「総量規制とは?年収の3分の1までしか借りられない仕組みを徹底解説」

2025年9月20日

総量規制とは?

「総量規制」とは、貸金業法によって定められたルールで、個人が消費者金融やカードローンなどから借りられる金額に上限を設ける仕組みのことです。2006年の貸金業法改正で導入され、2010年6月から本格的に施行されました。

その目的は、過度な借り入れによる多重債務や自己破産を防ぐことにあります。

総量規制の基本ルール

総量規制の基本は「年収の3分の1までしか借りられない」という点です。

・年収300万円 → 借入上限100万円

・年収600万円 → 借入上限200万円

・無職や専業主婦(収入なし) → 原則借入不可

この「3分の1」という基準は、消費者の返済能力を超えないための安全ラインとして設定されています。

総量規制の対象となる借入・対象外の借入

すべての借入が総量規制に当てはまるわけではありません。

対象になるもの

・消費者金融からのキャッシング

・クレジットカードのキャッシング枠

・一般的なカードローン

対象外となるもの

・銀行カードローン(銀行は貸金業法ではなく銀行法のため)

・住宅ローン・自動車ローン

・高額療養費などの医療ローン

・学資ローン、奨学金

・おまとめローン(一本化する場合)

総量規制による影響

導入によって、利用者と業者双方に大きな変化がありました。

・利用者側のメリット

 ・借りすぎを防げる

 ・多重債務のリスクを軽減

・利用者側のデメリット

 ・急な出費でも年収の3分の1を超えては借りられない

 ・専業主婦や学生など収入のない人は利用が難しい

・貸金業者側の影響

・無理な貸し付けが制限され、健全化が進んだ

総量規制を踏まえた資金調達の工夫

総量規制により、借入額が制限されるのは事実ですが、必ずしも「資金が調達できない」ということではありません。

・銀行カードローンや住宅ローンなど対象外の制度を活用

・公的な支援制度(教育ローン、日本政策金融公庫など)を利用

・クレジットカードのショッピング枠を現金化するような違法行為は避ける

まとめ

総量規制は「年収の3分の1まで」というルールで、借りすぎによる生活破綻を防ぐために導入された仕組みです。対象と対象外の借入を正しく理解し、無理のない範囲で資金を活用することが大切です。