法人向けの融資サービスについて解説
2024年9月19日
いつもご愛読いただきありがとうございます。
法人にはつきものの資金繰りを手助けする代表として挙げられるのが、融資です。
融資とはいっても、ローンとの違いであったり、公的融資や民間融資などがあり、どう選分のが良いのか判断し難いと思います。
今回は、法人向けの融資について、他の資金調達方法との比較や種類、フローなどをお伝えします。
融資とは
融資とは、企業や個人が金融機関からお金を借りることを表す言葉で、主に事業資金が必要なときに使います。
融資を行うのは金融機関側になるため、金融機関側から見てお金を借りる立場の企業や個人は「融資を受ける側」となります。
融資を受ける側は元金に利息を加えて返済する必要がありますが、一般的に分割で返済できることが多いです。
ただし、融資を受けるには審査に通らなければいけません。さまざまな融資方法があり、それぞれ審査の方法や期間は異なります。
まずは、融資と出資、融資とローンの違いについて見ていきましょう。
融資と出資の違い
融資と似た言葉に、「出資」があります。出資とは、企業や個人が投資家等の出資者から、事業のための資金提供を受けることを意味します。
出資の場合、融資とは違って返済の必要がありません。
投資家は、出資をした企業や個人が事業に成功したときに利益を得るほか、株主総会での議決権を持ち、経営に参加する権利を得ることもあります。
融資とローンの違い
「ローン」も融資の一種であり、企業や個人が金融機関等からお金を借りることを意味します。
融資とローンの違いは使用用途にあり、融資は事業のためにお金を借りること、ローンは家や車の購入等、消費を目的にお金を借りることを指すのが一般的です。
融資を受けるメリット
法人や個人事業主が事業用資金の融資を受けるメリットには、「資金繰りが安定し、経営にゆとりを持てること」「倒産リスクを軽減できること」等が挙げられます。
また、融資の一種である個人向けローンには、以下のようなメリットがあります。
突発的な支払いに対応できる
即日融資可能な個人向けローンなら、事故や病気等の治療費、家電や車等の故障による修理代、冠婚葬祭の香典やご祝儀等、突発的な支払いにも対応できます。
たとえば、三井住友銀行のカードローンなら、ウェブサイトから24時間申込が可能です。本人確認書類を提出後、審査から融資まで最短当日で完了します。
高額な支払いに対応できる
家や車の購入、家族旅行の代金、家電の購入費等、高額な支払いが必要なときも、個人向けローンの融資が便利です。
たとえば、三井住友銀行のカードローンの場合、10万円~800万円の範囲内で利用限度額を1万円単位で設定ができ、範囲内であれば必要な金額を何度でも利用できます。ただし、50万円を超える申込には年収を確認できる書類が必要です。
計画的に返済できる
個人向けローンで融資を受ければ、高額な借り入れでも計画的に分割で返済できるというメリットがあります。
三井住友銀行のカードローンでもウェブサイト上で毎月の返済額、返済期間、返済総額がシミュレーションできるサービスを提供しています。
また、利用や返済に関する相談窓口があり、手元の資金に余裕がある場合はATM等で臨時返済もできるため、計画的に利用可能です。
融資の主な種類
融資には主に、公的融資と民間融資の2種類があります。
ここからは、公的融資と民間融資の特徴について解説します。
公的融資
公的融資とは、日本政策金融公庫や地方自治体等、公的機関から受ける融資のことです。
日本政策金融公庫とは、民間金融機関の取り組みを補完し、事業に取り組む方々等を支援する政策金融機関で、国が株式の100%を保有しています。
民間金融機関では融資を受けにくい創業間もない企業や、信用度に不安がある企業でも利用できるのが特徴で、金利も比較的低く設定されています。
ただし、条件によっては審査期間が長くなるため、今すぐ融資を受けたいときには向きません。
地方自治体等による制度融資とは、地方自治体・民間金融機関・信用保証協会が連携して企業や個人に資金を支援する制度です。
担保が必要になるケースもありますが、無担保で融資を受けられることも多く、自治体が貸付原資の一部を負担するため低金利でもあります。
ただし、制度融資は自治体ごとに対象や期間等が異なるため、利用するときは条件をしっかりと確認しましょう。
民間融資
民間融資とは、銀行等の金融機関から受ける融資のことで、消費者金融や個人向けローンも該当します。
金融機関からの融資には、信用保証協会へ保証料を支払って保証人になってもらう信用保証付融資や、金融機関がリスクを負って融資をするプロパー融資等があります。
プロパー融資のほうが金利は高いケースが多いですが、信用保証付融資の場合は、金融機関へ支払う利子に加えて、保証協会に保証料を支払わなければいけません。
審査期間も金融機関によって異なるため、よく調べた上で申込をしましょう。
また、消費者金融や個人向けローンは、今すぐ融資を受けたいときに適した融資の種類です。
信用保証付融資やプロパー融資に比べて、審査期間が短いケースが多く、カードローンのように利用限度額の範囲内であれば何度でも利用できる商品もあります。
融資を受けるときの注意点
法人や個人が融資を受けるメリットは多いですが、注意したい点もあります。
融資は出資と違い、借りたお金に利息を加えて返済しなければいけません。
返済が滞ると延滞損害金が発生したり、一括返済を求められたり、担保を売却されたりすることもあるので、無計画に利用するのは避けたほうがよいでしょう。
長期間の滞納や支払い遅延の情報は信用機関に記録されるため、ほかの融資を受けにくくなる可能性もあります。
融資を受ける際は、事前に返済計画を立てて、計画的に利用することが大切です。
法人向け銀行融資の基本的な流れ
法人向けの融資はどのような流れなのでしょうか。銀行融資の場合を例に、説明します。
法人向け銀行融資は通常、準備を開始してから資金を調達できるまで約3ヶ月かかります。銀行の選定や必要書類の準備、相見積もりなど、しっかり検討する場合はそれだけ時間がかかります。融資を受けた経験があり、どんな準備が必要か具体的に想定できている場合でも、最低1ヶ月はみておきましょう。現金が必要になる直前では、間に合わない場合もあるため、早めに準備することをおすすめします。
法人向け銀行融資の基本的な流れは、1:準備、2:申込、3:審査、4:審査結果と条件提示、5:融資契約、6:融資の実行になります。
銀行が行う融資には保証協会付融資とプロパー融資がありますが、保証協会付融資の場合は、保証協会の審査があるため、その分、融資実行までの手続きは多くなり時間がかかります。それでは、基本的な流れを詳しく解説します。
1: 準備
最初に、融資を受けるための文書や情報を整備します。融資を申込する銀行を選定したり、融資希望額や返済計画を検討したり、必要書類を準備します。正確で適切な情報を用意することは、審査の成功に大きく影響します。
銀行融資で必要な書類は以下になります。
・税務申告書一式(直近3期分)(必須)
・最新決算期の納税証明書(法人税・消費税)(必須)
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書、発行後3ヶ月以内のもの)(必須)
・試算表
・固定資産台帳
・借入金の残高が分かる資料
・会社案内や製品カタログなどの会社資料
・事業計画書
・資金繰り表
2: 申込
銀行に融資の申し込みを行います。申込書類と必要書類を提出し、融資の希望条件を伝えます。この段階で銀行の担当者とのコミュニケーションが重要です。日本政策金融公庫の場合は、申し込み後に面談を行います。
3: 審査
銀行は提出された情報を元に審査を行います。信用性、財務状況、事業計画などを評価します。銀行の融資は稟議制です。受付した銀行員が稟議書を作成し銀行内で回覧し、融資の可否と意見を書いていきます。最後は支店長などの決裁者が融資を行うか決定します。取り扱う金額が高い場合や信用性が低い場合は、承認が得られず稟議書を修正したり、本部長まで回覧したりするため、通常より審査に時間がかかります。融資の審査期間は、銀行員の力量や銀行によって異なりますが、通常は1週間から1ヶ月程度です。
保証協会付融資の場合は信用保証協会の審査があります。そのため、信用保証協会の審査期間は(1週間程度)長くかかります。
日本政策金融公庫の場合は申込後に面談があります。そのため、日本政策金融公庫の審査期間は銀行よりも長く、2週間から1ヶ月程度です。
4: 審査結果と条件提示
審査が通過すると、銀行から審査結果と融資条件が提示されます。通常は担当の銀行員から電話で連絡があり、審査結果及び金利や返済期間、融資方法などの条件を掲示されます。ここで条件交渉を行うことができます。希望の条件と異なる場合など、一度保留にして相見積もりを行うことも出来ます。
5: 融資契約
融資条件に合意したら、ほとんどの場合銀行員が企業に訪問します。そして正式な契約書に署名し、融資の契約が確定します。
6: 融資の実行
融資が実行され、資金が企業の口座に振り込まれます。融資の契約後、実際に振り込まれるまでは銀行によって異なりますが、3営業日程度で振り込まれることが多いです。
まとめ
今回は、法人向けの融資についてお伝えしました。
いくらメリットがあるからとはいえ、融資を受けた後のことまで考えて、計画的に進める必要があります。
うまく利用することで、事業の発展にも大いに役立てることができるはずなので、利用するのかしないのか、どれだけの融資を必要とするのか、よく吟味することが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました!