ファクタリングの売掛金と未収入金の違いとは?対象になる債権や仕組みをわかりやすく解説

2026年10月31日

ファクタリングを利用して資金調達を検討していると、「売掛金」と「未収入金」の違いが気になる方も多いのではないでしょうか。

どちらも企業がまだ受け取っていないお金を表すため、日常的には同じようなものとして考えてしまいがちです。しかし、会計上は発生した取引の内容によって「売掛金」と「未収入金」を区別して扱います。

ファクタリングでは、売掛金などの売掛債権をファクタリング会社へ譲渡して、支払期日前に資金化することができます。一方で、未収入金については、すべてがファクタリングの対象になるとは限りません。

そのため、ファクタリングを利用する際には、自社が保有している債権が「売掛金」なのか「未収入金」なのかを正しく把握することが重要です。

この記事では、ファクタリングにおける売掛金と未収入金の違いについて、基本的な意味から具体例、ファクタリングの対象になる債権、利用時の注意点まで詳しく解説します。

売掛金と未収入金の違いを簡単に解説

売掛金と未収入金は、どちらも「まだ入金されていないお金」という点では共通しています。

しかし、最も大きな違いは、そのお金が発生した取引の内容です。

売掛金は、企業が本業として行っている商品販売やサービス提供などによって発生する代金のうち、まだ回収していないものを指します。

一方、未収入金は、本業以外の取引によって発生した未回収の金銭債権を指すのが一般的です。

例えば、企業が商品を販売して後日代金を受け取る場合、その代金は売掛金として処理されます。

一方、企業が使用していない土地や建物などの固定資産を売却し、代金を後日受け取る場合には、未収入金として処理されることがあります。

つまり、「本業の営業取引から発生した未回収代金なのか、それとも本業以外の取引から発生した未回収代金なのか」が、売掛金と未収入金を区別する重要なポイントです。

売掛金とは何なのか

売掛金とは、企業が商品やサービスを提供したものの、代金をまだ受け取っていない場合に発生する債権です。

企業間取引では、商品やサービスを提供した時点ですぐに現金を受け取るのではなく、月末締めの翌月払いなど、一定期間を空けて代金を支払ってもらう掛取引が一般的に行われています。

このような取引で発生する未回収の代金が売掛金です。

例えば、企業Aが企業Bに対して100万円の商品を販売し、支払期日が翌月末に設定されているとします。

商品を販売した時点では、企業Aはまだ100万円を受け取っていません。

この場合、企業Aが持つ100万円の請求権が売掛金として計上されます。

売掛金が発生する代表的なケース

売掛金は、さまざまな業種で発生します。

例えば、建設会社が工事を行って工事代金を後払いで受け取る場合や、運送会社が配送サービスを提供して翌月にまとめて代金を受け取る場合などがあります。

IT企業がシステム開発やWeb制作を行った場合も、納品後に代金を受け取る契約であれば売掛金が発生します。

このように、企業が本業として商品やサービスを提供し、その代金を後から受け取る場合には、売掛金が発生するのが一般的です。

未収入金とは何なのか

未収入金とは、本業以外の取引によって発生した未回収の金銭債権を指します。

会計上では、営業活動によって発生する売掛金と区別して扱われます。

例えば、企業が保有している機械設備や土地、建物などの固定資産を売却し、その代金を後日受け取る場合には、未収入金として処理することがあります。

また、本業とは直接関係しない取引によって発生した未回収金が未収入金として計上される場合があります。

未収入金が発生する代表的なケース

例えば、製造業を営む企業が不要になった機械を他社へ売却し、代金を翌月に受け取る契約を結んだとします。

この機械の売却が本業の商品販売ではない場合、売却代金の未回収分は未収入金として扱われることがあります。

また、企業が所有している土地や建物などを売却し、代金の受け取りが後日になる場合にも未収入金が発生する可能性があります。

売掛金と未収入金の違いを比較

売掛金と未収入金の違いは、主に「どのような取引から発生した債権なのか」という点にあります。

売掛金は、本業における商品やサービスの販売によって発生する債権です。

未収入金は、本業以外の取引によって発生する債権です。

例えば、飲食店が顧客や企業へ飲食サービスを提供し、後払いで代金を受け取る場合は売掛金になります。

一方、飲食店が使用していた厨房設備を売却し、代金を後日受け取る場合には、未収入金となることがあります。

この違いを理解しておくと、ファクタリングの対象となる債権についても理解しやすくなります。

ファクタリングとはどのような仕組みなのか

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社へ譲渡し、支払期日前に現金化する資金調達方法です。

通常、企業間取引では、商品やサービスを提供してから実際に代金を受け取るまでに一定の期間があります。

例えば、商品を販売して1,000万円の売掛金が発生し、入金予定日が2か月後だったとします。

売上は発生しているものの、実際に現金が入ってくるのは2か月後です。

その間にも、人件費や仕入れ代金、外注費、家賃などの支払いが発生します。

そこでファクタリングを利用して売掛金を早期に資金化することで、入金サイトによる資金繰りの負担を軽減できる可能性があります。

ファクタリングでは売掛金が主な対象になる

ファクタリングで一般的に買い取り対象となるのは、商品やサービスの提供によって発生した売掛債権です。

特に、売掛先が法人などで、請求書や契約書などによって債権の存在を確認できる場合は、ファクタリング会社による審査を受けやすくなる可能性があります。

ただし、ファクタリング会社によって買取条件や審査基準は異なります。

売掛金を保有しているからといって、必ず買い取ってもらえるわけではない点には注意が必要です。

未収入金はファクタリングの対象になるのか

未収入金がファクタリングの対象になるかどうかは、ファクタリング会社や債権の内容によって異なります。

ファクタリングは基本的に、売掛先から将来的に支払われることが見込まれる金銭債権を買い取る仕組みです。

そのため、未収入金であっても、債権の内容や支払先の信用力などによっては、取り扱い可能なケースがあります。

ただし、一般的なファクタリング会社では、企業の営業取引から発生した売掛債権を主な買取対象としていることがあります。

そのため、未収入金をファクタリングしたい場合には、申し込み前に買取対象となるか確認することが重要です。

未収入金なら必ず利用できないわけではない

「未収入金だからファクタリングできない」と一律に判断することも適切ではありません。

重要なのは、その債権がどのような取引によって発生したのか、誰に対する債権なのか、支払期日がいつなのか、債権の存在を証明できる資料があるのかなどです。

例えば、企業間の取引によって発生した未収金で、契約書や請求書などによって債権の存在が明確になっている場合には、ファクタリング会社によって取り扱い可能と判断される可能性があります。

一方、債権の内容が不明確だったり、回収の可能性が低かったりする場合には、買い取りを断られる可能性があります。

ファクタリングで重要なのは売掛先の信用力

ファクタリングの審査では、利用企業だけでなく売掛先の信用力が重要になります。

ファクタリング会社は、買い取った売掛債権を最終的に回収する必要があるためです。

例えば、利用企業の財務状況に多少の問題があったとしても、売掛先が信用力の高い企業で、売掛債権が正常に発生していることを確認できれば、ファクタリングを利用できる可能性があります。

反対に、売掛先の経営状態が不安定で、支払いが行われないリスクが高い場合には、審査が厳しくなる可能性があります。

売掛金をファクタリングするメリット

売掛金をファクタリングすることで、企業はさまざまなメリットを得られる可能性があります。

入金前の売掛金を資金化できる

最大のメリットは、支払期日前の売掛金を現金化できることです。

売掛金の入金までに30日、60日、90日などの期間がある場合、その期間中は売上が現金として手元に入ってきません。

ファクタリングを利用すれば、売掛金を早期に資金化できるため、運転資金を確保しやすくなります。

資金繰りを改善しやすい

売上が増えている企業でも、売掛金の入金より先に支払いが発生すると、資金繰りが苦しくなる場合があります。

ファクタリングによって売掛金を早期に現金化すれば、仕入れや人件費などの支払いに充てられる可能性があります。

特に、急速に事業を拡大している企業では、売上の増加とともに必要な運転資金も増えるため、売掛金をどのように管理するかが重要になります。

融資とは異なる方法で資金調達できる

ファクタリングは、基本的に売掛債権を譲渡して資金化する方法です。

そのため、銀行融資のように借入金を増やす資金調達とは仕組みが異なります。

資金調達方法を一つに限定せず、融資とファクタリングなどを状況に応じて使い分けることで、資金繰りを柔軟に管理できる可能性があります。

売掛金をファクタリングするときの注意点

売掛金をファクタリングする場合には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。

手数料を確認する

ファクタリングでは、売掛金の額面金額がそのまま入金されるわけではありません。

ファクタリング会社へ支払う手数料などが差し引かれるため、実際に受け取れる金額は売掛金の額面より少なくなります。

例えば、500万円の売掛金をファクタリングする場合でも、手数料率によって入金額は変わります。

そのため、申し込み時には手数料率だけでなく、最終的な入金額を確認することが重要です。

契約内容を確認する

ファクタリングを利用する際には、契約内容を十分に確認しましょう。

売掛債権の譲渡条件や手数料、支払方法、契約期間などに加えて、契約上の責任についても確認しておくことが大切です。

不明な点がある場合は、契約前に担当者へ質問しましょう。

売掛債権の二重譲渡に注意する

すでに別のファクタリング会社へ譲渡した売掛債権を、別の会社へ再度譲渡することはできません。

売掛債権の二重譲渡は重大な問題につながる可能性があります。

複数のファクタリング会社へ相談している場合は、どの債権をどの会社へ譲渡するのかを明確に管理しておきましょう。

売掛金と未収入金を間違えないためのポイント

売掛金と未収入金を区別する際には、「何の取引によって発生したお金なのか」を確認することが重要です。

例えば、本業の商品販売によって発生した代金であれば売掛金、本業とは関係のない固定資産の売却代金などであれば未収入金として扱うケースがあります。

ただし、実際の会計処理については取引内容や企業の状況によって判断が必要になる場合があります。

勘定科目について判断に迷う場合は、税理士や会計士などの専門家に確認するとよいでしょう。

ファクタリングを利用するなら売掛債権の内容を整理しておく

ファクタリングをスムーズに利用するためには、申し込み前に保有している債権の内容を整理しておくことが大切です。

売掛先の会社名、売掛金の金額、支払期日、取引内容などを整理しておくことで、ファクタリング会社へ状況を説明しやすくなります。

また、請求書だけでなく、契約書や発注書、納品書など、取引の実態を確認できる資料を準備しておくと、審査を進めやすくなる場合があります。

必要書類はファクタリング会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

ファクタリングには、代表的な方法として2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、基本的に利用企業とファクタリング会社の2者間で契約する方法です。

売掛先が契約に直接関与しない形で手続きを進められる場合があるため、売掛先へファクタリングの利用を知られたくない企業などに利用されることがあります。

また、売掛先から承諾を得る必要がない場合には、比較的スピーディーに資金化できる可能性があります。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、利用企業、ファクタリング会社、売掛先の3者が関係する方法です。

売掛先への通知や承諾などが必要になる場合があります。

手続きに時間がかかる可能性がある一方、売掛先からファクタリング会社へ直接支払いが行われる形では、ファクタリング会社側の回収リスクが低くなるため、2社間ファクタリングよりも手数料が低く設定される場合があります。

ファクタリングの対象になりやすい売掛債権とは

ファクタリングの対象になりやすい債権には、いくつかの特徴があります。

まず、すでに商品やサービスを提供しており、売掛金が確定していることが重要です。

また、売掛先が法人などで、支払い能力に問題がないことも重要なポイントになります。

さらに、請求書や契約書などによって債権の存在を確認できることも大切です。

反対に、取引自体が完了していない債権や、支払われるかどうかが不確かな債権などは、ファクタリング会社によって買い取りを断られる可能性があります。

売掛金と未収入金の違いを理解して適切な資金調達を行おう

ファクタリングを検討する際には、「まだ入金されていないお金」というだけで判断するのではなく、その債権がどのような取引から発生したものなのかを確認することが大切です。

本業の商品販売やサービス提供によって発生した未回収代金は売掛金、本業以外の取引によって発生した未回収代金は未収入金として扱われるのが一般的です。

ファクタリングでは売掛金が主な買取対象となりますが、未収入金についても債権の内容によっては取り扱い可能な場合があります。

そのため、未収入金だからといって最初から利用を諦めるのではなく、ファクタリング会社へ具体的な内容を相談してみることも一つの方法です。

まとめ

ファクタリングにおける売掛金と未収入金の違いを理解するためには、まず「どのような取引によって発生した債権なのか」を確認することが重要です。

売掛金は、企業が本業として商品やサービスを提供したことによって発生する未回収の代金です。

一方、未収入金は、本業以外の取引によって発生する未回収の金銭債権を指すのが一般的です。

例えば、企業が商品を販売して代金を後日受け取る場合には売掛金となりますが、保有している機械や土地などの固定資産を売却し、その代金を後日受け取る場合には未収入金として扱われることがあります。

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社へ譲渡し、支払期日前に現金化する資金調達方法です。

売掛金をファクタリングすることで、入金サイトによって発生する資金繰りの負担を軽減できる可能性があります。

特に、売上が増加しているものの入金までの期間が長く、仕入れ代金や人件費などの支払いが先に発生している企業にとって、ファクタリングは資金繰りを調整する手段の一つとなります。

ただし、未収入金については、すべてがファクタリングの対象になるとは限りません。

ファクタリング会社によって買取対象や審査基準が異なるため、未収入金を資金化したい場合は、債権の発生原因や売掛先、支払期日などを伝えたうえで、取り扱い可能か確認することが大切です。

また、ファクタリングには手数料が発生するため、資金調達を行う際には手数料だけでなく、実際に受け取れる金額や契約内容などを確認しましょう。

「ファクタリング 売掛金 未収入金 違い」を理解して、自社が保有する債権の種類を正しく把握することが、適切な資金調達方法を選ぶ第一歩です。