に関与するため、ファクタリングの利用を知られることになります。
利用する際には、売掛先への通知や承諾が必要なのかを事前に確認しましょう。
まとめ
リコースファクタリングとノンリコースファクタリングを比較すると、最も大きな違いは「売掛先から売掛金を回収できなくなった場合のリスクを誰が負担するのか」という点です。
リコースファクタリングでは、売掛先が倒産するなどして売掛金を回収できなくなった場合、契約内容によっては利用企業がファクタリング会社へ支払いを行う必要があります。
その一方で、ファクタリング会社側のリスクが小さいことから、ノンリコースと比較して手数料が低くなる可能性があります。
ノンリコースファクタリングでは、償還請求権がないため、契約上の条件を満たす限り、売掛先が倒産するなどして回収不能になった場合でも、利用企業がその損失を負担しない形が基本です。
売掛先の信用リスクをファクタリング会社へ移転できる点が大きなメリットですが、リコース型と比較して手数料が高くなる可能性があります。
どちらが適しているかは、企業の資金繰りや売掛先の信用力、資金調達コストに対する考え方などによって変わります。
そのため、「リコースとノンリコースのどちらが優れているか」という視点だけではなく、「自社にとってどのようなリスクを許容できるのか」という観点から比較することが重要です。
また、ファクタリングを利用する際は、リコースやノンリコースという名称だけで判断せず、契約書に記載された償還請求権や買戻し条項、手数料、利用企業の責任などを確認しましょう。
ファクタリングは売掛金を早期に現金化できる便利な資金調達方法ですが、契約条件によって利用企業が負担するリスクは異なります。
複数のファクタリング会社から見積もりを取得し、手数料だけでなく、契約内容やリスクまで比較したうえで、自社に適したサービスを選ぶことが大切です。
